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OPと先物の使い分け

これは先日、Xにてポストした戦略ですので、もうご存知の方は読まなくてもいいと思います。一応、読んでいない方向けに「こういった内容で続けていきますよ」という触りといいますか、noteの方向性が伝わればいいと思ったので、書き残しておきます。

プットと先物の使い分け

2月2日。
朝の寄りは36200あたりでした。
このとき私はデルタプラスのポジション、つまり先物が上昇すると利益が増えるポジションを保有しておりました。損益分岐は35900あたりだったと思います。
ナイトで35700台まで突っ込んでからの、想定外のリバウンドで助かっただけのポジションでしたので、
なんとかこの利益だけは守りたいと思いました。

連日のように寄り天をかますクソ相場が続いておりましたが、
この数ヶ月、非常にいやらしい形で踏み上げを行なってくることも多々ありましたので、
寄り天か、踏み上げか、で非常に悩む局面でした。
ただそんな中でも、1時間のうちに100円以上どちらかに動くだろうという予想には自信がありました。

先物が下方向に動いたときに利益を得る方法は、
シンプルなものだけをいうと、
「先物売り」「プット買い」「コール売り」の3つがあります。
私はプット買いを選択しました。
オプションとは買い方であれば、支払ったプレミアム以上に損失を受けることはありません。P35000のプレミアムが100であるならば、10万以上の損失は受けないということです。
私はオプションの買い方だけに付与される損失限定が、このとき必要でした。
ロングに対するヘッジですので下方向を取りたいが、もし踏み上げだった場合、どのくらい踏まれるのかわからなかったからです。

option戦略

上の表は2月2日9時1分の状況です。
日経平均は36224円をつけています。
リスク指標明細の「δ(デルタ)」は先物の値動きに合わせプレミアムがどのくらい動くかを表した指標です。0.1はミニ1枚に相当します。
試しに、先物売り、コール売り、プット買いをデルタ0.2で揃えてみます。先物とコールを売りに設定するのを忘れていたのでプラスになっていますが、マイナスとして見てください。

option戦略

上の表は前場終了時の状況です。
見事に踏みあげられました。
3つのポジションの損失にバラつきがでていることがわかると思います。
最も損失が少ないのがプット買いです。
オプションとは先物のように直線的に損益が動くのではなく、
ロングの場合、利益側に対しては加速的に、損失側に対しては減速的になる特徴があります。その減速の効果により、プット買いの損失がもっとも少なくなっているのです。

私は前場終了時、プットを損切りして先物ショートに変更しました。
朝一同じデルタをとった先物ショートの人よりも有利な立場で新規に売れたわけです。

option戦略

前場終了時、ここでもデルタを-0.2で揃えてみましょう。
この後、相場は200円近く下げます。ツンガリコーンというものです。
では、引けはどのようになったのか下の表を見てください。

option戦略

200円以上下げ、
まさに高値で買ってしまった人はちゃぶ台をひっくり返したくなるような展開です。
最も利益が乗っているのは先物で、最も利益が少ないのがプット買いです。
先程、オプションのロングは利益側に利益が加速すると書きましたが、下方向に強いはずのプットが先物に負けてしまっているのです。

これにはいろいろな要素があるのですが、IVというものが関係します。
IVとはプレミアムの割高割安を操作するもので、値動きが活発になるとIVは上昇しプレミアムは割高になります。
朝からの先物の上昇でIVが上がり、オプションが割高になってしまっていたのです。
私は前場終了時、ここから下げたら相場が落ち着くので、IVが下がりプレミアムには下げ圧力が加わり、これにデルタは勝てないだろうと思いました。だからこそ先物ショートを選択したのです。

まだ書き足りないのですが、
このようにオプショントレーダーは先物オンリーのトレーダーよりもやや有利な立ち回りも場合によっては可能です。その些細な有利の積み重ねが将来の大きな差になると私は思っています。

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