本当は怖い八木節①

インド映画を見て八木節を知る

だいぶ前の話だが、コロナ禍中の昨年、とんでもない映画と出会ってしまった。

一言で形容するならば、「ロードオブザリング×マトリックス×ジャッキーチェン×水戸黄門×忠臣蔵×北斗の拳×ラブコメ×八木節」のような映画である。しかもインド映画(もちろん歌とダンスあり)。

タイトルは「バーフバリ 英雄誕生」(2015)、そして「バーフバリ 王の凱旋」(2017)。どうどうたる2部作である。映画ファンの間では流行っていたらしく、試しに1回見てみたら、これがとんでもない映画だった。

「インド映画ー?」と食わず嫌いは禁物。
めちゃくちゃ「庶民的な」映画だ。
笑いあり涙あり、戦争ありアクションあり、茶番劇ありラブロマンスあり、嫁姑の確執あり、親子2代に渡る因縁の物語あり。壮大なる歴史スペクタクルだが、突っ込みドコロ満載! ぜひ気の置けない仲間たちとともに、わいわい騒ぎながら見てほしい。

さてさて。映画の中身はトンデモ時代劇ファンタジーで、かなり封建的な価値観に貫かれており、なんだか懐かしい感じなんだけど。

映画の中で、悪い王子が主人公の恋人にセクハラ行為を働いたことでひと悶着起こり、ことの真偽を裁判で王様が問いただすシーンで、主人公がいきなり剣を抜いて、その王子の首を刎ねてしまうのだ! 

そのシーンで、自分は思わず「カーッコいい~!」と拍手しちゃったのである。子どもの頃は「北斗の拳」の残酷描写が怖くて読めなかったこの私が! 今や平和をこよなく愛する田楽座の代表であるこの私が…。いくら荒唐無稽な映画の中の、虚構の話とはいえ、人の首を刎ねるシーンで拍手喝采とは何たる不覚。


そこで私はハッと気づいた。
八木節の歌詞についての、長年のギモンの答えに。

(つづく)

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