Jリーグと術数学 2022

はじめに


術数学とはなんでしょうか。ざっくり説明しますと、こうのようです。

術数学は、自然科学の諸分野と易を中核とする様々な占術とが複合的に絡み合った中国に特有の学問分野である。術数学の学問的起源は、先秦の方術まで遡る。漢代の思想革命において、陰陽五行説が儒家の政治思想に取り込まれていくなかで、方術から天文暦学、鍼灸医学、本草学といった自然科学が自立していくもの。

簡単に言えば「占い」「占術」とほぼ同義です。具体的に言えば、易・風水・占星術・奇門遁甲などの総称とも言われています。

つまり、占いです。いろんな事象や事件を予測してくれます。

背景


我々サポーターは自分が応援するチームの将来を占ってみたいという気持ちはあるはずです。術数学の占い結果に基づき、各チームのシーズン結果を予測できるなら面白そうと考えていました。

むかしはこのような発想がまったくなかった。22年シーズンが始まる頃、片野坂知宏がガンバ大阪の監督を就任し、新監督の下でまともにJ1というカテゴリーで戦えるチームになるかどうかなど、発展途上のチームに不安を抱えてしまった。そこで、自然にシーズンの行方を予測してみたいという強い欲求が高まった。

閑話休題、さっそく本題にいきます。

まずは、術数学において、毎年に厄災が多く降りかかるとされる干支が決められています。2022年には、虎、蛇、猿、猪となっています。もちろん、その年に活躍できそうな干支もいます。2022年には牛、兎、馬、羊、鶏が該当します。それ以外の干支は当たりも、ハズレでもないとします。

しかし、どこから基準にして判断すればいいかというところで、少し困りました。各クラブのトップは社長であり、現場ではフロントが実際に関わっています。また、チームのトップといえば、監督でもあります。

ただ、プロサッカーの世界では、監督さんがチームでの位置づけ、またチーム成績によって、全ての責任を取らされて解任されてしまうケースが多く、判断ターゲットにするなら監督ではないでしょうかと。もちろん、社長やGMにする場合もありえますが、いきなり社長やGM解任はないし、実際にチームの強化や成長に直接に関わっていないので、監督をターゲットに絞ったほうがしっくり来ます。

さて、2022年J1リーグ戦では全日程が終了し、最終順位が確定、優勝及び降格チームが決まりました。(現時点では昇格POはまだ行われていません。)

2022年J1最終順位

ご覧の通り、リーグ優勝は横浜マリノスとなり、清水エスパルス及びジュビロ磐田がJ2降格という結果になりました。

では、早速、順位表の順に、年初に予測した内容を検証してみましょう。

①横浜マリノス
監督:ケヴィン・マスカット 1973/8/7 牛 ◯

検証:
シーズン最初からマリノスさんが強すぎて、昨年からチーム作りも順調だったから、普通に優勝争いに絡むんだろうと考えていました。マスカット監督が◯だったし、今シーズンは優勝ではないかと勝手に予想していました。これは当たりでしょう。ホームで大事な勝ち点3をプレゼントしてもらい、すごく感謝しています。(的中率90%)

②川崎フロンターレ
監督:鬼木達 1974年4月20日 虎 ☓

検証:
この数年間では、フロンターレさんが出来すぎたと思います。今季では主力が軒並み海外移籍し、補強が当たらなければ、タイトルに遠ざかると思った。鬼木監督が厄年だったということで、リーグ優勝はマリノスではないかと。今まで毎年タイトルを取ってきてますから、今季無冠は想定外というか、むしろ予想内だったかもしれない。(的中率80%)

③サンフレッチェ広島
監督:ミヒャエル・スキッベ 1964年8月4日 龍 △

検証:
シーズン最初ははまらなくて引き分けが多かった印象だけど、戦術がハマってから強すぎて止まらない。天皇杯とルヴァンカップ、両方決勝進出に実現し、ルヴァンカップ初優勝をもたらしたスキッべ監督が△にしていたのは、間違いだったが、彼にとって今年はハズレではないというのも確信しました。(的中率50%)

④鹿島アントラーズ
監督:レネ・ヴァイラー 1973年9月13日 牛 ◯

後任監督:岩政 大樹 1982年1月30日 犬 △

検証:
上田綺世がいたら…というタラレバもありますが、ヴァイラー監督にしては上田綺世が移籍するまで、アントラーズは結構好調だった。上田綺世頼みの部分もありますが、当初はヴァイラー監督なら優勝争いできると確信していた。まさかの交代劇で、流れが完全にぶっ切れた印象だった。後任が岩政なら悪手ではないかと思ったけど、その通りでした。(的中率50%)

