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ノータイトル

彼女の寝息を聞きながら飲むコーヒー。
愛おしい髪の生え際。
睫毛に触れたいのをこらえて、
人差し指の背で頰をなでる。

君が後輩だった頃、私は深く傷ついていた。
愛でしか癒えない、真新しい傷を抱えて。

花が揺れるように、蝶が羽ばたくように、
戸惑い悩みつつ、だけどとても自然に、
君は私のそばにいる。
睫毛に触れたいのをこらえて、そっと頰をなでる。

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