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データドリブンな生活習慣の最適化

 生活習慣の調整は勿論、アニマルスピリッツだけでは超えられない体調不良やモチベーションの変化を維持するために工夫をし続けた社会人生活ですが、改めて生活は実験の繰り返し(ABテストの連続感)でもあり、漸く最適解が出つつあるなと感じています。そんな矢先、先日の佐藤航陽さんのコメントが非常に共感できたのでメモ。

毎日の「気分」を5段階で評価して「出来事」を記録した2年分のデータを分析した結果、自分の気分に最も大きな影響を及ぼしてたのは「天気(気圧)」と「睡眠時間」だった。データ見て人生をゴリゴリ改善するの割と楽しい。 

佐藤航陽さん

 世の中にある様々な習慣、行動を自分に最適化させるのは意外と時間がかかるもので、かつそれがうまくいっているのかどうかのデータを取れるのは自分だけです。100%コントロールできることは稀でも、ちょっとした胃の不快感とか脳の回転の悪さとか、そうしたことの原因が特定できるようになってきて、10年近く色々工夫してきて良かったなと感じます。

 どんなに素晴らしい体験をしていても、体調が悪かったり怪我をしていたりするだけで何も感じられなくなることがあります。一般論的な健康の保ち方はある程度言語化及び体系化された時代になりましたが、自分に合う生活習慣を徹底できている人は意外と少ないように思います。

 同時に、生活習慣というと食事や睡眠、運動の話で終始しがちですが、気圧や天気、またはその時の人間関係、睡眠の質といった定量化しにくいものも要素としては含まれてきます。確率論における「マルコフ連鎖」のように、すべての状態が前の状態に依存していて、状態の最適化を導き出すことに時間を割くのは有意義に感じます。「なぜ今機嫌が悪いのか?」「なぜ風邪を引いたのか?」「なぜ今日は仕事でミスが多いのか?」といったことにすぐ原因を導き出せるイメージです。前述の通り要素は複雑なのであくまで仮説になりますが、この習慣がないと単純な理由を原因にしがちな気がします。

 アロエを塗っておけば治ると本気で思われていた時代があるように、コンタクトレンズを50年付け続けたらどうなるかは臨床的にはまだ分からないように、不確定な要素や古い知識や調べたこともない教えに従っていると最適解を得られない世界線に生きているので、くれぐれも気をつけたいものです。ストレス量の適正も人によるし、健康を意識するあまりストレス過多で病気になる人も少なくないという皮肉もありながら、それを一度把握しておけるとその後は非常にコントロール可能なものになります。

 以前「自分の人生を生きていない奴との酒は不味い」と割と過激な言葉が頭をよぎったことがありますが、それは人次第というよりも、タイミング次第ということもあって、ストレス発散や依存習慣で飲むお酒が健康を害していくことで自分の人生を生きられなくなる人もいて悲しく感じたからです。

 いずれにせよ、年齢を重ねると共に見える世界や感じるものが明らかに先鋭化され、自分なりの文脈で自分の人生を生きています。同時にタイミングと状態、その二つが合致した時のみ「最適な生活」が可能となります。このような状態最適化を踏まえ、年齢を重ねるごとに自己の状態空間をより高次元で複合的に理解し、自分なりの文脈で生活を最適化していく。そこに至るためには、かつては若さの力で凌いでいた問題を、今や理性とテクノロジーで解決する成熟した大人である必要があります。

 人間関係はコントロールが難しいので、これによるストレス対処は認知再構成の繰り返しが必要で、悪影響の多くは幼少期の経験に依るところが大きいと知ってからは、尚のこと子育てをできる人格形成と環境整備にはもう少し時間を割きたい。


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