「さもあればあれ」を note のタイトルにしている。コトバンクによると「既に存する事態を受けてそれを不本意ながら容認する。」の意味。

今日に至る過去を受け入れ、現在の境涯を受け入れ、既に始まっていてこれからも進む老いを受け入れる。私の "ここに襟を正す" 姿勢を端的に表してくれる言葉「さもあらばあれ」。うん、語感もよろしい。

少し前まで私は "老い" から目を背けていた。鏡をあまり見ることはなく、他人(ひと)からどう見えるかなどは考えなかった。仕事を引退して自粛生活に入ったことも、その傾向を助長した。 

少し目を離すと "老い" は勢いづく。細君の指摘や示唆により、最近やっとそんな悪い兆候を自覚するに至った。

加齢がもたらすのは "老い" だけではない。"怪しげ" も急速に進む。 私にとっては、これが一番の大敵だ。

今私は「怪しい人！」と思われないように注意深く生きている。異形を避けていたって普通の見た目。清潔でこざっぱりとした服装。目立つ主張などはしない。表情には薄っすら含羞を浮かべる。知らない女性には決して話し掛けないし、視線も向けない。なかなか大変だ。

本稿タイトルに＜続々＞が付いているように、過去に2回同じテーマで投稿した。もう書くつもりはなかった。しかしここに来て老人のセクハラのニュースが立て続けに聞こえてきて、苦言を呈したくなった訳で‥

そんなニュースを列挙する。句読点など付けず雑に書く。

細田衆院議長(78)が女性記者にお触りしたり「うちに来て」と言ったりした猪瀬直樹(78)参院選候補が選挙演説中に他の女性候補の胸を触った吉川赳衆院議員(40)がパパ活飲酒18歳女性と焼肉店で飲酒しその後ホテルで1時間半過ごし4万円渡した公明党の衆院選候補者だった男(落選)が選挙中にすごく卑猥な動画を投稿した吉野家常務取締役伊藤正明氏(48)が「生娘シャブ漬け戦略」をセミナーで嬉々として語った少し前映画監督や脇役俳優による卑劣なセクハラが明るみになった

これらは全て社会的に地位のある人物による所業だ。「社会的地位があるにもかかわらず～」ではない。「社会的地位があるからやってしまう。」が正しい。彼らはその地位が故に思い上がっている。勘違いしている。間違った選民意識により他人を見下していて、どんな破廉恥も理不尽も許されると思っている。

私の想像です‥  一括りにはできないが概して言うと、彼らは若い時モテなかった。細田さんも猪瀬さんも吉川某もモテなさそうだ。風貌要因もあるが「思いやりが無い」「ユーモアが無い」ことがモテない主原因。（吉川某の国会代表質問。弁舌爽やかにつまらない冗談を挟んで大スベリしていた。）そんな彼らも偉くなるにつれて周囲は従順になり、稀になびく女子も現れる。モテない男子の勘違いはどんどん進行する。

理性とは「真偽、善悪を識別する能力」で、人間と動物を区別するものとされる。それをつかさどるのは大脳皮質の中の前頭葉。この器官は50代から一気に機能低下するという。すると「やりたい！」「言いたい！」の衝動が抑えられなくなる。

78歳の二人のおじいちゃんによる破廉恥行為は、土壌である勘違い体質に前頭葉の機能低下が加わって引き起こされたものと推測する。
メダル齧(かじ)りの河村名古屋市長、失言の多い張本さんや森元総理にも同じ背景があると思われる。これらの方々に進言する。
「お疲れ様でした。そろそろ後進に道をお譲りになってはいかがですか。」

かく言う私にも "前頭葉の不安" が胸の中に立ち込める。変化の無い生活の中にできるだけ変化をつくり、これからは外にも出るようにして前頭葉の機能低下抑制に努める。そして最高のダジャレを思いついてもすぐに口には出さない。「言いたい！」をグッ ! と抑えよう。

「怪しい者ではありません」はこれで最後とする。
今回の執筆動機は "憤り" だけでなく、自分への "戒め" もあった。
私はこれからも、前頭葉の衰えに注意を払いながら慎重に暮らしていく。
「人品骨柄申し分ない」と言われることを目指して‥

＜ 了 ＞

【附記】NHK の「サラメシ」で素人の方が登場する際のプロフィールの項目に、"好きな芸能人" がある。細君と見ていた時の会話。

　細君「お父さん(私のこと)だったら誰って言うの？」
　 私   「うーん‥ 小松菜奈かな～」
　細君「えー－！ 気持ちワル！ そんなん絶対言っちゃダメだからね！」
　 私   「え ?!  何で？」
　細君「若い女優さんの名前がすぐ出るとこが気持ち悪い！」
　　　「高畑淳子とか言っときゃいいんだよ。」
　 私   「でも好きじゃないし‥　黒木瞳は？」
　細君「黒木瞳はギリOKかな。あ、松坂慶子にしたら。」
　　　「‥ってか、男の人にしたらいいじゃん。」
　 私   「そうか～  じゃあディーン藤岡にしとくか～ 」

映画で見て以来小松菜奈さんのファンだったのですが、どうも口外してはいけないようです。「怪しい人！」「気持ちワル！」と言われないように。