「なぜ、ディスカッションが必要なのか」
こんにちは。
株式会社がちゆんです。
弊社は、修学旅行生に平和について考えるディスカッションの場を作るという『教育旅行事業』を行っています。
また、弊社は実現型ディスカッション企業として
・普天間飛行場の跡地利用に関する学生円卓会議
・県内の主権者教育の場づくり
・3歳から80代までのみんなで平和について考える全世代ディスカッション
・沖縄タイムスとコラボして開催した、様々な問題を大学生が考えるU25
というようなディスカッションの場を作っています。
がちゆんでは『言動力は、世界を動かす原動力』をモットーに、多様な人が同じテーブルについて話し合える場を作っているのです。
しかし、『ディスカッションなんて、ただ話をして時間を浪費するだけで、何も生まないんじゃないの?』というひとがいるのも事実。
ですので今回は、弊社の社員2人が「なぜディスカッションが必要なのか」をテーマにディスカッションをしていきます。
読者のみなさん。
あなたも、このディスカッションの場にいる一員です。
「その考えいいね」とか「それは違うんじゃない? 」という風に、自分の意見を頭の中で言いながら、この記事を読んでいってみてください。
では、国仲さん上園さん、よろしくお願いします。
国仲「よろしくー」
上園「よろしくお願いします!」
社員紹介
国仲瞬
株式会社がちゆんの代表取締役
「言動力を沖縄を動かす原動力にする。沖縄が動けば必ず世界に波及する」という想いのもと、2013年に琉球大学の学生団体としてディスカッションの活動を開始。そこからわずか349日で法人化し、代表取締役に就任。「平和共育」などの新たな概念を生み出し、主に教育事業を展開する。さらに社内学校化計画などユニークな経営スタイルにも注目が集まる、沖縄発の若手経営者。
上園海
株式会社がちゆんの秘書・広報
商業高校出身。ビジネス文書検定や情報処理検定、秘書検定などを始め、多数の資格を保有している。沖縄県内の大学での講義も務め、フィリピンに短期留学をし、英語力も身につけるなど、様々な分野で活躍中。後天性の難病を持ちながらも、それを感じさせないバイタリティと行動力を併せ持つ、沖縄が生んだキャリアウーマン。
そもそも、ディスカッションとは何か?
国仲「ありきたりなところから言っていい?」
上園「どうぞ」
国仲「ディスカッションってさ、自分の中に違う価値観が入ってくるものなわけよ。
俺さ、自分と違う価値観が入ってくるのがすごい好きで、それが入ってくることを歓迎すべきだと思ってるのね。
同じテーマで話し合ってるのに、こんなに見方が違うのっていうのを歓迎してる状態がすごい好き。
歓迎されてる状態っていうのもすごい好き。心地いい。」
上園「矢印が向き合ってるみたいな?」
国仲「そうそう。『瞬ってそう考えるんだ』って思ってもらえるのってすごい心地よくない?」
上園「あ~、たしかに」
国仲「あとそうだ。そもそも世の中のディスカッションには2種類あると思ってる。
『積み上げるディスカッション』と『掘り下げるディスカッション』の2種類」
上園「へ~、初めて聞いた。どういうこと?」
国仲「積み上げるディスカッションっていうのは、みんなで意見を出しあって合意形成しましょうとかいいアイデア出しましょうって感じ。
でもそんなの会議でいいじゃん。
がちゆんは、『そもそも何でそうなの?』っていう前提を疑う、本質を探るって感じのディスカッション。
最初は『なんの意味があるの?』って批判されたりもしたんだけど、そういう種類のディスカッションなんだよ。
べつになんか結論出そうとかしてないから、そこをまず分けないといけないなーとは思ってる」
上園「もともとサークルの時代からそういうふうに思ってたの?2種類あるってわかってた?」
国仲「いや思ってなかった。
でもディスカッションっていったときに、みんなの定義がずれてるなーとは思ってた。
俺が言うディスカッションっていうのは、下に掘り下げていく系のディスカッションが多いから、
最終的に結論出したい人もいるんだなーっていうのに徐々に気づきはじめたなー」
上園「いつ頃?」
国仲「サークルやってるとき。違和感があったんだよね。
ディスカッションやってる途中で『こんなのディスカッションじゃない』って怒りはじめるひともいたし」
上園「その怒った人にとってのディスカッションって何だったの?」
国仲「『みんなが同じ量の発言をして結論を出さなきゃいけない』ってかんじ。
さっきも言ったけど、それってただの会議なわけ」
国仲「ディスカッションっていうのは、固定観念を疑って本質を探るもので、
つまり、自分たちがやりたいこととか、なぜ世の中に必要なのかっていうのを、ちゃんと再認識するために言語化をみんなでするのがディスカッション」
なぜ、ディスカッションが必要なのか
では、本題に入りましょう。
なぜ、ディスカッションが必要なのでしょうか?
