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現代マジック考

マジックと言っても書くやつじゃないので文房具ファンの方々には申し訳もたたない気持ちでいっぱいである。ヘッダ画像をお借りしています。

マジックとはつまりガンマ団の総帥であり、シンタローの親父である。さらに青というカテゴリの族である。パプワが赤。そしてややこしながら50代ぐらい行ってそうなマジックと全くの子供であるパプワの力およびシンタローの弟であるコタローの力が同じくらいなのだろうと推察する。この力関係がパプワ最終巻(全7巻のほう)でそれなりの意味を成す。

それはおいておいて、かつてパプワよりも子供だったであろうぼくはマジックに対してうざいという思いしか抱いていなかったと思う。それは普段からぼくがいっている、敵に対して思い入れをするなど言語道断、という意見に同じであった……ように思う。

漫画の中でおっそろしく強い敵が出てきた、それを格好いいと思うなんて、なんか違う気がするわけです。そんなのただのストックホルム症候群ちゃうのか、と。自分の力ではどうしようも出来ない敵が現れたときに起こる心理的変化とは、消去か逃亡か隷属かだ。この隷属にほぼ等しいのではないか。

そんな理由でマジックを好きになれなかった。今となるとシンタローやパプワにあまり感情移入できない……といいますかはなっからパプワには感情移入できなかった。最終巻まではただの狂言回しの役割を背負わされた可愛そうなキャラクタともいえるかもしれないが、別に読者が無理くりキャラクタのいい面を見出す必要などないのだ。

シンタローがどうしても主役だから、こいつにむちゃをさせるパプワも敵だった。今日からおまえも友達、という言葉に対してそこまでのコミットメントを見いだせない。

そこへ来てシンタローどころかパプワをも蹂躙しかねないマジックの登場である。ぼくの拒絶反応たるや相当のものだったのではないだろうか?

ところがいま読み返すと、圧倒的にマジックに同情してしまう。シンタローが「マジックそのもの=ガンマ団」を裏切る行為をしたことがそもそものこの話の始まりなのだと仮定したら(実際そうである)、そこまでマジックの信頼が失墜した理由は「マジックが周囲から誤解されうるような行動をとってしまうように誘発した、サービス、高松、ルーザーあたり」にあるわけです。ついでにジャンにもあるといえるのだろうか。

・サービスが親友であるジャンを殺したと勘違いした原因をサービスの兄貴でありマジックの弟であるルーザーが造った。
・マジックはルーザーの頭おかしいぶりを隠すためにサービスがジャンを殺したことにした。
・あたおかなルーザーはようやくそれを自覚し、償いのために激戦地で自死した。
・なぜルーザーが自死するほど追い詰められていたのかが明かされると、サービスが暗黒面に落ちてしまう。
・したがってマジックが命令でルーザーを激戦地に送り、殺したように見えてしまうような結果がカバーシナリオとして得られてしまった。
(・サービスはルーザーを殺した張本人であるとマジックを恨み、マジックの子供とルーザーの子供を取り替えた)

では次回はこのあたりについて紐解いていきましょう。


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