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自首の様子を生配信。大麻所持のYouTuber「ゆうせい荘」 有罪判決。

東京地裁 -刑事事件-

(判決公判)

2021年7月21日(水曜) 14:20~14:30  529号法廷

事件番号:令和3年特(わ)第1088号

罪名:大麻取締法違反

被告:A (保釈中)


<事件の概要>

 被告人は、大麻推進家を名乗り、YouTuber「ゆうせい荘」として活動し、犯行当時は、登録者が4万人いた。チャンネル上では、薬物が合法のオランダで、実際に大麻を吸った感想や、大麻の法規制についての持論も発信していた。
 ところが2020年2月以降、動画を削除し始め、6月には全ての動画を削除。YouTube上からほぼ姿を消した。
  2021年5月に入り、突如活動を再開し「小説家になることにしました」と宣言すると共に過去動画の一部を公開し、反響を呼んだ。
 ところが突如5月8日深夜、「警察に自首しにいくライブ配信」を実行し、逮捕された。


<13:10~ 傍聴人が並びだす。>

 多くが10代後半~20代前半と、若年層がほとんどだ。

<14:05 被告人法廷前到着>

 弁護人と、楽し気に待合室で話している。


<14:13 被告人入廷>

 被告人は、初公判同様にスーツ姿で清楚であった。入廷後、傍聴席には目もくれずに、うなだれる様に終始下を向いて目をつぶっていた。被告人は、初公判に比べて、深座りで足を上下に揺らすなど、落ち着きがなく見えた。


<14:19 開廷>

裁判官- それでは、開廷します。まず、名前を言って下さい。

被告人- 近藤佑星です。(ゆっくり、ハッキリと)


裁判官- それでは、判決を言い渡します。主文、被告人を

『懲役 6月に処する。確定の日から、3年間刑の執行を猶予する。』


被告人- ハイ。(小さい声で)


裁判官- それでは、認定した犯罪事実について述べます。被告人は、令和3年5月8日に、東京都目黒区所在の自由が丘駅正面改札前付近の路上において、0.31gの大麻片を所持した。



裁判官- 続いて、量刑の理由です。被告人は、自ら売人を探し、かつストレスから使用した事は、被告人と大麻の関係性は浅くない。他方で、自首をした事、過去の活動に区切りをつけ、環境と生活態度を改める事、前科が無く、父親の監督が誓約されている事を踏まえれば、今回に限り執行猶予にするべきと判断した。


(「自首」が、減刑の対象になった様だ。)

(裁判官による、執行猶予の説明に対して、被告人は「ハイ。」「ハイ。」と小さな声で答えていた。)


裁判官- 最後に、執行猶予は二度と大麻と関わらないという、思いを汲んだものです。

 今の気持ちを大切にして下さい。

(裁判官は、最後に被告人に説諭して閉廷した)


<14:26 閉廷>



 初公判と比べ、判決期日が周知された事もあり、若年層の傍聴が大多数を占めていた。自身は、「ゆうせい荘」の存在は報道されるまで知らず、同年代の傍聴人に色々伺った。

 被告人は、多様なコンテンツを投稿し、単なる「ファン」ではなく、「信者」と崇める者が多くいる事を知った。今回の裁判も、冷やかしよりも、「最後を見届ける」想いの傍聴人が多い様に感じた。

 閉廷後、若者が被告人に快くサインに応じたり、差し入れを受け取った際には、丁寧に「ありがとう。」と答えていた。さらには、一緒にエレベーターに乗り、構外まで写真を撮りに行った。その優しさが、「信者」を獲得する魅力でもありそうだ。

 皆、復活を期待しており、それに応じるかの様に、今後の展望を語っていた事も印象的であり、今後も何らかの展開を見せるのだろう。

 


 犯罪事実は、悪質である事には間違いない。弁当を3年持った状態で、被告人自身にとって、依存度の高い「大麻」にどう向き合うのだろうか。それを鑑みた上で、どの様なコンテンツを提供するのか。気になる。

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