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第7話:軍服

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モガの葬列』毎週月曜日に更新中

連載7話目についての感想と補足。
小夜に初ロマンス?な回の振り返り、銀ブラ、カフェ・パウリスタ、霧島少尉について、キャラクターの髪型事情のお話です。


『モガの葬列』とロマンス

本作はタイトルの割に男性比率が高く、メインの女性は小夜とお園さんの二人だけ。それも小夜父選りすぐりの美形や秀才がわらわら登場します。
それなのに6話段階での恋愛は恭と竜さんの恋文だけ…ですがついに今回ちょっぴりうわついた展開が訪れました。そう、霧島少尉の登場です。

お嬢様にしては華やかさに欠ける小夜の前に彗星のごとく現れた王子様。朗らかで癒されムードの漂うボンボンとお嬢の『銀ブラ』は、終始少尉のペースで進行しました。今後の展開やいかに。

大正時代のカフェ

大正〜昭和初期のカフェといえば着物に可愛らしいエプロンをつけた女給さん、またはかの文豪たちも通い詰めたちょっとセクシーな大人の社交場といったイメージを持たれる方が多いかと思います。
本編時代設定は大正10〜12年8月なのですが、もう少し進んで昭和5年あたりからカフェ文化の隆盛に乗じ女給にセクシーな接客をさせるカフェが急増し、政府が『カフェ』と『喫茶』を区別するようになりました。
今日日私たちがカフェと呼ぶ方が『喫茶』です。純喫茶の『純』は「ここは過剰なサービスではなくお茶をお楽しみ頂く店ですよ」と強調するための文字だったわけです。

銀ブラって何の略?

これが諸説ありまして『銀座をブラブラ歩く』説と『銀座でブラジルコーヒーを飲む』説が有力だと言われております。そのため序盤は銀座をひとりブラブラする小夜を、以降は少尉とブラジルコーヒーを飲む様子を描きました。

小夜はおぼこいルックスなのにコーヒーはブラック派。いっぽう霧島少尉は海軍所属の美丈夫なのに猫舌──そして後ほど明かされますがデロッデロの甘党です。少しでも長く話していたくて、ちょっと背伸びをしていました。

ちなみに今回登場した名店『カフェ・パウリスタ』は実在のお店で、なんと今でも営業されています。
『鬼の如く黒く、恋の如く甘く、地獄の如く熱きコーヒー』で銀ブラ、いかがでしょうか?
(銀座カフェーパウリスタ)

『新しい男』霧島少尉

霧島少尉は初期プロットから構想のあった人物のひとりです。帝国海軍の白い制服に昔から憧れがありまして、海軍将校は絶対に出そうと心に決めていました。
階級は年齢なりです。海軍兵学校を出ると見習い士官→少尉となりますので、将校という括りでは一番新人ですね。一般企業なら係長〜課長補佐クラス。部下は曹長以下 軍曹、兵卒となります。

彼の登場を書くにあたり資料を漁ったところ、あの白い制服は夏季・熱帯地域のみ着用と知り慌てて登場回を調整したほどのこだわりました。笑
海軍将校ということで戦艦についても調べたのですが、時期が合致したのが『霧島』でした。
ただこの艦は先の海戦で死闘の末沈んでしまいましたので、本作では名前を戴くに留め登場はお蔵入りとなりました。

さてこの霧島少尉の性格ですがとにかく呑気で朗らか、そしてちょっぴり天然さんと朝日とはちょっと違うタイプの陽の者です…!
身長が六尺一寸(約184cm)ありなかなかハンサムなのですが、振る舞いは無邪気かつマイペース。その時代の男性らしからぬ可愛いもの、甘いものが大好きで好意をはっきり口にする『新しい男』です。
少年性を感じさせる八重歯がチャームポイントで、小夜はしばしば少尉を「大きな犬みたい」と感じています。

モガの葬列 髪型事情

小夜はハーフアップ&大きなリボンまたはガバレットやマガレイトと不特定、お園さんは耳隠しか七三夜会巻きなど時代相応のイメージです。

では男性陣はというとこんな感じ。

恭→ショートで前髪あり。栗色の直毛
水銀先生→頸まであるセミロング。緩い癖っ毛
慈兵衛→ショート。前髪短めで流し。白髪混じり
都司→ミディアムサラサラストレートの七三
霧島少尉→襟に触る外ハネのウルフ系。固い髪
葵→ミディアム丈のマッシュ系。涅色(黒〜茶色)

霧島少尉は作中の男性キャラクターの中においても長めの頭髪をしています。これは実際に海軍は頭髪長めだったとの記録を元にしていて、軍艦が揺れた際の防御・外国人とのコミュニケーション適正上の理由(坊主=囚人を連想させるため)・寒冷地での寒さ対策など理由があります。

あとは船の事故時に救助してもらいやすいように。少尉クラスは坊主もいますが士官は長髪、下士官以下は坊主とされていました。
船の事故はオイル等で顔の区別ができないことがままありまして、その際に頭髪で救助の優先順位を決めたと言われています。
霧島少尉の父上は中将であり侯爵、優先順位は高く見積もられ上司から長髪を推奨されています。
…ですが揺れる艦内での散髪が怖い』というのが霧島少尉の本音です。笑

さて明日は2週間ぶりに最新話の更新です。
課題は『一箇所に集まるたくさんの人物描写』。
コミカルながら思惑の交錯する回、お楽しみに!
ご精読ありがとうございました!


▼過去のまとめはコチラ
https://note.com/fybys1_ayu/n/n952e20315ea7

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