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大学生の夢

私は18歳の誕生日、忌々しいインターネットをやめ、本当の人間になります。

二重整形をして、自分の顔に興味をなくしたいです。
そして「かわいい」と言ってくる人がいれば表情を変えずに「ありがとう」とだけ言います。

大学生になったら、まずバイトを頑張ります。
旅をするためです。
都会に住むので旅は必須です。
長期休みはいろんなところに行きます。
歩きは前提として、電車も原付もいいなと思ってます。
人が多いのは嫌いです。
人が少ない電車は窓が見えます。
窓から見える景色はビルです。
都会はビル一つ一つの小さな窓に数人います。
これがたまらなく怖いです。
原付は早いです。
ヘルメットは可愛いです。
すぐ海まで行けます。
でも走るのは道路です。
視界も聴覚もヘルメットに守られ過ぎてしまいます。
早朝と平日は電車を使おうと思います。
そしてたくさん歩きます。

スマホはただ緊急連絡をするためのつまらない本来の姿の媒体となります。
写真もスマホでは撮りません。
音楽だって聴きません。
周りの音が聞こえなくなるイヤホンなんてしません。
音楽はCDプレイヤーでちゃんとアルバムごと聴きます。
私は良くも悪くもないカメラを買い、持ち歩きます。
あとで現像をするためです。
子供の頃の思い出の振り返り方をも思い出し、思い出を振り返ること、それすらも思い出になりそうで面白いと思ったからです。
アルバムをめくるんです。

日本の森も海も神社も全部見尽くしたいです。
聴き尽くしたいです。
本当は世界中全部記憶に残したいです。
見ない景色が存在するまま死んでいくのが怖いからです。

そして記憶もなくしたくないです。
一回は全部思い出したいです。
1日の終わりには、天井を見ながら1日の全て一語一句思い出すことをしたいです。
そして行った場所とやったこと、全く同じ1日を人生の中でもう一回やりたいですり

1人はとてもいいです。
恋人がいればもっといいです。
1人は好きだけど寂しいこともあると思います。
行く先の地域にいる好きな人たちに会いに行くようにしたいと思っています。
その人に会う前に行った場所で買った小さくて美しいお土産を渡し、話しかけたいです。
私が会いに行った時は美しかったものを美しかった理由と一緒に全部教えてあげます。
色も香りも肌触りも音も全部です。
そこで出会った人とした話、嫌だったことと嫌じゃなくなったことも全部お話しします。
だからそこにいて、楽しみに待っていてください。

そして大学では文学を勉強します。
いい大学ではないけれど私は熱意があります。
日本語が好きです。
歌詞が好きです。
言葉が好きです。
どう頑張っても、人に伝えるという面で言葉を超えるものはありません。
私は、伝えたいことを一つ残らず、落とさず、美しい香りの、いい色のままで渡せるようになりたいです。
自分で少し納得するまでは、絶対人の前には立ちません。

そしてわたしは軽音サークルに入って大学生らしく乱れます。
少し下品でもいいです。
お酒を飲みます。
ウイスキーを飲んでみたいです。
毎日少しでいいです。
好きな人がタバコを吸っていたら吸おうと思います。
自分からは買いません。
振られたらその人を好きな限り自分で買うようになると思います。

タトゥーを入れます。
手に入れたいです。
少しずつ増えていくと思います。
光の印字、血の通ってる証拠の模様。
見た人の心臓が少し締まるような私のシンボルを刻みたいです。

そして毎日ギターを練習します。
ギターがうまくて、歌に味があって、言葉を大事にしていると思われたいです。
才能がないわたしの軽音の目標は、泣きのギターで人を泣かせることにしようと思います。
嫌われるバカではなく、嫌いになれないバカになろうと思っています。

きっと、わたしがずっとなりたかったのは嫌いになれないバカです。

言葉に納得して、泣きのギターが弾けるようになったらわたしは音楽をするでしょう。
想像もつきません。
きっとアングラの姫になります。
私は小心者なのでダイブなんてできません。
そして煽れません。
そしてギターは下手だと思います。
だけど本物の心があるので、言葉だけは素晴らしい人になると思います。

中途半端だけど顕著な強さがある心があります。
優しい宗教の教祖になります。

いつか私のつまらない過疎で恥ずかしい「ライブ」で会えますように。

あなたも、わたしもです。

それでは

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