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報告書DAY4

かんずめ。

シャチ、三振。

4日目はこうだ。

朝の労働を終えて、そのまま外へ。

コーヒー屋の2階から、街が明転、暗転を繰り返すのを眺める。

ときどき、枯葉のような古本を山ほど積んだトラックがドナドナと走っていく。

荷台に屋根はなく、周りを廃板で囲っただけの、粗末なトラックである。

All the lonely people Where do they all come from?

なんだか木枯らしが吹いたので、部屋に戻って眠る。出かけている間に清掃されていて、ベットは直線的に整っている。自分の部屋ではないが、自分の部屋のように思っていた。相方がYoutuberになったような気分だった。何か書こうと机に座り、鏡を見た。デスクライトに照った睫毛が長い影をつくり、頬に黒い涙が流れた。

音楽が要ると思ってCD屋に行った。CDは硬くて良い。中古でも、本のような寂しさがない。気のいい親爺さんにおまけして貰って、"大事そうに小脇に抱えて"狭い階段を降りた。ゲームセンターも雑貨屋も野球カード屋もなくなっていたし、CD屋も小さくなっていた。

All the lonely people Where do they all belong?

さっそく聴きたかったが、再生装置がない。仕方がないので、取り敢えず口に入れた。腹の中で円盤が回る。今朝のパンを八つ裂きにして、鳴らない。諦めずに回し続けると、胃や背骨や動脈を切り、砕き、かき混ぜてしまった。ゴボゴボと口からピンク色の液体が流れてきて、最後にカランと銀の円盤が落っこちた。あ、ピンクじゃん。ラメとか入ってないじゃん。

それから空っぽな身体を抱えて、とうとう劇場へ行った。

劇場を出る頃には、みずいろの雨で空き瓶は満たされていた。

顔を上げると、自分の部屋が見えた。

カーテンの隙間から、長方形のベッドがこちらを見ていた。