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JTC→外資系の処方箋②Finance組織の違いについて

割引あり

はじめに

JTC(日系大企業)と外資系企業で、Finance組織に違いはあるのか??

皆さんこんにちは、本日はFinance・Accounting組織について説明していこうと思います。
日頃から僕がFinanceと叫んでいる事について、外資とJTC、特に事業会社における意味を話していきます。

Financeとは?

そもそもFinanceとはどんな意味でしょうか?
辞書を引くと、

「財政、財務、財政学、財源、財力、歳入」

と出てきました(weblio英和辞書)。
この中で1番使われてる意味としては『財務』ですかね。

財務と言えば、厳密には

  • 資金調達

  • 資金管理

辺りを指しており、特に銀行マンは融資の話を思い浮かべるでしょう。

逆に経営者や投資家目線では『株式を発行してお金を集める』となります。
要は資金調達の事をFinanceと言っており、資金の集め方によって

  • 銀行からの融資や社債発行->Debt Finance(デッドファイナンス)

  • 株式の発行 ->Equity Finance(エクイティファイナンス)

と呼んでいます。
ここまで書いてきた限りで、頭の良い人たちはこう考えると思います。

「外資Financeくんが言ってるFinance、元の意味と違くない?」と。

その通り。
私が使っているFinanceという言葉は、『事業会社でお金を扱う仕事の話をする際に』使っていますからね。

以後、私が使うFinanceという言葉は辞書通りの意味ではなく『外資系企業でお金周りの実務を行う役割』について話していると思ってください。

こちらは仕事をしている中で社員同士が使っている単語でもあり、はっきりとした区分けは難しいかつ会社によって異なると思います。

が、私はこれから述べる意味こそ『事業会社におけるFinanceである』と確信しています。

事業会社におけるFinance

では事業会社で働く中でのFinanceとはどんな意味を持つのか?
私自身働いている中で表すならば、

『経理、FP&A、資金管理など財務経理分野に関わる全ての仕事』

を指していると感じております。
理由は主に2点あると考えていて、

  1. 事業部から見たらFinanceと経理における区分が分からず、『経理』『Finance』という一括りの呼び方をしがち

  2. 財務経理内は仕事が密接に結び付いており、厳密に分けるメリットが無い

外から見たら『お金に関する仕事をしてる部署』と見えており、細かく判別できるのは元々財務経理にいた人ぐらいです。

また実際にFinanceの仕事をしていても経理業務を知っている必要があり、逆も然り。

財務経理内は一体感があり、1つのチームであるという意識があります(少なくとも私の所属する外資系企業ではそうです)
なので一般的な財務、Financeと経理の定義は余り役には立たないというのが実態です。

辞書や金融機関におけるFinanceとは別の単語であると考えて下さい。

事業会社とは?

そもそも事業会社って何?と思う方もいらっしゃるでしょう。定義としては、

「営利を目的として経済活動をする会社」

となります。
よくコンサルとの対比で使われる単語です。自社で商品を開発・販売して顧客に提供していく会社の事を指します。

なので銀行や金融機関でもなく、コンサルやFAS、監査法人などのアドバイザリー系でも無い会社のほとんどは事業会社となります。

事業会社には様々なタイプの人が集まり、仕事に対するモチベーションも人それぞれ。
その為FASや監査法人、金融機関のような『職種別の厳密な定義』を気にする人は少なく、結果として「お金に関する仕事をしてる人=財務経理、Finance」と括られがちです。

計数管理と会計知識

ここまでは会社の種類について話して来ましたが、一旦仕事の話へ戻します。
本記事で重要になる「計数管理と会計知識の結び付き」に関して述べていきます。

そもそも、計数管理とは何か。精選版 日本国語大辞典より引用すると、

『経営管理方式の一つ。会計、原価計算、統計数学などを用い、経営活動を計数的にとらえて行なうもの』

となっています。要は会社が行う事業活動に対して、数値を用いて状態を表す行為となります。
「なんとなく、こんな感じっしょ!」という経営をしない為にも、数値でtrackingを行いますよ、と捉えて下さい。

計数管理の定義にもある通り、分析の元となる会計数値、原価を正しく用いる必要があります。「ただそこにある数値をいい感じに使いました!」ではお話になりません(詳しくは後述ですが、ある職種ではこの問題が起きます)

会社や事業の状態を正しく分析・管理する為にも会計知識は重要なのです。

事業部門と管理部門

会社が事業を行っていく上で、大まかに2つの部門が存在します。

  • 事業部門:製品やサービスを開発・製造し、営業を行なって顧客に売り上げる採算部門。自部門のSales, EBIT、Net Working Capital(正味運転資本)に対して責任を負う。

  • 管理部門:自部門で売上を持たず、各事業部の活動をサポートする非採算部門。全事業部に対して人事・経理などの業務を通じて事業部の営業活動を支援する。

Finance的な見方をすると、会社の中でPL(Profit / Loss)に直接責任を持つのが事業部門、直接は持たないのが管理部門となります。

いわゆる経理財務と言えば、日本的には管理部門が思い浮かぶでしょう。

仕訳を切る、P/L, B/S, C/Fを作る、外部に対して会計数値の報告を行う...といった役割は、原則経理部や財務部が持っているからです。

なので事業部としては課長や部門長などトップ層を除き、計数管理をきちんとしているのか?Financeは経理財務の仕事でしょ?と思う方も多いです。

先ほど申し上げた通り、計数管理は『
会社や事業の状態を正しく分析・管理する
』方が目的になります。

この計数管理、ひいてはFinance業務に対する認識の違いこそ、JTCと外資系企業におけるFinance組織の違いに繋がるのです。

日系(JTC)と外資系(主に欧米系)における組織設計のベース

ここからはJTCと外資系の具体的な組織設計・思想の違いについて述べていきます。

①日系企業(JTC)

まずはお馴染み、JTCにおける組織の前提について説明します。主に3点ほどあり、
  アドホックな作業が多い
  現場主義

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