未来予報士(β)

建築の専門学校に行ったり、小説を書いたりもしています。 好きな作家は稲垣足穂。専門は国…

未来予報士(β)

建築の専門学校に行ったり、小説を書いたりもしています。 好きな作家は稲垣足穂。専門は国際政治とシュルレアリスム。未来予測に、人文知を組み込みたい。

最近の記事

コロナうつ社会とその先にあるもの、東京オリンピック(1)

今月の中頃、厚生労働省が「コロナうつ」と呼ばれる症状について1万人を目処としたインターネットリサーチを実施したようです。 ここ数ヶ月よく聞く「コロナうつ」という言葉。実はあくまで俗称で、その実態を掴みかねているのが実情です。 以下、コロナうつとして挙げられている症例の一例です。 出典:https://ayase-mental.com/%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%AE%E3%81%94%E4%B8%8D%E8%AA%BF/1026/

    • 味覚拡張の世紀

      星新一に「味ラジオ」というショートショートがあります。 ラジオ局から放送された「味」が、みんなが噛んでいるガムに届くというアイデアで、食い意地の張った未来人像が妙に印象的な作品です。 この「味を送る」という一見荒唐無稽なアイデア、実際に研究が進んでいるようです。噛む力で電気を発生させる、その名も「電気味覚」。https://nge.jp/2018/12/03/post-140050 いずれは味覚を通して食事制限中の人間に味覚の楽しみを与えたり、味のエンタメ化を目指したりした

      • あなたの「音」もコンテンツになるー声でマッチングする未来ー

        在宅勤務になって、音楽を毎日聞くようになった人も多いのではないだろうか。 音楽アプリ「spotify」や「podcast」、ひいてはラジオの利用者まで増加しているらしい。 また、アメリカでは「Clubhouse」 という音声SNSがシリコンバレー界隈を賑わした。 このサービスでは、様々なテーマのおしゃべりが開催されて、自由に参加したり質問したりできるのがウリらしい。 テック業界の有名人が参加していることで、注目が集まったようだ。 出典:https://www.itmedi

        • 「デジタルヒッピー」化する世界(1)ー危機の時代は「人間」の時代になるー

          アフターコロナを考える際に、これまで人類が体験してきた「普通や当然が覆された時代」に目を向ける必要があるように思います。 自分たちの信じてきたもの、過信してきたものが、破壊されたり奪われたりした時、先人等は何を考え、どう行動してきたのか? 例えば1968年。 世界中が変革と停滞の狭間に混迷を深めた歴史的1年でした。ベトナム軍によるテト攻勢。キング牧師暗殺。5月には日本やパリで反体制学生運動が勃発。プラハの春。ケネディ暗殺。 同じ年に、『Whole Earth Catal

        コロナうつ社会とその先にあるもの、東京オリンピック(1)

          未来の空の行方。都市集中型か地方分散型か

          飛行機の体験って、日本人にとって海外旅行が一般的になった1980年代前後から、約50年間殆ど変わっていないのではないでしょうか。 それというのも数ヶ月前、飛行機の窓から朝のヨーロッパの輝く山脈を見下ろしていました。 肩身の狭いシートで若干の窮屈さと、窓の景色が分厚いガラス越しに此方に流れ込むような開放感の狭間で、自分は地球に生きているんだという認識がじんわりと湧き上がる、宙に浮いた感覚。 そういった経験、皆さんもあると思います。 その時ふと、自分の父母が飛行機に初めて乗

          未来の空の行方。都市集中型か地方分散型か

          アフターコロナの未来予測には、データとマニフェストが重要である

          夕暮れをスケッチしていた画家が、次第に移りゆくその様をなんとかキャンバスに描き出そうと苦労していたが、最後は夜になってキャンバスを真っ黒に塗りつぶしてしまった。そんな話をどこかで聞いた覚えがあります。 未来を語ろうとすると、この画家のように頭を抱えるものです。 それというのも、未来は1つには物理学の領域であり、また人間の意志の領域でもあり、歴史観の中で捕らえられるものでもあり、或いはSF的表象の世界の範疇にもあり、アートが「スペキュラティブ」に指し示すものでもある。 明日

          アフターコロナの未来予測には、データとマニフェストが重要である