⑤セレッソ大阪
監督:小菊昭雄 1975年7月7日 兎 ◯

検証:
ダービーではほぼ無敵な存在で、今シーズンもやられっぱなし。今季初戦から危惧していました。今年は開花するかと思ったし、ルヴァンカップも優勝まであと一歩でした。脚サポにとってはほんとに厄介な存在です。いろんな意味で当たりです。(的中率90%)

⑥FC東京
監督:アルベル・プッチ・オルトネダ 1968年4月15日 猿 ☓

検証:
アルベル監督は新潟にいたときは大失速して昇格を逃しました。今シーズンは苦労するだろうと予測していた。最初は中位以下になりそうと思ったけど、チームは6位の大健闘。今季の戦力は充実してますし、フロントの立場では優勝争いに絡みたいところだったかもしれないが、この成績なら納得しかないでしょう。アルベル監督の続投も決まっています。(的中率20%)

⑦柏レイソル
監督:ネルシーニョ 1950年7月22日 虎 ☓

検証:
昨年のネルシーニョ監督は残留争いに苦しんでいましたし、オフシーズンでも積極的な補強がなかったから、勝手に今季も残留争いと予測していました。シーズン後半はあんまり勝ってなかったらしいけど、シーズン前半はブラジル助っ人が凄まじく活躍してくれたおかげで、上位に進出してました。結果に予測がハズレになったけれども、この順位結果を受けて腑に落ちます。(的中率20%)

⑧名古屋グランパス
監督:長谷川 健太 1965年9月25日 蛇 ☓

検証:
監督の電撃移籍はレアケースだけど、まさかの長谷川健太だった。厄年だったということで、良いシーズンにならないと予測していました。ストライカーが欠場し、戦術も定まらずにしても、中位に終わるケンタさん、さすがとしかいえない。(的中率80%)

⑨浦和レッズ
監督:リカルド・ロドリゲス 1974年4月3日 虎 ☓

検証:
昨年は出来すぎたと思います。就任一年目で天皇杯優勝はなかなかできない。今季ACL決勝に進出したものの、設定目標に届かずという理由で解任されてしまったから、プロの世界は厳しい。占った通り、リカルド監督は厄年だった。最初から行けると思ったけれども、終わってしまえば、なるほど、そういうことだったかと思い知りました。(的中率90%)

⑩北海道コンサドーレ札幌
監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ 1957年10月18日 鶏 ◯

検証:
札幌はミシャがいる限り、J1でも戦えると考えています。優勝争いを絡む戦力はないものの、チーム戦術が熟成しており、さすがに降格候補にはならないと最初から予測していた。なかなか勝てなくて引き分け地獄もあったけれども、怪我人復帰で一気に勝ち始めましたし、最終節も残留争い相手を叩き潰してくれたから、めちゃくちゃ感謝しています。(的中率80%)

⑪サガン鳥栖 
監督:川井健太 1981年6月7日 鶏 ◯

検証:
今シーズンのびっくり枠なら鳥栖でしょう。みなさんもオフシーズンに鳥栖を降格候補にしたんでしょうか。殆どの主力が引き抜かれてしまい、戦力的に残留争いもきついんだろうと勝手に予測した僕もいましたが、予測結果によれば、川井監督は今季、めちゃ活躍してくれそうだということで、蓋を開けてみたら、めちゃ当たりだった。ほんとに占いもハマったら恐ろしいものです。(的中率80%)

⑫湘南ベルマーレ 
監督:山口 智 1978年4月17日 馬 ◯

検証:
昨年からコーチから監督に昇格し、土壇場でも無事に残留を勝ち取りました。今季も相変わらずにチーム作りがうまく進んおり、町野修斗も大爆発。戦力的に上位進出は難しいかもしれないが、堅実なチーム作りができており、ガンバOBにしては、いちばん有望ではないでしょうか。G大阪が20年リーグ戦に2位達成するも山口監督のおかげだったんでしょう。(的中率80%)

⑬ヴィッセル神戸 
監督:三浦淳寛 1974年7月24日 虎 ☓

後任監督:ロティーナ 1957年6月18日 鶏 ◯

後任監督:吉田 孝行 1977年3月14日 蛇 ☓

検証:
シーズン前半の出来だったら、神戸は普通に降格枠の一つを埋めてくれる存在だった。最初から厄年だった三浦監督を信頼していませんが、重なる監督交代劇で、やっと吉田監督に落ち着いた。吉田監督にしては、厄年だったのに、うまく残留に導いたと思います。吉田監督に関しては予測が外れたと思います。一方、ロティーナ監督は解任されたものの、残留争いのプレッシャーから解放されたから、それはそれで良いんじゃないかと。(的中率50%)

