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大相撲 七月場所 見どころ・展望

7/4に初日を迎える大相撲七月場所、久々の地方場所となる名古屋での激闘を個人的な見どころ・展望を踏まえて語ります。
では早速いきましょう!

綱を懸ける二人

今場所の注目はなんと言っても白鵬と照ノ富士でしょう。

まずは白鵬について、この一年を振り返ると

<2020年>
7月場所 10勝2敗3休(右膝半月板損傷)
8月   膝を手術
9月場所 全休 (右膝蓋大腿靱帯損傷)
11月場所 全休 (右膝関節鏡手術・術後血症) 
※場所後に横綱審議委員会から「注意」勧告
<2021年>
1月場所 全休(新型コロナウイルス感染)
3月場所 2勝13休(右膝蓋大腿関節軟骨損傷) 
5月場所 全休

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15日間皆勤した場所はなく、横綱としての役割は全く果たせなかったと言えます。特に横綱審議委員会から「引退勧告」の次に重い「注意」を受け臨んだ3月場所での休場には、批判が集まりました。

そうして迎えた今場所白鵬自身も「進退を懸ける」と明言しており、もし途中休場となれば、引退は止むを得ないでしょう。
ただ、多くの専門家や親方衆のコメントから見ても白鵬が万全であれば、まだまだ優勝争いができる実力はあるように思います。

懸念材料は、土俵での勝負勘と右膝の状態でしょうか。前者は活きのいい若手と当たる序盤戦の5日間、後者は疲労の溜まる終盤戦の5日間に注目です。

私が相撲を見始めたのは2008年頃で、その間白鵬は常に横綱であり、常に最強であり続けてきました。近年は、賞賛より批判を浴びる事が多い白鵬ですが、私は全てを手に入れた彼がボロボロになるまで戦い続ける姿も「横綱の生き様」であるように感じます。そんな白鵬の姿を見れるのもあと少し、アンチもファンもしっかりと目に焼き付けましょう。

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※千代の富士が引退を決めた事で有名な貴乃花(当時は貴花田)との一番
白鵬に引導を渡すのはどの力士なのかにも注目です。

そんな白鵬と対照的な一年を過ごしたのが大関照ノ富士です。

<2020年>
7月場所 13勝2敗 優勝
9月場所 8勝5敗2休
11月場所 13勝2敗 準優勝
<2021年>
1月場所 11勝4敗
3月場所 12勝3敗 優勝 場所後に大関昇進
5月場所 12勝3敗 優勝

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6場所中3場所で優勝、この一年大相撲を引っ張ってきたのは照ノ富士と言えます。

さらに、驚かされるのが相撲内容が場所ごとに良くなってきている点です。特に先場所は圧巻でした。立ち合いでしっかり踏み込み左の前みつを取って一気に前に出る、中に入られても慌てず肘を極めて相手の動きを封じる。
13日目の反則負けがなければ、全勝優勝もあったのではないでしょうか。

思えば昨年の7月場所、彼の復活優勝を見て私は感極まってしまいましたが、本人は至って冷静に「前いた地位を目指す」とコメントしていました。
「一日一番」の意識で、向上心を持ち続けてきた姿勢が、漫画でも描けないような奇跡を起こしたのです。

そんな奇跡の物語も最終章に迫ってきました。
今場所照ノ富士は綱取りに挑みます。
長い大相撲の歴史の中で横綱という地位を掴んだのは僅か72人。
勿論、その中で大関から幕下降格を経験した力士は居ません。
照ノ富士はオンリーワンの横綱となれるのか、注目です。

初日は前頭筆頭の遠藤戦。
先場所、物言いの末に行事軍配差し違えで敗れた相手です。その一番を振り返ると、左上手を探りに行った照ノ富士に対して、右を極められないように腕を返し、深い下手を取った遠藤が攻め込む展開でした。

照ノ富士としては、上手に拘らずに遠藤に中に入られないよう対応すること前に出続けることが求められるでしょう。

これは、場所を通しても言えることで外四つでも右四つでも立ち合いで前に圧力をかける事が、膝への負担の軽減に繋がります。
まあこんなことは、照ノ富士も分かっていると思いますが、、、

白鵬と照ノ富士が対戦するのは、13日目以降です。
両者が優勝争いをする中での一番になれば、綱に懸ける思いをぶつけ合う素晴らしい一番となるでしょう。是非そう願っています。

個人的注目ポイントまとめ

ここからは簡単に注目ポイントを列挙していきます。

①阿炎の復活
関取復帰を果たした阿炎、将来を嘱望された逸材は困難を乗り越え成長した姿を見せられるか?

②十両5枚目
角界のイケメン炎鵬と琴勝峰の2人が十両5枚目から返り入幕を目指す。
炎鵬はらしさを取り戻しつつある。先場所痛めた肘の状態次第か?
琴勝峰は、先場所4連勝からまさかの負け越し、こんな所で燻っている場合では無い。

③宇良VS優勝経験者
幕内下位の注目は、度重なる怪我から復活し返り入幕を果たした宇良。
迎え撃つのは、栃ノ心、玉鷲、徳勝龍の幕内優勝経験者たちだ。
特に、先場所大負けした栃ノ心は正念場である。

④前頭2枚目
幕内上位では、前頭2枚目に注目だ。
4場所守った西関脇を明け渡した隆の勝、立ち合いの鋭さを取り戻せるか。また、逸ノ城は先場所前半大きく勝ち越したものの、終盤の上位戦でのもろさが目立った。今場所は、序盤に上位と当たることになるが、そこで勝ち越せれば返り三役も見えてくる。

⑤新小結と御嶽海
足腰の強さが光る明生と若隆景、高安の休場によって勝ち越せば関脇が見えてくる。好取組となる直接対決にも注目だ。
一方で三役在位26場所目となる御嶽海。
先場所は二桁勝利に喜んでいたが、その姿勢はハッキリ言って物足りない。
ただ、それだけ大関という地位を意識しているとプラスに捉えてみよう。

⑥大関
照ノ富士に置いていかれて、悔しく無いはずがない。
素質は十分、土俵の上で、己を表現しろ。

最後に

色々と偉そうに書きましたが、大相撲という勝負の世界で闘う彼らは本当に凄い人たちなのです。
彼らへの最大限のリスペクトと相撲が見れるありがたみを感じながら
「歴史が動くかもしれない」七月場所を存分に楽しみましょう!













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