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「幸せな人生設計」をUXデザイナーが、偉人の生き方から、科学してみた

「人間は、お金を稼ぐために健康を犠牲にする。そして、そのお金を使って健康になろうとする。人間は、将来を心配しすぎて、今を楽しまない。結局、今を生きていないし、将来にも生きていない。あたかも死が訪れないかのように。そして、生きることをしないまま死んでいく。」
- ダライラマ・14世

こんな方は是非読んでみてください!
・ウェルビーイングな暮らしについて知りたい人
・成功に向け一生懸命すぎて疲れてる人
・偉人や竈門炭治郎の脳内物質を知りたい人


はじめに

みなさま、こんにちは!
ウェルビーイングプロダクトの立ち上げや、ウェルビーイング関連のベンチャーにエンジェル投資しているプロダクトマネージャー兼UXデザイナーです。(下記、自己紹介記事です)

最近読んだ「精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法」に感銘を受け、こちらの本をベースに、これからのウェルビーイングな人生設計について、偉人や「鬼滅の刃」に登場する主人公の生活を分析しながら考察してみました。

そもそも幸せって、どういう状態?

みなさんは、どうなったら幸になれると思ってますか?

「富豪になって何でも買える様になれたら」
「偉業を成して歴史に名を残したら」
「有名になって社会的な影響力を持ったら」

バリバリ働く人ほど、こんな風に考える人が多いかもしれません。しかし、上記を達成するだけでは、幸せな状態とは言えないみたいです。

幸せは脳内の物質により決まります。
そして、その幸福を感じさせる脳内物質は大きく3種類に分けられます。

出元:精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

多くの人は、「ドーパミン的幸福」を求めている人が多いと想像します。

成功やお金による「ドーパミン的幸福」も人を幸せにしてくれますが、それ以上に家族や人とのつながりで発生する「オキシトシン的幸福」、自分自身の心と体の健康を大事にすることで発生する「セロトニン的幸福」をまず満たすことの方が大事。これら二つの土台があって初めて、「ドーパミン的幸福」が成り立ちます。比率的には1(ドーパミン):3(オキシトシン):6(セロトニン)のようなイメージでしょうか。「オキシトシン的幸福」と「セロトニン的幸福」の基礎がなければ、いくら「ドーパミン的幸福」を手に入れても持続的なウェルビーイングライフは実現できません。

出元:精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

オキシトシン的幸福を求め、鬼と闘う炭次郎

鬼滅の刃の炭治郎は鬼に家族を残虐され、残された妹<禰󠄀豆子>も鬼にされたことで「オキシトシン的幸福」をある日突然失いました。

炭治郎の面白いのは、「ドーパミン的幸福」を全く求めてない所です。彼は崩壊した「オキシトシン的幸福」を取り戻すためだけに鬼と闘ってます。

別に強くなりたいわけでもなく。
柱という名誉や富が欲しいわけでもない。

「天下とる!」とか「海賊王になる!」などと物語冒頭で宣言する「ドーパミン的幸福」を求める一般的なキャラクターとは正反対の珍しい主人公です。

禰󠄀豆子を人間の姿に戻し、「オキシトシン的幸福」<家族とのつながり>を取り戻したい!というモチベーションを原動力に鬼と闘ってます。

全集中の呼吸(瞑想)で最低限「セロトニン的幸福」の土台を整えながら、冒頭で述べた幸せの基礎(オキシトシンとセロトニン)を取り戻すために鬼と闘ってます。

ドーパミン的幸せに違和感を覚え始めた、現代人

近年の鬼滅の刃ブームは、世の中の人々がオキシトシンやセロトニン的幸福を潜在的に求めている表れなのでは?と勝手に思ってます。

成功やお金を求め、自分の健康や家族をおろそかにしてきた<されてきた>人々が、オキシトシンやセロトニン的幸福を無意識に欲してるのかもしれません。

「ポスト資本主義」「脱成長主義」「サウナでの整い体験」が近年支持されるのも、「ドーパミン的幸福」に限界を感じてる人の割合が増えてる事に原因がありそうです。

ドーパミン x オキシトシンの組み合わせで、持続可能な幸福を

刺激で溢れる資本主義社会で生きる以上、ドーパミン的幸福を切りはなす事は不可能でしょう。ただ、3つの幸福をうまく融合させる事で、暴走するドーパミンをコントロールし、持続可能な幸福を実現する事も可能です。

セロトニンやオキシトシンは、「もっともっと」と渇望するドーパミン的幸福を制御し、必要以上のお金やアルコールなどの本質的にはいらない欲望を制御する効果があります。

セロトニンの低下は、アルコール依存症の「結果」というだけではなく、それを悪化させ、治りづらくさせる「原因」「要因」でもあるのです。  逆に、しっかりと普段からセロトニンを鍛えていれば、ドーパミンの暴走(依存症)を予防できます。

