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056 他者から始まる

人生とは変化に適応すること

哲学的に言えば「他者」とは自分以外のすべて

人も、社会も、時代も

そういう他者にどう適応するかが、ひとりひとりの本質的な課題だと思っている

他者とは?
自己同一性を表す同一者や,統一を表す一者に対立する概念であるが,差異や相違が知的な操作の観念を表すのに比べて,他者はいっそう倫理的である。 G.-P.サルトルは人間存在を対他存在としてとらえ,自己と他者の根本的関係を羞恥 (しゅうち) ,愛,サド-マゾヒズム,憎悪などの葛藤 (かっとう) あるいは相克と考えた

ブリタニカ国際大百科事典

適応したければ外に目を向けよう

なぜ「他者(相手、社会、時代など)」に適応できなきゃいけないのかと言えば、「他者」を無視したら生きていけないからだ

その際、大きな障壁になるのは「自分は正しい」という思いこみ(認知バイアス)である

それはたいがい無自覚で、得てして誰かとの衝突を招き、へたしたらケンカに発展することもある

いや、ケンカで済めばいいけど、極端な場合、戦争にまで発展することもある

だから思い込みは、意識して客観視し、ときどき科学的に検証し、常に更新し続けなきゃならない

そうしないと他者から共感されず、商売にもならず、ひいては生きるか死ぬかの問題もなってしまう

すべては「相手のある話」

「自分は正しい」という思い込みは、得てして「相手は間違っている」という思い込みに発展する

相手の半生・状況、興味・関心、知識・能力、可能性など、見えない部分(潜在性)を自分の思い込みで判断するとそうなる

これが「他者」に対する普通の反応かも知れない

そうならないために私は、世の中すべて「相手のある話」だと思うことにしている

少なくとも対話相手に対しては、彼の潜在性を何とか感じ取ろうと努力している

相手の心に響くのはけっきょく目的や理由

さて、対話相手の潜在性を感じ取ることが大切と書いたけど、それはこちらが一方的に努力すればいいのだろうか?

もちろん相手もこちらの潜在性を配慮してくれた方がよい

その際、簡単な方法として、こちら側の目的や理由をしっかり語ることが良いだろう

表面的な「事柄」しか語らないと、相手もこちらをヒトとしてではなく、「事柄」として扱ってしまう

でも、こちらから「目的」や「理由」を語るなど、人間臭い部分を見せれば、相手もヒトとして扱ってくれる可能性がある

私の内面にある「潜在的な可能性」などを感じ取ってくれれば、そこから人と人との関係が築かれるに違いない

傾聴とは聴くことではなく返すこと

「目的や理由を語るとよい」と書いたけど、注意点がある

それをするのは対話が始まってからだ

対話にもなっていないのに、いきなり目的や理由を語っても、厚かましい押し付けでしかない

そうならないためには、まず対話に入る必要がある

具体的には、相槌、うなずき、伝え返し、そして開かれた質問で相手の話を深掘りする

それを「傾聴」という

そして相手と目的が共有できそうだと感じた時、こちら側の目的や理由との接点を模索したらよい

お互いの共通目的が見つかったら、そこからが対話の本番である

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