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宇宙旅行をしよう③月に行こう

こんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。

宇宙旅行をしたらまず行ってみたいのは、地球から一番近い天体「月」でしょうか。地球のまわりを回っている衛星、そして人が唯一到達したことのある天体です。

紙を43回折ると…
地球と月の距離は約38万km、ロケットで4日と6時間ほどです。一週間もかからずに月へ行くことができてしまいます。
月の直径は約3500km。なんと日本の大きさ3000kmとあまり変わらない大きさなので、世界一周旅行より、月一周旅行の方が早く回れるかもしれませんね。
よく「紙を43回折ると月に行くことができる」といいます。数字だけ見るとなんだか近く感じますが、これは理論上のお話。0.1㎜の紙を1回折ると、厚みが0.2㎜に。0.4、0.8…と43回繰り返すと…!というロマン溢れるお話でした。(数学好きの方は是非計算してみてください。)
月には大気がないので、日焼け止めを塗っても耐えきれない程、とても強い紫外線が降り注いできます。

月の海は泳げない!
地球から見ると月には明るい部分と暗い部分があり、特に暗い部分は「海」と呼ばれています。
ドイツの天文学者ケプラーが地球から望遠鏡で観察した際、海に見えたことから「海」や「沼」と呼ばれているだけであり、実際に行っても泳げるような海はありません。
湖、沼といった名前もありますが、もちろん地球にあるような湖ではなく、平らな土地です。
月の明るくボコボコしている部分は「高地」と呼ばれ、隕石がぶつかりポッカリ空いてしまった穴「クレーター」がたくさん残っています。

うさぎの顔部分は「静かの海」といわれています。

色の違いは岩石の性質のちがいによるものです。暗い部分は「玄武岩(げんぶがん)」といいマグマが急速に冷えて固まった岩石、明るい部分は「斜長岩(しゃちょうがん)」マグマがゆっくり冷えて固まった岩石でできています。
月に行けば当たり前にあるこれらの岩石ですが、地球は火山活動や風化等によって地表が変化しているため、特に斜長岩はレア岩石ですよ。

月面花粉症?!
月に行ったら上記のような斜長岩や、月のあらゆる石を持ち帰りたくなるかもしれませんが、注意していただきたい点があります。
月の表面は「レゴリス」といわれるとても小さな砂で覆われているのですが、このレゴリスは、ガラスの破片のようなトゲトゲしている砂で、磁石にもくっつきますし、目や鼻、口の粘膜を刺激することで花粉症のような症状を引き起こす、大変厄介な砂です。肺にも危険が及ぶので、持ち帰る際は取り扱いに要注意です。

竹取物語からとった、美しい名前の探査機
月に行ったら、50年以上前に人類が月面着陸した際の着陸船や探査機が20か所以上残っています。いろんな着陸船をみてみたいですが、日本が打ち上げ、活躍した月探査機を見たい!という方は「かぐや」をオススメします。
「かぐや」は2007年種子島宇宙センターから打ち上げられ、月を周回し月の起源・進化の解明や地形の解析に役立った、月専門家人工衛星です。

月周回衛星「かぐや」 レーザーで月面の地図を作成してくれました

「かぐや」には子衛星という小型の衛星(おうな、おきな)も付いており、月の表側と裏側で重力場にちがいがあることを発見してくれました。
現在は全て運用が終了しており、2009年に月面に制御落下しています。もし月に行ったら、大活躍した彼らを探してあげてください。

かぐや画像クレジット:JAXA


文:まいの(mai-no)星空案内人千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。

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