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ロケットの推進剤について知ろう

こんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。
宇宙空間でロケットを飛ばすには燃料と酸素(酸化剤)が必要です。この燃料と酸化剤を合わせて「推進剤」といいます。推進剤は液体タイプと固体タイプの2種類あり、それぞれ特徴があります。特徴がわかるとロケットの見方も少しずつ変わりますよ。さっそくみていきましょう。

ロケット花火のようなパワーの持ち主・固体ロケット
燃やすための燃料と酸化剤を混ぜて筒状にして固めたものです。作りが簡単で扱いやすいですし、コストも抑えられ、長期保存が可能です。つくる側からするととてもありがたいですね。ただ、一度点火するともう誰にも止められません。猛スピードで燃料を消費していくので「ちょっと弱めたいんだけど」「もっとパワーを強くしたいよ」という細かい調整ができません。

つくるのが大変だけれど調整しやすい液体ロケット
液体の水素と液体の酸素をタンクに詰めて、燃焼室というところに送られガスが発生します。固体ロケットより圧倒的に構造が複雑で、その分コストもかかります。しかし細かい調整が可能なので、一度火を消し、再燃焼させることも可能です。

近年のロケットは液体が主流ですが、乗せる荷物によっては固体ロケットを選ぶ場合もあります。どちらの燃料が良い悪いではなく、いいとこ取りスタイルが可能なのがとても面白いところです。日本のH-ⅡAロケットは、メインエンジンは液体燃料でつくり、打ち上げる際のパワーを増強させるために、まわりに小さな固体燃料を取り付けています。

どうしてこんな色なのだろう?
ロケットの色が異なるのは使用している素材や吹き付けられている断熱材の違いによるものです。上写真のH-ⅡAロケットの燃料は液体水素×液体酸素で、液体水素が蒸発するのを防ぐために断熱材を塗布しています。紫外線が当たるとクリーム色→黄色→オレンジと色が濃くなっていきます。(スペースシャトルのオレンジ部分も同じ仕組みです)
ロケットの先端(フェアリング)は、上記とは異なる断熱材が塗られているため、白くなっています。中の燃料によって断熱材も異なりますし、燃料が入っていない部分は軽量化を重視した素材を使用しています。
ロケットによって素材や部品も異なるので、他国・他社のロケットと是非見比べてみてください。丸裸だからこその魅力が詰まっています。


文:まいの(mai-no)星空案内人千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。

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