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ラブコール ~あのひとに会いたい 第7回 ゲスト:小山薫堂さん③

ラブコール~あのひとに会いたいとは

RCTD(東京代官山ロータリークラブ)5周年と、ヒルサイドテラス50周年を記念して、個性的なクラブで知られるRCTDメンバーがいま会いたいあのひとをお呼びしたトークセッション。各界でご活躍のラブコールされるゲストの方々との対話イベント。

今までもコシノジュンコさんをはじめ、面白い方々がリアルにヒルサイドテラスにお越しになり、いろんなことをお話するイベントです。

今回はその7回目で、「ラブコール」としては初のオンライン開催。
ゲストは放送作家の小山薫堂さんです。聞き手は遠山正道さんと天野譲滋さんです。

1時間半があっという間でとても面白く、メモが止まりませんでした。
今回は、すごい量を3回に分けてお届けしているうちの3回目です。
今日は、薫堂さんと食事、テレビの話です。

第1回は、薫堂さんと代官山、仕事、京都の料亭、熊本の病院のお話でした。

第2回は、薫堂さんと湯道(お風呂)、サウナのお話でした。

薫堂さんと食と観光と町おこし

ー薫堂さん
2025年の大阪万博での「食のプロデューサー」に就任した。

万博のテーマは「命輝く未来のデザイン」。10人いるプロデューサーがいる。日本の「いただきます」を世界に伝えたい。

ー遠山さん
最近考えるのは、一日三食を食べる必要があるのか、ということ。

人類の肉体を考えると、16時間飢餓があるとオートファジー(自食作用)が生じ、デトックスになる。
食以外の楽しさを考えたい。食事をしなくなると、お昼休みの句読点がなくなる。その代わりが、運動や頭の体操なのかわからないが、何か考えたい。

ー薫堂さん
夕食は誰かと食べたい。その人が美味しそうに食べるのを見るのが嬉しい。足元の幸せを考える。お金を払っで何かをもらうのではなく、作ってもてなしてより豊かになるなど、幸せは他にあると思う。

ー薫堂さん
観光に予算をつける、とすると、パンフなどに使うことが多い。
故郷の天草の観光のことを、よく考える。

天草であれば食堂代わりのフリースペースに予算をつけたい。これは、5人が一人一つおかずを持ち寄って集い、おかずをシェアしあう仕組み

その食事を、観光客にも提供する。観光客は、初めてきた土地でおばあちゃんの優しさに触れる。家に帰ると、お礼の手紙を送る。すると、おばあちゃんは、より嬉しくなって、おかずを用意するようになる。

こうした仕組みに対し、おばあちゃんに1000円の予算を提供する。そして、料理を作ってもらう。もし、観光客がこない時は地域の人たちで食べるし、観光客が来たら分ける。この流れができると、おばあさんの生きがいになる。こう言う観光キャンペーンをやりたい。

ー遠山さん
「社会的私欲」を提唱している。その一環で、新しいコミュニティを始めた。

誰かのため、というと怪しい。「ソーシャルセルフインタレスト」という感じ。薫堂さんのお話は、おばちゃんがまず楽しい、それが旅人に通じている。そのように、自分たちの楽しさを突き詰めると、それが滲み出て、つながると思う。

ー薫堂さん
ヒッチハイクで町おこししたい。ヒッチハイクが趣味の人が集まる場所を作りたい。昔から、タクシーの運転手に憧れている。できれば天草でやりたい。天草はバスがない。レンタカーも限られる。なので、ヒッチハイクが発達する。

車にシール「ヒッチハイクやってます」を貼る。ヒッチハイカーを見つけたらとまる。人を乗せる感覚を味わうと、人は変わると思う。喜んでもらうために、まずは車を掃除すると思う。市が観光パンフなどを作る代わりに、掃除用具を配布して欲しい。

天草はそれが馴染む文化がある天草で、船に乗せてもらったことがある。港で船をみていたら「乗るね?」(「乗ったら?」)と声をかけられ、3人で乗った。海に向かう中で「ひょっとして、事件に巻き込まれた?」と思い出した。船に乗っている間に車上荒らし、降りたら乗船料のぼったくり、などなど。もちろん、そのどれでもなかった。ただの善意だった。これに感動した。

ー遠山さん
コミュニティはいい人だけでは成立しない。でも、いい人や、いるだけでいいという価値もあると思う。猫とか。スタートレックは、貨幣経済がない。地球は平和、ものは3Dプリンターで作れる、食べ物はただ、お金が入らない、争いない、という世界。食べ物と住まいがあれば、争いはない。衣食が足りて、猫的な人が生まれてもいい気がする。「すごいサーファー」で生きていける、職業はと問われてその答えがない人もいていいと思う

ー薫堂さん
でも「欲があるから生まれる」ものがある文明の発達はそう。ハワイがいい、サーファーがいい風いい波があればいい、というだけでは、ファッションや食事などは生まれない。欲は必要悪だと思う。

質問「薫堂さんがテレビ局を経営するなら?」

(チャットに質問が来ています。薫堂さんに馴染みの深いテレビ局に携わるとしたら?)

