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DeNA原田明典さんと語る、akippaプロダクトの"のびしろ”

こんにちは。akippa CEOの金谷元気です。
akippaはtoCの駐車場マーケットプレイスを運営しています。
 
今回はゲストとしてakippaの社外取締役をつとめていただいている、DeNA常務執行役員 CSO原田明典さんとの対談記事となります。

DeNA 常務執行役員 CSO 原田明典さん

NTTグループ各社にてB2B、B2Cのネットビジネスに従事した後、株式会社ミクシィのCOOとして様々なソーシャルサービスを手がけ、多数のソーシャルゲーム企業も支援。その後、株式会社ディー・エヌ・エーの執行役員として新規事業とベンチャー投資を担当し、「SHOWROOM」、「Pococha」、「Mirrativ」、「akippa」などの事業立ち上げを支援。2018年よりシリコンバレーに滞在。2020年に日本帰国後、東京ベースのスタートアップの支援を再開。akippaの社外取締役も務める。


金谷
:原田さん、よろしくお願いします!

原田:よろしくお願いします!

金谷:akippaはこれまで営業で駐車場を獲得して、PRマーケティングで駐車場を借りるユーザーを集客してきたところがあります。プロダクトチームでも勿論ユーザーにより多く使ってもらうための開発をしてきましたが、それ以上に"営業が獲得しやすくなるための開発"など社内受託のような形が多くなっていました。ビジネスとしては直線的に伸びるものの非線型には伸びていかない部分があり、プロダクトドリブンな成長をしていこうと社内で必死で取り組んでいます。今改めて原田さんが感じるakippaの課題はどういう部分でしょうか?

原田:課題というよりポテンシャルの話になるかと思いますが、まずシェアリングエコノミーは遊休資産をウェブでマッチングして新しい需要をつくるWeb2.0的な思想で成り立っているものが多いです。ただakippaは人海戦術で伸ばす典型的なWeb1.0の形で成長してきて、競合の中でも最もユーザーに選ばれるところにきている。

これまではシェアリングエコノミーにおける市場の立ち上げで勝ち抜いてきているので、それはそれで良かったと思います。ただ、さらに領域自体のポテンシャルにレバレッジを効かせて大きな成長をしようと思ったら、プラットフォーム型というかWeb2.0的に成長していかなければいけない。本来のインターネットのマッチングモデルの強みであるユーザー参加型のモチベーションを引き出して、エコシステムをつくっていくところに行動を転換していく必要があります。

エンジニアを沢山採用するということ以上に、ソフトウェアやプロダクトを開発することでエンドユーザー側も駐車場提供側も、双方の参加者が活性化するような場をつくっていくという思想にみんながアップデートしていく必要がありますね。

金谷:ありがとうございます。まさにそうですね。

原田:Web1.0のECでは"仕入れ"の概念がありますよね。開拓や仕入れに行って、それを掲載して、売るという考え方。一方でプラットフォーム型(Web2.0)になってくると場の提供だけをして、駐車場提供者が自ら掲載して商売をすることになる。それだけでなくエンドユーザー側の集客もプラットフォーム運営者だけがするのではなく、駐車場提供者が一緒にやっていくようになる。

エンドユーザー側も"この駐車場はakippa社が提供しているのではなく、akippa社が音頭をとってレギュレーションを整えている"ということを理解した上で、かつ使い方によってはお得になったり便利になったりする仕組みもあれば、エンドユーザーも"参加する"という感覚で使ってくれるようになっていきます。

それをあえて説明するというより、駐車場提供者とエンドユーザーの双方がプロダクトを触った時に自然とそう感じるようになることが大切です。それがプロダクトドリブンということです。

金谷;まさにユーザー参加型ですね。うまくいっているのがメルカリさんなどでしょうか?

原田:はい。メルカリは元々フリマアプリのコンセプトなので、どう見ても素人の人が撮ったような写真が載っていて、Web1.0のECサイトとは全然違いますよね。だからこそ出品数がどんどん増える。あとは初期のYoutubeも今とは違い、素人が出すクオリティの低い動画ばかりで「誰もが自由に動画をアップできる場なんだ」と使っているみんなが理解できました。

金谷:akippaはそこが課題ですね。

原田:課題ではなく伸びしろですね。一足飛びの話をすると、Web2.0のエコシステムを構築できれば、その延長線上にトークンエコノミーを持ち込むこともそんなに難しいことではないかもしれない。ただまずはWeb2.0としてのエコシステム・ユーザー参加型のプラットフォームにしっかり変わっていくことが大事ですね。

金谷:ワクワクしますね!プロダクトドリブンでユーザー参加型にしていく中でも、今までの営業などの伸ばし方も残す必要があるとおっしゃられていましたよね?

原田:はい。今までご利用しているエンドユーザーさんや既に掲載している駐車場提供者さんも沢山いる中でがらっと変えるよりは、そこを基盤にしながらその上に新たな領域を乗せていく。すると進化のある拡大になっていきます。

例えばAmazonは、Amazon自身が売っている商品もあれば、ユーザー参加型で個人が売っている商品もあります。でもそのあたりを意識していないエンドユーザーさんも多いですよね。明らかに違うモデルのものが一つのUXに存在しています。ユーザーさんを混乱させずにWeb1.0と2.0を融合させている先輩のサービスを見て、丁寧にアプローチしていく必要があります。

金谷:はい。共存させていきます。

原田:今変わろうとしているタイミングで面白いと思うので、頑張ってくださいね。

金谷:はい、頑張っていきます!本日はありがとうございました。

原田:ありがとうございました。

最後までお読みいただきありがとうございました。
(この記事はPodcast『akippa TechTalk』より抜粋しています)

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