⑭アビスパ福岡 
監督:長谷部茂利 1971年4月23日 猪 ☓

検証:
長谷部福岡もぎりぎりまでJ1に残りました。今シーズンは間違いなくいろいろキツかったんでしょう。厄年だったから、残留争いに巻き込まれると考えていましたが、無事に残留ができて、それも長谷部監督の手腕だと思います。(的中率60%)

⑮ガンバ大阪 
監督:片野坂知宏 1971年4月18日 猪 ☓

後任監督:松田浩 1960年9月2日 鼠 △

検証:
社長は片野坂監督と最後まで心中するつもりですが、残留争いは最終節までもつれこみ、ぎりぎりのところで松田監督に救われてしまった結果となった。最初、片野坂監督の生年月日を調べたとき、めちゃ厄年なんじゃないかと、びっくりした記憶があります。ネガティブ思考なら、昨シーズンに降格したチーム監督を採用しちゃ駄目でしょうというけど、それはそれで筋が通るかもしれない。そこで、厄年ではない松田監督に助けてもらう形になり、最後の最後で奇跡的に残留を決めた。これはクラブの運命だったかもしれない。これに尽きます。(的中率90%)

⑯京都サンガF.C. 
監督:曺貴裁 1969年1月16日 猿 ☓

検証:
最初の予測では、きついはずだと、リーグ戦も最終的に16位に終わり、結果的には予測通りかもしれないが、まだJ1残留が決まってないので、最終判断はまだできない。週末のプレーオフに熊本に負けたらほんとの地獄…

ちなみに、ロアッソ熊本の大木武監督は1961年生まれで、牛年です。バリバリ活躍してくれそうな一年ですので、少しプレーオフに期待していいかもしれない…笑 (的中率80%)

⑰清水エスパルス 
監督:平岡宏章 1969年9月2日 鶏 ◯

後任監督:ゼ リカルド 1971年3月13日 猪 ☓

検証:
清水エスパルスのような戦力で降格なんて思っていなかった。平岡監督は実力不足かもしれないが、リカルド監督は厄年だから、この監督交代は完全に
悪手だったと、着任後に予測していた。

見事に的中だけど、すごく複雑な気持ちだった。(的中率90%)

⑱ジュビロ磐田 
監督:伊藤彰 1972年9月19日 鼠 △

後任監督:渋谷 洋樹 1966年11月30日 馬 ◯

検証:
伊藤監督も渋谷監督も厄年ではないのに、なぜチームは降格してしまったか。オフシーズンのときも落ちると予想していなかった。まあ、伊藤監督が退任後、すぐ仙台の監督に就任したから、実力派で間違いないけど、結果がついてこなかったんですかね。結果だけみたら、予測は外れた。(的中率10%)

まとめ

全体的に的中率が高い気がします。清水の件もあって、たまたまでしょうけど、全体からみて、だいたい当たってますので、来季もやってみたい気持ちが高まってきました。

ただ、監督だけ絞って判断するのは、ちょっと説得力ないというか、選手にも合わせて判断するのも、可能性としてはありですけど、作業量が莫大すぎますので、無理です(笑)。今後の課題として残ります。

それと、◯か☓における判断基準については、人それぞれですから、なんともいえない。アルベル監督の場合は、まさにそれなんです。今シーズンのFC東京は6位で、順位的には合格点を与えるかもしれないが、本人は就任1年目で優勝争いするつもりだったら、今シーズンは思い通りにならなかったんでしょうね。だから、観点や立場が変わりますと、判断基準もぶれてしまいますので、そこは、やはり基準を決めておかないといけないと実感した。

あと、厄年だからといって、実は本人が上昇気流だったと、予測が外れてしまうこともあります。当たり前のように的中率が落ちます。例えば、甲府を率いる吉田達磨監督なんですが、1974年6月9日生まれで、寅年なんです。今年は厄年だけど、天皇杯を優勝しました。最初から鹿島か広島を天皇杯の優勝候補にしたけれども、見事に外れましたね。こういったケースもありますし、なおさら、こういった予測はシーズンオフのネタとしてちょうどいいんじゃないかと思います。


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