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12/1/2020 ACL(G)全北現代戦

2020ACLグループステージ第5戦、ノックアウト進出がかかった全北現代戦です‼

4-1で勝利しグループステージ突破を決めることができた試合でしたが、対戦相手である全北現代がどのようにこの試合でふるまったのかを見ていきます。

0.Lineup

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スタメンはこんな感じ。

1.前半-1 上海とは違う全北

上のスタメンは守備時のものを示した5-3-2です。まあ実は、守備字の状況に応じて立ち位置を変えているので、守備時常に5-3-2だったわけではないです。
ただ、どんな時も4-1-4-1で全北現代は戦うと聞いていたので、この5-3-2で守備をしてくることは驚きでし。これも様々な要素のめぐりあわせですね。

それではマリノスの振る舞いを顧みる前に、全北現代の振る舞いについて少し細かく確認します。



①全北守備-1相手陣地

相手陣地(マリノス陣地)に押し込んだ位置でボールを失った場合、その場での立ち位置から即時奪還を目指します。また、攻撃時には人数をかけ、尚且つ最終ラインをそれに応じて高く設定していますから、その点も連動しています。

よって、相手陣地で失った際には攻撃時の陣形をもとに崩しながらプレスをかけるやり方をするのです。

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(この説明をする際には攻撃時の陣形を確認する必要がありますが、攻→守はつながっていますからどこから説明を始めるかにかかってくるので、なんで初めからこの位置にいるのかは後々分かると思われます。)

①全北守備-2 押し込まれた時
即時奪回に失敗した際には、マリノスに押し込まれる展開になります。
すると、全北現代からみて「時計回り」に選手が動き、攻撃陣形から5-3-2に変形するのです。

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最終的にこんな感じ↓↓↓

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この様な守時の2段階の流れを経て、5-3-2の陣形を形成します。
これらがこの試合での全北現代の守備の流れです。

②上海とは違う全北現代とマリノス
5-3-2-と聞くと2連戦で苦戦した上海上港を想起する方も多いのではないでしょうか。
しかし、配置は同じでも個人個人の役割や能力が異なること、通常のシステムとは異なることなどの要素もあり、個人的には全北現代の5-3-2にそこまで苦しめられた印象はありませんでした。
思い返せば、ゴール前でマルコスが宇宙開発したシーンや高野がクロスにミートできなかったシーンなど、シュートに至らなかっただけでチャンス・決定機をそれなりにつくることができていたように思えるからです。

というのも、個人における守備強度が高くないこと、守備意識が低いこと、カバーする選手がスピードを武器としていないこと、スペースを埋めることを優先してしまい、上海上港のように”マーク”と”スペースを埋める”ことのバランスをうまく頭の中で整理できていないこと、、、
などなど、個人レベルから全体レベルのものでの苦戦を全北がしていたことがマリノスにうまく作用したと考えられます。

加えて一つポイントになったのは”左→右(ケニー&テル)”というマリノスの十八番を中心にチャンスを創り出せたことです。

マリノスにとってはおなじみのこの2人のユニットですが、ただこの2人で崩したわけではありません。
最終ラインが5で配置されていることもあり、2人だけでは全北現代のSB+HVを壊すことができないのです。

ここでキーになったのは三人目としてのマルコスです。
二人のユニットに一人加わることで、SB+HVに対して3人という数的優位をつくりだすことができます。
(この数的優位は①全北現代中盤のスライドが遅いこと ②マルコスが最終ライン際にいるためHVがケニーをケアできないこと
これら二つの要素によってできたものです。ここでも全北現代の苦戦が作用)

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三人目(マルコス)が加わることで、①”ケニー→テル→マルコス→【クロス】” という攻略や、②ケニー→マルコス→テル→【クロス】といった方法での攻略をすることができます。


つまり、一人増えることで攻撃の選択肢に幅と工夫ができるようになったのです。
(HVの選手をはじめ、全北DFの選手にスピードはありません。そのため、クロスを上げきることもクロスをゴール前で受けることもできます。)

2.前半-2 うまくいかない全北現代

では前半の攻撃場面での全北現代の振る舞いを確認していきます。

①守備から攻撃
”守備→攻撃”
に関しては、前線の二人を晴らせ、ボールを受けたサイドの選手に反対側の選手が寄っていく、それによる前進・陣地回復を狙いとしていました。
しかし、それもあまりうまくいっていなかった印象です。
(イメージとしては19-20のインテルで前線二人が開き、そのスペースに中盤が運動量を効かせて走りこむといったものかと思いました。)

このやり方において重要なのは2枚のキープ力や推進力になります。

しかし、①マリノスも即時奪回をテーマにしていること ②そのプレスをかいくぐるor無効化した後のマリノス最終ラインにはチアゴがいること、、、等の影響もありなかなか速攻でフィニッシュまで至ることはできませんでした。
逆にマリノス側から見れば、コースを限定したり、チアゴを生かしたりすることを有効的にできていたことになります。

②攻撃
攻撃全体に関しては、基本的に丁寧につないでいくことを意識していたように思います。
ゴールキックも基本はDFにつないでいくようにしていたり、自陣でのビルドアップに中盤の選手がサポートに回ったりなどの動きがみられましたから、1ゾーンにおけるビルドアップに関しては繋いで前進することを一つのテーマとしていたと考えられます。


次の2ゾーンに入ると、”サイドに人数をかける”というこれまでももられた特徴が見えるようになります。

右にボールがある際には、⑱と⑮がサイドで組み、中盤の三人が寄ります。また、逆サイド寄りだった㊲バロウも中によったポジションをとります。(逆SBは逆大外レーンにいる)

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反対に、左サイドにボールがある際には㊲と㉕がサイドでくみ、同じように中盤三人も寄ってきます。そして⑱ソンウンも外よりから中よりのポジションを取ります。(逆サイドSBは逆の大外)

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やはり苦しかったのは怪我人をはじめとした離脱組が多いことでしょうか。
このようなこれまでも継続してやってきたやり方でも全北現代はフィニッシュ・クロスまでいくことができなかったように思います。

(AFCのデータによると、前半シュート数は2)

3.後半の変更がおいしい

このように、うまくいっていたとは言い難い全北現代は後半システムをこれまで同様の4-1-4-1に変更(修正)してきました。

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こんな感じ~

勿論、全北もより攻撃の成功回数が増え、チャンスを作れるようになったことで、マリノスとしては不安なシーンもありました。

ただ、よりオープンな展開が増え、マリノスとしてはより「スピードとスペース」という武器を得ることができ、さらに良さを表現することができたと思います。

4.最後に

結果的には4-2で勝つことができ、グループ突破を決めることができました。
次戦のシドニー戦では、控えの選手や新たなシステムがみられる可能性が高いですから楽しみなところです。

ではでは、最後までありがとうございました。🙇

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