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三羽の鳥の詩(うた)

部屋に差し込む朝焼けの光が鳥の形をしていることに気がつき、私が首を傾げるとおはようと声をかけてきた。
鳥は三羽いて、よく見ると各々違ったかたちをしていた。

三羽はみんなオスで私の部屋の隅に思い思いの巣を拵えはじめ、夜になると何処かへ消えていった。
しかし翌朝再び現れ、私を誘いにきた。
『キミたちは朝が好きなの?』
「「「だって夜は眠るものだから。さぁ、お話をしよう」」」

私はそれぞれの巣を順番に訪問することにし、いっしょにご飯を食べたり、お互いの思いを語り合ったりした。

その中でもいちばん丁寧に作られた三番めの鳥の巣は特に心地が良かったので、私はそのまましずかに眼を閉じ羽毛にくるまりながら、その鳥が唄う詩(うた)をずっと聴くことにした。

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