フットサルW杯の出場権を逃したことより、まず受け止めるべきフットサル界の現状とそこからの一歩

はじめに

2016年3月7日、女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)が2004年アテネ五輪から3大会連続で出場をしていた五輪出場権を逃した。2000年のシドニー五輪では前年の女子W杯の結果により出場国が決定したため、実質アジア予選で出場権を獲得できなかったのは初となった。

その前月である2月、フットサル日本代表も3大会連続出場中だったフットサルW杯2016の出場権を逃した。なでしこは『上位2ヵ国』だったが、フットサル日本代表はそれよりも倍以上多い『アジア選手権上位5ヵ国』だったが、準々決勝でベトナムに敗れ、最後の5位6位決定戦でも初戦でキルギスに敗れた。ちなみに、アジア選手権は2連覇中でフットサル世界ランキングはアジア2位だった。

そして、サッカーファミリーということで、上記なでしことフットサル日本代表はセットで語られているようだが、プロリーグでないことはもちろん、オリンピック種目でもないフットサルがW杯出場権を逃したことは、ある意味なでしこより大きな痛手だ。何より、スポーツの世界では『大事なのは結果だけ』と言われるが、フットサル日本代表はそもそも多くの国民から結果さえも求められていなかった。なぜなら、その大会が行われていることさえほとんど知られていなかったのだから。それらをきっと監督・選手達は誰よりも理解していただろう。それでも残念ながらフットサル日本代表はW杯出場という結果を出すことができなかった。

あれから4ヶ月。W杯出場権を逃した直後にFutVision現責任者より「1記事ぐらい書いたほうが良いのでは?」と言われたのだが、残念ながら仕事の都合で1試合もリアルタイムで観なかったこともあり、今日まで特にどこでも書いていない。しかし今月フットサル界では、トップリーグであるFリーグが開幕する。その開幕を前に、せっかく作ったこのアカウントで、この半年ほどの間に気になったことや、W杯出場権を逃したことよりも向き合うべきこと、フットサル界の現状などを書いてみようと思う。以下に目次を。

【目次】

■あるメディアの悲痛な叫びと、あるフットサル日本代表選手の発言

■フットサル界は大企業ではない

■Fリーガーが集めるべきは尊敬ではなく⚪︎⚪︎

■現状のフットサル界を支えているモノとは?

■フットサルW杯出場権を獲得できなかったことより、フットサル界がまず受け止めなければいけないこと

■たった一枚の写真で分かる、W杯出場権を懸けた戦いの最中、日本で起こっていたこと
→感情論ではなく、実際のデータであるFutVision独自の数値グラフを

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