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どぶろくの蔵人を探しています。


<2017年4月12日に追記>
Pen、VOGUE、BRUTUS、Casa BRUTUS、住む。…。最近は料理雑誌以外の名だたるメディアにも取り上げられている遠野の料理人/醸造家の、佐々木要太郎さんが営むオーベルジュ「要(yo)」で、働きたい20代の若者(※遠野出身)を募集しています。

直近では、20代も含む3名の30歳近辺の若者がチームに加わり、どぶろくの生産体制の確保と、発酵・熟成の分野の開拓にも一層力を入れています。
要さんは、独創的な料理やどぶろくはもちろん、発酵・熟成を極める過程で干し肉やチーズ、酢などのありとあらゆる発酵食を自ら作り出すことができるようになりました。

その実力は世界でも認められはじめ、今年はスペインの「ムガリッツ」という世界的レストランでも、どぶろくが提供されることになりました。今年の5月、6月にも、スペイン・イタリアへの遠征が控えて大忙しです。

その輝かしい表舞台の一方で、本気で世界を目指す要さんはとてもストイックです。「裏仕事が9割」という仕事は、どぶろくの原料となる畑仕事から、力のいるどぶろくの仕込み作業、感性を求められる接客など、決して表には出ない部分がほとんどです。3月後半から、富川は毎週、要さんのところで打ち合わせをしていますが、「当たり前が一番こわい」という要さんは、現状に決して満足せず、スタッフにも厳しく接しています。(時に僕も背筋がピンとします)

ただ、不思議なことにチーム「要」には、いつも笑顔があります。厳しい中でも、冗談を言い合い、時にいじられもする要さんを見ていると、体育会の運動部のようだなぁと思ったりします。

今回、遠野という決して易しくない環境で15年戦ってきた要さんは、自分と同じように遠野で育った若者をチームに入れたいと言っています。地味でもなんでも、一つのことに打ち込める若者。要の新メンバーは、データ分析会社、化学メーカー、ワインのお店と経歴は様々です(要さんの右腕の蔵人さんは土建屋さんです!)。必ずしも食ではありません。その人の歩んできた道がそのまま個性となるから、そこにこだわりはない、とのこと。今回、そんな様々なメンバーがいるチームに、遠野で育ってきた若者がいれば、また新しい色が出せる、と地元出身者にこだわっているのです。

長くなりましたが、こんな環境に身を置きたい人、どこかにいませんでしょうか?遠野のどぶろくが、若者が、地域が大きく変わっていく大事なチャンスだと思います。(僕やレナータなど、Next Commons Labのメンバーもプロジェクトをサポートしています)

遠野の方、この記事自体をシェア頂けると嬉しいです!
どうぞよろしくお願いいたします。
(要の電話番号:0198-62-7557)

2017年4月12日
Next Commons Lab遠野 富川岳




***


<以下、2016年6月に募集用に書いたものです>

こんにちは。
Next Commons Lab 富川です。



5月後半に始まった募集も
いよいよ佳境に
差し掛かってきました。

連日この話題ですみませんが、
岩手県遠野市ではじまる
Next Commons Labの一つの
プロジェクトについて
書かせていただきます。



日夜、エントリーいただいている方々と
メールでやりとりをしたり
オンラインで個別面談をしたりしています。
本当にたくさんの方が興味を
持ってくださり、ありがたいです。


10のテーマで人材を募集し
3年間で起業もしくは共同創業を
目指して共に活動していきます。

すぐ起業となるデザイナーの
ような職種もあれば、
ローカルブルワーとなる方は
1年間都内でインターンを
していただいた後、
遠野で起業していただきます。

このロードマップは各プロジェクトで
バラバラではありますが、
その中でもとりわけ異質な
プロジェクトがあります。

「どぶろく蔵人」
インターン期間3年間


つまり3年間、徹底的に
発酵と、酵母と向き合い
ひたすら究極のお酒づくりを
めざしていただく職種です。


もともと遠野は
"どぶろく特区第1号"であり、
どぶろくは文化でした。

集落に行くと、
「昔はこっそりつくって逮捕されてたよ笑」
と年配の方が笑ってたりします。


そんな歴史のある遠野で
ひとりの若き職人がいます。


佐々木要太郎さん(35)です。


何度かご紹介させて
いただいたこともありましたが、
発酵・熟成のプロフェッショナルであり
チーズ、プロシュート、燻製、酢、
魚の熟成など
なんでもつくれる方です。

料理も独創的で美味しく
最後に出されるデザートや
お茶に至るまで全てお一人で
つくられている
本当にマルチな方です。
(安易にクリエーターとか
 使いたくないですが、こういう方が
 真のクリエーターだと思います)

