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#003 「行動観察」入門

こんばんわ〜、ゆずです!
随分と日にちが空きましたが、ここからということで!

ゲームニクス理論の探究にあたって、UXデザインや行動デザインという興味分野が広がっているので、関連する書籍を読みあさっています。
今回は、ユーザーエクスペリエンスをデザインする上でも欠かせない行動観察についての忘備録です。読んだのはこちら、

「ビジネルマンのための『行動観察』入門」 著・松波晴人さん

現場の生産性を上げるためにどうしたらいい?
売上を上げるために店舗運営はどうしたらいい?
といった課題の解決策を導くために行動観察という手法を提唱しています。

「じゃ〜、現場のにいる社員や顧客を観察すればいいんでしょ」
「データをとって分析して解決策を考えるんでしょ」
と半ば半信半疑で思っていたのですが、読んでみるとより深い意味での行動観察の目的が書かれていました。


行動観察の目的は、仮説を生み出すこと

本書に多様な具体例が書かれているので参考にして欲しいのですが、例えば働き方改革の一環で業務の効率化が課題となっている社員数1000名規模の企業Aがいるとします。改善を図るための調査として、全社員に対してアンケートや口頭質問などを行うという思考が一般的かと思うのですが、

行動観察となれば、1000名のうち数名に絞り1日中の行動を具に観察するということになります。観察対象とする人数が圧倒的に少ないのです。これだと正確なデータが取れるのか?と疑問に思うのですが、そもそも正確なデータを取ることが目的ではないのです。「仮説を生み出すこと」が真の目的なのです。

というのも、1000名の社員の1人1人を見れば、その会社で働くにあたってそのような役割を担っているのか?そこにはどのような背景があり、思いがあるのか?など、そこには無数のストーリーがあり、生々しい日常の実態があり、人それぞれです。

課題解決のイノベーションを起こすためには、数を束ねる表面的な調査ではなく、フィールドの実態はどのようなものか?本当の課題は何か?本質は何か?ということを捉えて、良い仮説を生み出すことが重要なのではないか、と。

そして、良い仮説を生み出すためには、たとえ観察対象者が10人足らずでも、それぞれの行動やおもいを深く理解し捉えることができた方が、対象者だけを増やした調査よりもよいのではないかというのです。

時代や流行の移り変わりが激しいビジネスの世界では、PDCAサイクルをいかにはやく回していけるかということの重要性も大きく叫ばれる近年。この手法は他分野で応用が可能であり、比較的取り入れるハードルも低いのではないかと思いました。

言うは易し、行うは難し。
学びはまだまだつづく。