国仲「ひとことで言えば、より良い方向へ進むため。
たとえば、俺らがやってたディスカッションの顕著なのが、環境問題で話したとき、
『どうやったら環境問題って解決すんのかな』じゃなくて『環境破壊ってそもそもなんでだめなの』からスタートするんだよね」
上園「そうそう」
国仲「で、俺らのことで言えば『そもそも平和学習ってしないといけないの?』とか、
『なんで修学旅行って必要なの?そもそも修学旅行って何?』みたいなことから考える」
上園「『なぜ平和学習事業を行っているのか』『高校生たちは何のために沖縄に来るのか』っていうのを論理的に説明できるようになるってことだよね」
国仲「そう! それプラス、ほんとうに自分がやりたいこととか、ほんとうに世の中に必要なのか、みたいなことも見えてくる。
まりんも今までは難病っていうくくりでいろんな活動をしてたけど、
突き詰めていくと難病っていう言葉じゃなくて『全ての人の自己肯定感を高めること』っていう違う概念だった、みたいな。
この間入社した塩谷も、最初は『海のことをやりたい』って言ってたけど突き詰めたら『人間以外のことをやりたい』っていったのは俺けっこう好きで、
それは結局、海っていうテーマじゃなかったわけじゃん」
上園「うんうん」
国仲「でも本人が今まで出会ってきた価値観だけだと、『なんか海のことをしたい』って感じなんだけど、『魚のことしたい』とか。
でも、ディスカッションを重ねて自分とちがう価値観で自分について考えてみると『人間以外』っていうくくりになるんだっていう、
『そしたらもう海じゃねえじゃん』っていうのに気づく瞬間ってすごい大事だと思ってて、
要はそれが一番本質的っていうか、今ある語彙だけで表現してたけど、実はちがってたーみたいなのに気づけるのが、ディスカッションの良さかな。
あるいは、がちでゆんたくする良さかなっていうのを思ってる」
上園「一人で考えるだけで深めていくパターンもできるけど、言葉に出すことで言語化されてくみたいな。
喋ってわかることとか気づいていくこともあるよね」
国仲「そう。自分が、相手がいて話したこととか、それに対して相手が言ってくれたことって言うので新しく再構築されるっていうのは、やっぱりディスカッションの良さかなって思う。
自分でこうだと思ってたけどいろんな人の話聞いてたらこうじゃなかった、こうだったみたいな。っていうのがディスカッションの良さだよね」
上園「世の中ってあまりにも固定観念で出来てて、『これ当たり前だよね』って思ってること多いよね」
国仲「そうそう!例えば『なんで会社に行くの?』っていうのもそうなんだけど、パソコンに向かってカタカタしてるだけなら別に会社行かなくていいじゃん。
会社がただの箱になってるなら行かなくていいじゃん、っていう状態とかも、前提を疑わないと毎日9時に出勤して5時に退勤して、っていう日常が流れてて、
いや、それを悪いって言ってるんじゃなくて、人生に溢れてる周りのものをいい意味で疑ってみる感覚が大事だよって思ってるのよ。
ディスカッションはそれを人の手を借りてやってるってだけ。」
国仲「ちがう視点を入れて自分のこと考えられたり、うちの会社が哲学的だったりするのはけっこう、まわりのものを疑ってるって部分が大きくて、
うちではよく『会社ってそもそもなんだ?』っていうのを考えるわけじゃん。
で、会社はこういうオフィスみたいな箱モノのことじゃなくて、相互応援の箱でしょって結論も、ふつうの会社っていうのとはちがうじゃん。
ふつうの会社っていうのは、朝出勤して夕方帰る、お金をもらう場所、みたいなかんじ。
それはそれでいいんだけど、うちの場合の会社の定義は違うよ、って俺が社員に言うのも、新入社員は『会社』っていう定義を考えないといけないから。
その新入社員の『会社』の定義が、がちゆんと合わなかったら、その新入社員もがちゆんも、いい思いをしないわけじゃん。
でも、就活をする上で『会社って何?』まで、みなさんが突きつめてるかっていうと、俺は全然できてないと思ってる」
上園「うんうん。企業分析はするけど、自分の中の会社の定義分析はしないよねって感じ?」
国仲「そうそう。俺的には、就活する上で『会社って何?』が一番本質的なテーマになるのよ。
だから就活本とかで、『会社の理念とかを調べましょう』よりも先に『会社って何?を考えましょう』がくるとおもしろいなー」
上園「会社の定義を考えるのに、参考になる話とかない?」
国仲「んー。あ、前に授業でやってた話でおもしろいのがあった。
教授がまず生徒たちに、『働く』ってテーマについて、いろんな意見を出させる。
で、先生が途中で『週7働いて休みもない、給料も普通以下、という仕事があったらどう思いますか?』って聞く。
まりんはどう思う?」
上園「労働基準法に違反してるよね」
国仲「そう思うよね。でも、実はその仕事は、NHKの歌のお姉さんなのよ」
上園「えー!」
国仲「歌のお姉さんは、実際めっちゃ働くし、恋愛も結婚も出産も禁止なわけ。
でも本人としてはすごい好きだからやってる。
『歌のお姉さんが労働局に訴えに行くと思いますか?』って聞いたら、生徒たちは『いや行かないと思う』って言うの。
『でもみなさん、その条件だとブラック企業だって言ってたじゃん』みたいな。