それはまるで
自分でオーダーを組んで作戦を考え、
トップバッターにもなれ
4番バッターにもなれる。
そして油断すると痛い目に合う
下位打線にもなれるような、
多彩さを兼ね備えているのです。


もっというと、どぶろくの
原料であるお米「遠野1号」も
ご自分でつくられているので、
選手をやりながら
少年野球チームの監督も
兼任しているような感じだったり、

Casa BRUTUSの
日本の宿TOP50
にも
選ばれているので、
いわばクラブハウスの経営もしている
かのような、

そんな方なんです。
(そんな人いるんでしょうかね…)


こんな方と遠野で出会えるなんて
思いませんでした。



要さんは

どぶろくを作るのではなく、
どぶろくという「お酒」を
つくっている

とおっしゃります。

これを飲まれた方は
みなさんが口を揃えて
「こんなどぶろく飲んだことない」と
言います。

日本酒と、どぶろくの間のような感じだと。
これは日本酒の作り方も
マスターしている要太郎さん
だからこそできることだと言います。


また、面白いのが
海外にも出荷している
要さんのどぶろくは
いっそ「どぶろく」という
名前ではなく別の飲み物として
売った方が良いんじゃないか
という声もたくさんあるそうです。

先日、来日していた
今後Next Commonsのスタッフになる
イタリア人のレナータも
同じことを言っていました。



ぼくは下戸なので
実体験として語れないのが
もどかしいのですが、
食にこだわりのある方々が
目をキラキラさせて美味しいといい、
こぞって出荷の情報を聞きつけると
お店に直行して複数買い占める
状況を見ると、

これはよっぽど
すごいことなのだと思います。


この美味しさを出せるようになるまで
独学で研究を重ね、奈良の
久保本家酒造で修行したりして
10年以上かけて要太郎さんは
この味に辿りついたそうです。

(久保本家酒造では言われていないのに
 頭を丸めて蔵入りし修行されたそうです)

徹底的な職人気質。

決して妥協せず
追求する姿勢と
努力に裏付けられた強い言葉は、
毎回、胸に刺さります。


要さんに今回の募集で
どんな人に来て欲しいですか?と
聞いたところ、返ってきた答えは

生き抜く覚悟がある人。



元広告屋という
自分で何もできない自分からすると
己の生き方自身も問われるような
気がしました。
(要太郎さんは厳しく、優しい方です)



これだけ尖った要太郎さんですが、
実は6年間一緒にどぶろくを
作ってこられた方がいらっしゃいいます。

遠野出身、要さんの
同級生の夏井さんです。


元とび職、朴訥で
がっしりタイプの夏井さん。


ぼくは表に出なくていいんです、と
話されていましたが、
数ヶ月でリタイアする人もいるなか
根気強くどぶろくを
作ってこられたそうです。


要太郎さんが追い求める世界を
形にするために試行錯誤する日々。

この日々変化する"生き物"を
扱うのは本当に難しく
4年目あたりからようやく
慣れてきたとおっしゃっていましたが、

その分、偶然がきっかけで
強い酵母が生まれたりして
その試行錯誤の日々が
おもしろいんです、
とおっしゃっていました。
夏井さんも職人ですね。

また、要太郎さんはどんな人ですか?
と聞くと

うーん…と言いながら

常に先を見ている人ですね

とおっしゃっていました。


先を見る人、つくる人。

同級生という括りを超えた
本当のパートナーになっている
お二人の関係はとても羨ましくも
見えました。




要太郎さんはいいます。

ビールもいいし、ワインもいい。
けれど、この日本の伝統的なお酒である
どぶろくこそ後世に残すべきだし


こんなに開拓されていなくて
可能性のある飲み物はない。



いつの日か
本当に来ると思っているんです。

佐々木要太郎という名前と
 "どぶろく" というお酒が
世界で注目される日が。

このプロジェクトに関わっている
メンバー全員が、そんな日を
本気で目指しています。


ここ岩手の遠野で要太郎さんとともに
どぶろくづくりにチャレンジしたい方、
発酵と徹底的に向きあいたい方、
心より募集しています。

注文に対し生産が追いつかない今、
ひとりの蔵人が入ることが
とても重要な意味を持ちます。






この記事がまだ見ぬ未来の
蔵人の目に止まることを信じて。

よろしくお願いいたします。
※この記事もシェアいただけますと幸いで

Next Commons Lab事務局
富川岳

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Next Commons Lab事務局
info@nextcommonslab.jp

http://nextcommonslab.jp/

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