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コミュニティ内の「コミュニケーション」

昨日のお題は「コミュニティの参加者のレイヤー分けと情報伝達方法」

昨年2月に開催したコミュラボキックオフパーティーにお越し頂いたゆうこすさんいわく「熱量に応じて参加者をレイヤーに分けています」とのこと。

ゆうこすさんによれば、熱量とは「自分ごと感」=「興味関心」の度合い。ゆうこすさんは「熱量」=興味関心の度合いによってゆうこすさんの「ファン」を「6つ」のレイヤーに分け、そのレイヤーに応じて情報の伝達方法を使い分けています。

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また、ウェンガーは「コミュニティ・オブ・プラクティス」で、参加者のその参加度合いに応じて①周辺グループ、②アクティブグループ、③コアグループの三層に分けています。

今日のお題は「コミュニティ内の『コミュニケーション』」
昨日のnoteの中で、参加者はその参加意図や熱量に応じておよそ三層に分けられ、そのレイヤーに応じて情報の共有の方法があることをまとめました。今日はその中でも「情報共有」とその意味にフォーカスします。

そもそもコミュニケーションとは

ラテン語の「com(共通の)」と「municare(通行を可能にする)」を組み合わせた「communicare(共有する、分かち合う)」が語源です。

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学術的には、シャノン・クロード、ウォーレン・ウイーバー「分析的コミュニケーション・スタディーズ」(1949)よれば、コミュニケーションはこのように定義されます。

情報を発信者と受信者の間でやりとりし、共有された状態

図示すると、このようになります。図中にも記しましたが、発信者から受信者への情報伝達がノイズなく行われるようにするためには、情報を分かち合う人達の(日常の)関係が大切です。

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コミュニケーション(情報共有)の際に考えること

「対象」と「内容」です。誰に、何のために、何を伝えるか。
「対象」は、コミュニティの種類によりますが、コミュニティにすでに所属している「内側」の人と、共有時点で所属していない「外側」の人とに大別されると思います。

今回は、対象は主に「内側」のいわゆるメンバーを対象に考えます。よって「内容」は、コミュニティのテーマに関する情報やメンバーと共に行う活動などのことを想定します。

コミュニケーションの課題

先日まとめた「コミュニティの『入口』と『出口』」で採り上げた野村高文さんは、オンラインサロン「風呂敷畳み人サロン」の運営でのポイントのひとつとして挙げていたのが、これです。

メンバーの間でどうやってコミュニケーションをとっていくようにするか

主催者や幹事が情報発信するだけでなく、「旗」の元に集う仲間たちによる情報の共有を自発的に行うにはどうすればいいか、はコミュニティ運営の課題の一つです。すなわち「1:1」をn個生み出すにはどうすればよいか、ということです。主催側からの一方的な情報発信だけでは、主催者と参加者の関係が「主従」になりかねません。

以前まとめた「設計のうまいコミュニティの3つの型」に示したいずれの「型」でも、情報は常に双方向でやり取りされることを考えています。

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その解決のための仕掛け

そのための一つは「おしゃべりできる共通の『ネタ』と『場』作り」
「畳み人サロン」で言えば、オンラインラジオVoicy「風呂敷畳み人サロン」です。野村さんは「サロン」にとってのVoicyをこのように説明されていました。

コミュニティのメンバーが交流を続けていくために、定期的な待ち合わせ場所があると良いと考えています。畳み人サロンでは「ラジオのコメント欄」がその機能を果たしています。

コミュニティは基本的に「共通の興味関心」の旗の元に集った「仲間」達によって作られているので、何らかのテーマがあると思います。その意味で、畳み人サロンメンバーにとってみれば、その権化である設楽さんと野村さんが「畳み人」について語るラジオは格好の「ネタ」です。野村さんもこのように話していました。

会話の元になる「コアコンテンツ」(=「旗」)が無ければならない。
コアが何もないまま人を集めても、なにをやってよいかわからなくなる。

しかし、その思いをメンバー間で「やり取り」できる場は、なかなかありません。オフ会が頻繁に開かれていれば、顔を合わせて議論することもできます。でも、今のご時世もあったり、人数や物理的な距離などの制約もあることなどから、オンラインの活用も必要です。オンラインは「時間」と「距離」を超えて、関係を作ることができます。「畳み人サロン」における「ラジオのコメント欄」は、そのための「場」の役割を果たしています。

オンラインでのコミュニケーションの場

しかし。あらゆるコミュニティが「ラジオのコメント欄」を持っているわけではありません。そのコミュニティに所属する人の属性、テーマ、活動などに合わせた「場」=ツールの使い分けが必要です。

昨日採り上げたゆうこすさんのレイヤーに応じた情報共有は主に「外側」に向けたものでしたが、「内側」に向けて考えると、現時点ではFacebookグループが一般的かと思います。何より、Facebookのミッションは「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」ですから!

しかし、難点もあります。
Facebookはタイムラインが流れてしまい、使いづらいのです。それでいうと、今となっては…ですが、ミクシィはよくできていました。プロフ欄のコミュニティ表示もわかりやすく、会話のきっかけになりました。
最近は、その点をカバーできるSlackなどの併用も進んでいます。メンバーのツールリテラシーに合わせて、使うと良いでしょう。

まとめ

コミュニティ運営のポイントの一つが「コミュニケーション」の設計です。中でもコミュニティの参加者同士でコミュニケーションを自発的に生み出すには、共通の「ネタ」と「場」の設定が必要です。また、そのためのツールとしてはFacebookやSlackなどを、コミュニティの特性やメンバーのリテラシーに合わせて使い分けることをお勧めします。

なお、コミュニティ内の「コミュニケーション」については、コミュニケーションの頻度、ネタの大きさ、コミュニケーションを活発にさせるためのコツなど、まだまだ共有させて頂きたいことがあります。また、折を見て纏めさせてください。

ありがとうございます!頂いたサポートで、コミュニティ活動&幹事で知見を得て、また、共有します!