いい授業だなーって思って、結局働くっていう価値観を、『働かされてる』って捉える人と、『制限とかは文句を言うところじゃない』っていう人といて。
どっちがイイって言いたいわけじゃなくて、『そういう人もいるよね』っていう話」
上園「自分と違う価値観を、認識することが大事なんだよね」
国仲「そう。別に、ほかの価値観があることをふまえて『私は1日8時間週5であとは休みたい』っていうのが形成されてもいいわけじゃん。
とか、たとえば『1日15時間月に休み1回』っていう働き方をぱっと見て、『ブラック企業だ』とかっていうのはちょっと違うよね。
その人のあり方しだいでそれは全然変わるよ。」
上園「っていう価値観を知ってるかどうかだよね?」
国仲「いや。っていうのを話さないと、わかんないよねって感じ。
ずーっとじぶんに新しい価値観が入ってこないで80歳までいく人もいると思うわけよ。
今してるのは『働く』ってテーマでディスカッションをしたときの話なんだけど、あたらしい価値観に気づけるのは、ディスカッションじゃなくてもいい。
気づかせてくれる人がいるってだけで気づけるかもしれないし、がちゆんはあたらしい価値観を取り入れる手段を、ディスカッションに求めたってだけかな。」
上園「本質を探るのに、ディスカッションを使おう、っていうのががちゆんなんだよね」
国仲「そう!」
上園「他に本質の探り方ってある?」
国仲「個人的にはディスカッションの中で批判されるの結構好きで、批判されることで、自分の本質が探れると思ってる。
『批評された』っていう思いは、自分と相手の価値観がずれてるときにうまれるんだよね。
批判されて、『嫌だ』って感じるってことは、自分の中に確固としたなにかがあって、それとちがうものが体内に入ってくるから、違和感!みたいになるわけよ。
拒否!みたいな。
でも、違和感とか拒否とか、不協和音みたいなのを逆にプラスのこととおもっちゃえば、批判してくれるひとに対して
『この人は自分の確固たる部分を掘り出してくれる存在』といつもおもってて、
違和感があるってことは、皮肉かもしんないけど、この人と自分には決定的にちがう部分があると。
決定的にちがう部分があるってことは、素敵だなーっておもってて、その人のおかげで、『いや違うんだよ、こうなんだよ』ってやっと言語化できたことって俺もいっぱいあるわけよ。」
上園「それが、さっき言ってた、私の行動指針が変わった話に通じるんだよね」
国仲「そう、まりんの中にもともとあった難病ってキーワードも、今までに「なんで?」だとかなんとかいっぱい聞かれてきたわけじゃん。
そのたびに自分のことばで説明して、『たしかに自分の中に別のテーマがあったのかも。あの人の言うとおりだった』っていう気づきがあって、
難病、福祉、みんなが幸せならそれでいい、っていうふうに、どんどんキーワードが変化していって、
『自分は、みんなの自己肯定感を高めて幸せを感じてほしいんだ!』って、今では自分の本質により近づいた」
上園「自分の本質に近づくことで、自分の本当にしたい生きかたが見つかるよね。
さっき話した会社の定義に関して言うと、その定義って自分の内側から出てきたものだから、そこを探ることで自分の本質が見える。
だから「この会社はちがったな」みたいなことも減るし、ムダな責任を負うことも減って、自分がやりたい仕事に会う確率がふえるよね」
国仲「そうそう。毎日9時に出勤して夕方5時に家に帰る、っていう前提を一回疑ってみた時に、違う人生が広がってるかもよって話」
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ここまで記事を読んでくださり、ありがとうございます。
今、あなたの中に何かモヤモヤが残っていれば、この記事を書いた私の目論見は成功です。
この記事では、「なぜディスカッションが必要なのか」という問いに対して、あえて結論を書いていません。
あなたが今もっている意見が結論だからです。
生まれたモヤモヤ、あなたの意見は、コメント欄にてお待ちしてますので、 お気軽にご投稿ください。
記事を書いたひと
松田和幸(まつだかずゆき)
株式会社がちゆん公認ライター
琉球大学2年次
”自己表現×必要性”をテーマにしたライティングスタイルを目指して勉強中。
ひとり旅をして、旅行記を書いたりもする。
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+ あとがき +:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+
株式会社がちゆん代表、国仲瞬です。
僕たちは、考えるきっかけを提供する仕事をしています。
沖縄にくる修学旅行生には、平和について考えるきっかけを。
大人の世界から少しだけ遠い大学生には、大人の世界について考えるきっかけを。
本土出身の大人たちには、外からは見えない沖縄の問題について考えるきっかけを。
『タニンゴトをジブンゴトに』
人はだれでも、じぶんに関係のないことは気にしません。
だけど僕たちは、ふだんは他人事だと割り切ってしまうことについて、考えてみてほしい。
自分事にしてほしいのです。
だから今日も、僕たちは考えるきっかけを提供していきます。
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