「想像力の無い奴はしね」という裏テーマに心から満足出来た2020年(今年の振り返り)
死ねという言葉は人を傷つけるので、こうした場で題名にするのもなんだか嫌だけれど、2020において自分にとって最高の言葉だったのでひら仮名というオブラートに包みつつ、2021も引き続き裏テーマになりそうな気がしている。
「想像力の無い奴は死ね」という言葉の出自は蜷川実花さんの映画「ダイナー」での主人公の台詞。原作にはない台詞らしく映画オリジナルとの事で、蜷川節を受け継いでるなぁとつくづく実感した。
映画の話はともかく、作中の台詞が頭に残る事があまりない自分からすると結構インパクトの大きい言葉だったらしい。日常の中で自然と頭に浮かんでは、どこかで聞いた言葉だと思って調べたら、ああそうだ、ダイナーだ、と思い出す事を繰り返した昨年末。
アート作品との対話が上手く出来ない時や、お客様の気持ちを察せなかった時、不測の事態を未然に察知出来なかった時、細部への拘りを怠った時、千載一遇のチャンスを逃した時、とにかくあらゆる場面でこの言葉が思い浮かんだ一年で、いつの間にか今年のスローガンみたいになっていた。とは言え、他人に使うような言葉でもないので裏テーマとして常に頭の中だけで反芻している。
特にコロナ禍においてこの言葉の価値を感じたのは、研究室の仲間や塾生との対話を繰り返す中で出てきた様々な答えが実際に殆ど形になってきた事が大きい。
事実と客観と主観と織り交ぜながら、フルに想像力を働かせる事が出来ている人達の中で生まれる答えは核心に近いものが多かった。同時に、自分ひとりだけで考え続けた事に関しては「想像力の無い奴(自分)は死ね」と後から思う事が滅茶苦茶に多かった。
自分に対して死ねと思う事ってきっと精神面でも良くないんだろうなと思いつつ、常に未来に繋がる言葉でもあるなと思っている。想像力の乏しかった自分を殺して、新しい事を学んだ自分がまた生まれるようなイメージだ。
2020の表のテーマは恩師の落合先生の言葉で、
「ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を考え続けろ」
だったけれど、自分が求める価値観とガチっとはまるこれ以上の言葉は2021も無さそうだなと思いつつ、裏テーマの「想像力の無い奴は死ね」も今後も反芻し続けるだろうと思う。
2020は仕事を続けて来て一番嬉しい出来事が起きた年になった。
お客様や仲間からの反応でぐっと涙しそうな時は今までもあったけれど、自分だけの目標を達成して涙したのは仕事上初めての経験だった。
そしてその目標を達成出来たのは忍耐も大きかったなと思いつつ、やはり「想像力の無い奴は死ね」これに尽きると思う。毎年機会を棒に振ってきた2017~2020くらいの自分を漸く殺す事が出来た瞬間は感慨深かった。同時にこの言葉を反芻するのがもっと早ければ違う未来があったとも思う。(違う未来とか心底どうでもいいけど)
これからも常に想像力の無い自分を殺しながら、それでも想像力の無い相手には常に寄り添いつつ、自他と対話しながら、この言葉を反芻していきたい。
どんな時であってもダイナーの映画のように他人に使ってはダメ、絶対。な言葉である事は肝に銘じつつ。
どうでもいいけど、自分へのご褒美ってお酒とか食事とかになりがちなのは絶対唯の刷り込みだろと思いつつ、自分へのご褒美は最高の学びが得られる良書とかが良いと思って探している。でもやっぱり美味しいお酒と食事も欠かせないと思うようになったのは何歳からで、何時代の頃からだろうか?氷河期?
こうした小さい疑問にも答えを出せない想像力の無い奴(自分)は死ねと思いながら2021年も過ごしていくんだろうと考えている。
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