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「ただスマホを見ているわけじゃない」ネット検索から見えてくる不登校経験者たちの迷いと葛藤

 「一発逆転」、「Fラン大学 その後」、「南国 住むには」……。不登校当時、学生たちは心のモヤモヤを検索欄に投げていました。皆さんはどんな言葉で「検索」をしていましたか? そんな問いから始まった不登校経験者のグループ・「不登校ラボ」の交流会。心のモヤモヤをすこしでもクリアにしたいと、当時の検索ワードをふり返る企画です。発案者のかんたさんに、交流会の模様を書いていただきました。

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学校へ行けなかった高校生のころ、不安や焦りからくるモヤモヤとした感情を毎日感じていました。友だちもおらず、かといってSNSに書きこむのも何かちがうと感じた僕は、苦肉の策として日々のモヤモヤをグーグルの検索欄に投げこむことにしました。ノートに書きなぐるかのごとく、思いつくままに出てきた言葉で検索をかけていたのです。

 ですから高校時代の僕の検索履歴は見られたものではありません。青くて痛々しい放言ばかりです。検索結果だって、よく分からないまとめサイトに飛ばされたりなど、かんばしいとは言えません。あの検索欄には当時の怨念が取り憑いていることでしょう。

 そんなことを思い出したとき、不登校ラボの交流会の企画を思いつきました。題して『世界の検索窓から』。集まったメンバー各々がどんな検索をかけていたのかを共有し、「検索欄」から不登校時代をのぞいてみましょう、という企画です。

検索ツールは?

 参加者は、僕を含めた不登校経験者数名に加え、現役で不登校の子どもを持つ保護者もいらっしゃいました。最初の議題は「どういったメディアで検索をしていましたか?」。

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