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最新価格戦略! その「ねだん」、一体どう決まってる?【調達・購買業務コンサルタント・坂口孝則さん解説】

私たちの生活を取りまくモノやサービスは、個々に価格がついていますよね。では、その「ねだん」って、一体どうやって決まるのでしょう?

7月19日放送の番組『なぞのねだんビジネス』では、値づけの常識とは違う仕組みで価格が決まる3つのビジネスを紹介します。今日は、そんな番組放送前の予習です。

 「価格とは企業の生命線」と断言するのは、製品原価・コスト分野の専門家である調達・購買業務コンサルタント・坂口孝則さん。一方で、「その価格戦略はとてもシンプル」だともわかりやすく解説して下さいました。

メルカリやECショップなど、誰でも個人で売買できるのがいまの時代。価格の決め方の基本ルールと、値づけの最新トレンドを学びましょう!

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坂口孝則(さかぐち・たかのり)
サプライチェーンが専門の調達・購買業務コンサルタント
佐賀県生まれ。大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達部門、購買・原価企画業務に従事。バイヤーとして担当したのは200社以上。現在は、未来調達研究所(株)取締役としてセミナー登壇や会社経営、『スッキリ』(日本テレビ)出演、ラジオ『オールビジネスニッポン』MCなどで活躍。著書は『営業と詐欺のあいだ』『調達・購買の教科書』など34冊。

価格設定で企業努力がムダになりかねない?

商品の価格決定方法はさまざまです。

日本の企業は中小企業が大半で、彼らの値づけは、ほとんどの場合は直感によります。消費者へのアンケートで1000円なら買ってくれそうだとわかっても、実際に買ってくれるかわかりません。

そこで社長の「どうしても980円以下にしたい」といった鶴の一声で決まる場合が大半です。

ただ、価格とは企業の生命線です。ほんとうは1万円で販売できるものを1000円で販売してしまえば、ほかの企業努力が無駄になります。そこで、近年は値付けに意識的な企業が増えてきました。代表的な方法としては次のとおりです。

【1】 市場価格類推法
類似品や過去に発売した商品の価格を参考にするものです。A/Bテストといって、複数の価格で実際に販売して消費者の反応を見るケースもあります。

【2】 原価積立法
商品の製造原価や仕入原価を積上げて、さらに期待する利幅を加算して販売価格を決める方法です。古いと思われるかもしれませんが、企業間取引ではまだ採用されています。

【3】 正味現在価値法
その商品の原価がいくらであれ、その商品を買うことによって得られる収益をもとに計算する方法です。極端な例ですが、あなたが特殊なペットを誰かに売るとします。買った人とはその後10年間で1億円の見物料を得るかもしれません。厳密にはエサ代や保管料もあるでしょうが、その場合は1億円で販売する価値があることになります。

【4】 政策決定法
ライバル商品を潰すためだとか、インパクトを与えるために、コストを無視した価格に設定するものです。また、ファストフードなどでは、代表商品が高いと悪印象を与えてしまう場合があるため、ブランドイメージのために下げる場合があります。

なお、上記の代表的な方法にとらわれない商品も出てきました。


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編集/コルクラボギルド(平山ゆりの、デザイン・ペー)

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