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京都バス事件簿

ほかの都道府県はどうかわからないが、京都のバス停には待ち客の列ができない。

なぜならひっきりなしに行く先さまざまなバスが来るからだ。列を作ってもみんな乗るバスはバラバラなのだ。

だからバス停あたりになんとなく人が溜まっていくのだけど、そこに日本人らしさがよく出る。

というのも大体みんな、バス停に先にいた人の前には立たない。後から来た人は後ろのほうに立つ。

たまにおばあさん・おじいさんが先客が見えていないかのように一番前に割り込むこともあるけれど。

たいていは後ろに並び、自分が乗らないバスが待ち客たちをかっさらっていくたびに前に詰めていく。だがそこで問題が起こる。


自分が乗るバスが来るとさらに前に出るのだが、そのとき後ろからグイグイ押してくる人がいるのだ!

わたしの体感では40代以上の男性とこれまたおばあさん・おじいさんに多い。(もちろんこの世代でグイグイ族じゃない人もいるけれど!)

バスや電車に乗り慣れていないころはかなりおどろいたのだが、京都だけでなくこういう人は案外多い。どうしても我先に乗車したくて仕方ないらしい。

あまりに押してくるので「やめなはれや」の意をこめてその人に思いっきり顔を向けると、彼らはびっくりするほどの無表情。目はひたむきに電車のほうを向いている。

至近距離で視線を向けているので気づかないはずがないだが、やつらは鈍感バリアを頑なに張っている…!


バスに乗り慣れていないときこういう人によく遭遇したのだがそれはわたしが始めに書いたような乗車ルールを知らなかったせいもある。

「前空いてんだから詰めなさいよ」とイライラさせていた可能性が大いにある。なぜならわたしがいまバス停にいる観光客にたいして同じ思いを抱くことが多いからだ。

急いでいるときは無意識にグイグイ族になってしまっているかもしれない…

みなさんが京都に来たときこういうグイグイ族に遭遇しませぬよう、切に願っております。


#エッセイ #日記 #コラム #電車 #バス #京都

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