出元:精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

オキシトシンは「お酒をもっと飲みたい」「タバコをもっと吸いたい」という衝動を抑える作用がある。オキシトシンは、ドーパミンの闇の側面、「もっともっと」を抑制できる。ドーパミンの暴走(依存)に対してブレーキをかけるのです。

出元:精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

また、セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福は、ドーパミン的幸福よりも桁違いに長続きします。

出元:精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

オキシトシンとセロトニンを、ドーパミン的幸福と融合させる事で、「もっともっと」を制御し、長く続くドーパミン的幸福を実現できるのです。

出元:精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

莫大な富を得て「ドーパミン的幸福」を手にしても尚働き続ける起業家などは、世の人のためになりたいと願う「オキシトシン的幸福」を求め働いているのだと推測しています。(これについては下記の記事で愛に例えて一部紹介しています)

Well-beingな生活を無意識に実践していた偉人たち

過去の偉人たちの生活を観察すると、多くの偉人たちは無意識に3つの幸福のバランスをとっていたのが分かります。

ベートーベンの1日

ベートーヴェンは夜明けに起きて、ほとんどすぐに仕事を始めた。朝食はコーヒーで、細心の注意を払っていれた──一杯につき、豆六十粒。正確を期すために一粒ずつ数えることもよくあった。それから机について二時か三時ごろまで仕事をしたが、ときどき休憩をとって散歩に出かけた。散歩は作曲の役に立ったという(おそらくそのせいで、ベートーヴェンは、あたたかい時期のほうが多くの曲を作ることができた)。  昼にしっかりと食事をとったあと、さっそうと長い散歩に出かける。日中の残りの時間の多くがその散歩に費やされた。いつも鉛筆を一本と五線紙を二、三枚ポケットに入れて持ち歩き、浮かんできた楽想を書きつける。日が暮れてくると、居酒屋へ寄って新聞を読んだりした。夜は友人と過ごしたり、劇場へ行くこともあったが、冬は家にいて本を読むのを好んだ。夕食はたいてい簡単なもので、スープと昼食の残りなど。食事しながらワインを楽しみ、食後はビールを飲みながらパイプを一服する。夜は音楽の仕事をすることはめったになく、早々に寝る。遅くとも十時にはベッドに入っていた。

出元:天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

読書、散歩、早寝早起きで「セロトニン的幸福」を満たしながら、夜は音楽の仕事はめったにせず、友人と過ごし「オキシトシン的幸福」もしっかり満たす。偉大な名曲を生み出し「ドーパミン的幸福」を手にした裏には、盤石な「セロトニン的幸福」と「オキシトシン的幸福」の土台があった事が伺えます。

村上春樹の1日

長編小説を書いているとき、村上は午前四時に起き、五、六時間ぶっとおしで仕事をする。午後はランニングをするか、水泳をするかして(両方するときもある)、雑用を片づけ、本を読んで音楽をきき、九時に寝る。「この日課を毎日、変えることなく繰り返します」二〇〇四年の『パリス・レビュー』で村上はそう語っている。「繰り返すこと自体が重要になってくるんです。一種の催眠状態というか、自分に催眠術をかけて、より深い精神状態にもっていく」
この習慣の唯一の欠点は、二〇〇八年に本人があるエッセイのなかで認めているように、人づきあいが悪くなることだ。「何度も誘いを断っていると、人は気を悪くする」と村上は書いている。しかし、自分の人生で欠かすことのできない関係は、読者との関係だと彼は考えた。「読者は僕がどんなライフスタイルを選ぼうが気にしない。僕の新しい作品が前の作品よりよくなっているかぎりは。だったらそれが、作家としての僕の義務であり、もっとも優先すべき課題だろう」

出元:天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

村上春樹も、早寝早起きやランニングで「セロトニン的幸福」を満たしていました。「オキシトシン的幸福」も読者との繋がりを感じる事で実現しています。

彼らは3つの幸福のバランスがとれていたからこそ、やりたい事が実現できたのかもしれません。

全ては自分と他者を想う心から

長々と書いてしまいましたが・・・

ウェルビーイングな人生を過ごすためには、成功を目指すより、まずは自分と周りとの繋がりを大切にしてください。(最終的にとても当たり前の結論!笑)

真の目的がわからずただ漠然と成功を求めてる方は、自分と人との繋がりを大切に「オキシトシン的幸福」と「セロトニン的幸福」の実現を。

世の中に尽くすあまり自分の健康が損なわれている方は、自分を大切にし「セロトニン的幸福」の実現を。

3つの幸福の実現で、皆様の2022年がハッピーな一年になることを祈っています!

紹介した著書リスト

スタートアップ向けメンタルコーチング

脳科学/心理学/認知科学/マインドフルネス/ポジティブ心理学/仏教の知見がつまったスタンフォード大学教授が開発したPQ(Positive Intelligence)をベースに、パフォーマンスを最大化するための習慣Tipsや思考法をあなたに合わせてお届けしてます。


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