ー薫堂さん
テレビ局は、経営したい。無駄なコストがたくさんある
そもそも、社内が編成、制作、営業、事業などといろいろと分かれている。さらに、営業いるのに、広告代理店がいるのはなぜ?自社の営業が自ら動けばいい。昔なら営業や制作は別だったかもしれない。しかし今は、一人で全部できる。

機材も進化し、あんな立派なスタジオはいらない。あんなに高い電波料も、いらない。独占して、電波法で守られているから。あの辺が変われば、別のものになると思う。

ー薫堂さん
これからは至極真っ当になる。このままではなくなる。スポンサーの縛りは必要以上に忖度している。テレビ局の制作が考え、営業が考え、広告代理店が考え、クライアント担当が考える。でも、広告主はOKということもある。
忖度が萎縮させている。

テレビ局員もサラリーマン。編成部長など偉くなると、若い時は尖っているても、確実に数字が取れるものを、と思うようになる。すると、誰かが見たことのある「安心感」を求めるようになる。サラリーマンは失敗したら、責任が取れない。かつてのフジテレビにおける鹿内さんや、今の幻冬舎の見城さんのように、失敗したら責任とる人が必要

ー薫堂さん
フジテレビで番組審議委員をやっている。そこで「再放送をすればいい」とう話をする。よく「いい番組だったが、数字(視聴率)が取れなかった」という話が出る。であれば再放送すればいい。視聴率3%を10回再放送すれば30%になる。このように「いいと思ったものを見せる情熱と努力」が欲しい努力して番組を見せることが、本来のテレビ局の努力であると思う。

質問「薫堂さんが考えるロータリークラブは?」

ー薫堂さん
一生懸命やらないとつまはじきにあいそう。しょっちゅう会合やってるイメージ。

ー遠山さん
代官山は、クリエーターなどメンバー限っている。会合は、会いたい人で月2回。

ー薫堂さん
マインドチェンジしては?
普通の商店の人はいますか?(いないかな、と遠山さん)クリエーターばかりだと同じ視点になる。自分が発想しない人と会うことが大事

TOKYO FMの番組に、神戸の駄菓子屋の経営者で、同い年くらいのお母さんから、手紙をもらった。内容は「駄菓子屋は大変。1個売って1円、2円しか儲からない。それなのに、万引きをされるとショック」とのこと。

時々、その駄菓子屋に行くことがある。すると、お店の前を子供達が通り「お母さんただいま」と挨拶しに来る。家に帰ってランドセル置いて、常連の子供達がお店にやってくる。こうして、コミュニティが成立している。こうした空間を東京に作りたい。

普段を考えないヒントを、いろんな職種の人がより集まりで共有できることがロータリーの魅力だと思う。

さいごに

全編を通じて、薫堂さんは、肩に力を入れずに、楽しそうなことを見つけて自分から関わり(=おせっかい)、より多くの人を楽しませる仕組みを作ってきたことが、伝わってきました。遠山さんはそのおせっかいを「社会的私欲」と称しています。まずは自分たちが楽しみ、それを突き詰めると滲み出て、つながるイメージです。こうした動きがそこここで起きると、ちょっと楽しくなるかな、と思いました。

なので、僕はまずこのnoteを書くことで、その輪を広げるおせっかいを、してみたいと思います。僕のモットーは「幸せと美味しいものは、独り占めせずおすそ分け」なので!

そして最後の「テレビ局」の話は、グッときました。

「いいと思ったものを見せる情熱と努力」が欲しい。
努力して番組を見せることが、本来のテレビ局の努力である。

何事も、なしたいと思うことに対する情熱と努力を忘れずに、取り組んでいこうと、思い新たにしました。そして、遠山さんが「社会的私欲」の発露の場として新たに立ち上げた「新種のimmigrations」を通じて、その思いのの共有にも、メンバーの一人として関わっていければと思います。薫堂さん、遠山さん、ありがとうございました!

ありがとうございます!頂いたサポートで、コミュニティ活動&幹事で知見を得て、また、共有します!