伝えることの難しさ
物語を作る人はすごい。
だって自分が思ったこと、考えたことを人に伝えることができるんだもん。
大会や試合の時のピリッとした雰囲気、緊張感漂う密室での殺人現場、片思いの時の心情…
そういったものをことば一つ一つでていねいに彩っていく。
そして、小説や語り手が紡ぐ言葉だけでなく、何気ない友人や家族との会話ももちろん物語となり、人から人へと伝わっていく。
でも自分が考えていることを相手に伝えるのは難しいですよね。
今回はぼくが友達と遊んだカードゲームの体験から気づいたことについてお話したいと思います。
キャット&チョコレートというゲーム
みなさんはキャット&チョコレートというカードゲームをご存じですか?
『迫りくるアクシデントを手持ちの道具カードを使用して回避する!』
簡単なルールですがこれが意外と難しい…
使用する道具の順番や方法は自分で考えなければならず、その説明によって他のプレイヤーを納得させなければいけないのです。
説明を聞いた他のプレイヤーに「これでは回避できないだろう(笑)」と判断されてしまったら失敗となります。
意外と理不尽
アクシデントと道具カードは完全にランダムなので、手持ちの道具カードのみで物理的に危険を回避できることもあれば、これでは無理じゃね?っていうときもあります。
例えば
「ゾンビが襲い掛かってくる!」
というアクシデントに
『ガム』『万年筆』『カメラ』
の3枚の道具カードをすべて使って危険を回避しないといけないとか…
みなさんならどう回避しますか?
ちなみに友人は、
「ガムを食べて気持ちを落ち着かせ、カメラで写真を撮って万年筆でその記録を後世に残す!」
って自信満々に答えていました。
ほかのプレイヤーから、それもう生きてないやん!って思いっきり突っ込まれてましたけど(笑)
あっ、これは上手い!
でも中には現実味はなかったとしても、なるほど~と思わせるような説明もありました。
「大ホールで幽霊たちがダンスに誘ってくる。うまく踊らなければ魂を取られてしまう!」
というアクシデントに
『口紅』『注射器』
の2枚の道具カードを使って危険を回避しないといけない。
これに対し、
「口紅を塗って舞踏会風のメイクをし、注射器にはハイになる薬が入っているからそれを打って狂ったように踊る!」
と答えました。
他の友人たちはまじかよといって笑っていましたが、確かに危険は回避できているなということで危険回避を認めました。
ほかにもおもしろい説明がたくさんあったのですが、今となって思い出そうとするとなかなか思い出せない…
もう歳かなぁ?(´;ω;`)
わかりやすく伝えるためには
今になって思い返してみると、おもしろいなと思う説明にはみな共通点があったと思います。
それは
・周囲の状況を事細かに説明し、相手が今まさにその状況下に居るような話しぶりをすることにより、物語の世界に相手を招き入れる
・そのアクシデントがどれほどのものか、道具カードが絵だけではわからないどんな特性を持っているのか、声に抑揚や緩急をつけて説明する
・起「自分の物語に相手を招き入れ、アクシデントをよく理解させる」
承「周囲の状況や手持ちの道具から何ができるか想像させる」
転「その状況や道具を利用し一気にアクシデントを回避する」
結「無事生還できたことを喜びをもって表現する」
一連の物語が成立し、参加しているプレイヤー全員が同じ物語の中にいるかのように思わせる
現実味のない説明であっても、作り出した物語にみんな夢中になっていました。
伝えることの難しさ
もちろん、ゲームと現実は違うのでキャット&チョコレートの説明のようにはいかないことが多いかもしれません。
(現実でそんなへんてこなアクシデントに見舞われてたまるか(笑))
それでも、共通して気づいたことがあります。
それは、
物語は聞いてくれる相手が居てはじめて成り立つもの
だということ。
一方的に自分の考えを説明するのではなく、相手と同じ目線で景色を見て、ともに冒険するようなドキドキ感を味わう。
もちろん友人や家族といったプライベートなものと、仕事や目上の方といったフォーマルなものでは異なると思いますが、根本的なことは同じだと思います。
でもやっぱり自分が考えていること、思っていることを相手に伝えることは難しいですよね。
でも、難しいけど、おもしろい。
ぼくもこれからもっと経験を積んで上手く伝えられるようになろう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ぼくの物語はまだまだ未熟なものですが、読んでいただいた方に寄り添い、あたたかい気持ちになっていただければ幸せです。
今後もぽやぽやと投稿していきたいと思いますのでよろしくお願いします
(*´ω`*)
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