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【読書レビュー】 EQこころの知能指数

#EQ心の知能指数
#ダニエルゴールドマン

EQとは、本書によると
いわゆるIQとは別の頭の良さをあらわすもので、
1、自分の本当の気持ちを自覚し尊重して心から納得できる決断を下す能力
2、衝動を自制し、不安や怒りのようなストレスの元になる感情を制御する能力
3、目標の追求に挫折したときでも楽観を捨てず、自分自身を励ます能力
4、他人の気持ちを感じ取る共感能力
5、集団の中で調和を保ち、協力し合う社会的能力

ヨガの世界では、目鼻口耳触覚という五つの運動器官に
感情という手綱が繋がれていて
理性という運転手がその手綱を握って制御している
という風に例えられます

EQとは、この手綱捌きの能力のことだといえるでしょう。

日本人は西洋人、もしくは他のアジア人と比べても
感情表現の大人しい民族です。
それがいいとか悪いとかではなく、そうです。
わりと西洋かぶれしたわたしですら、
やはり彼らに比べると格段に大人しいです。

海外で暮らしていたときに、
現地の人といっしょに働いたり
親密な関係になったときに
いえ、買い物やレストランですら
こちらがどう思うか、
今なにを感じているか
考えているかを
いちいちいちいち尋ねてこられるので
めんどくせーな
と思ったのを覚えています。

英会話業界でよく話題にもなりますが、
英語のスキル以前に
転勤や留学で海外に出た日本人が戸惑うのが
今、この瞬間自分がなにを感じているか
考えているかをこれまでキャッチしてこなかったので
答えに困ったというものです。

ずっと以前から
わたしは特にネガティブな感情
怒りとか悲しみ、嫌だ、しんどい
という感情をその瞬間に感じ取ることが苦手だということは
自覚していました
しばらーく後になってからでないと自覚できないのです
まるで口に入れたときはさほどでもなかったけど
だんだん辛くなってくる食べ物みたいな感じです
しかし、相手からすれば
後から言われてもという話です
それもわかっているので、
けっきょく誰にも言わず
不満をためるだけためて
ある日臨界点を超えて爆発させてしまいます。
これ、本当によくないです。。。

そのネガティブな感情を相手に伝えるかどうかはともかくとして、
自分自身がそれは嫌だったとか、
腹が立ったとかは知っておくべきです。
それをうわさ話のように他人に話すのはまた別の弊害がありますが、
それを言語化して日記などに書いたりして表現するのはとても大切です。
そうでないと、心がやがては疲弊し爆発してしまいます。

鬱などの心身症の人たちの最大の特徴は、失感情だと学んだことがあります。
しかし、本書によると、これはなにも感じないのではなくて、
自分の感情をはっきりと把握して言葉で表現できないことから
感じていないように他人からも自分自身も思ってしまっている状態のことなのだそうです。
なので、私たちが心の健康を維持するためにも
あるいは健全な人間関係を維持する上でも
常日頃から現在進行中の自分の心の状態を認識しておくのは
とても大事なのだということがわかりました。

さて、腹が立つとか嫌だとか悲しいという感情には
もう一つ下の層があるといいます。
本書の終わりの方で、
学校の先生がケンカをしていたふたりの少年の気持ちを
丁寧に聞き取っている場面で、
まだ自分の気持ちをうまく話せない年齢の子どもの気持ちを
一つ一つ聞き取ったり代弁してあげたりして
たんに「嫌だったんだね」で終わらさずに
「こういう風に感じたから嫌だったんだね」と
どちらかに偏ることなく聞いてあげて、
聞いてもらった子どもたちが落ち着くという場面がありました。

あんなに丁寧に私の気持ちを聞いてもらったことが
自分の子ども時代にあったかな?
私は8歳の時から母子家庭で育ったせいか
いつも私たちのために忙しく、
疲れている母の顔色を窺いながら育ちました。
母を安心させられる適度に自分のポジティブな面
(友達と楽しくやっていることなど)だけ話して、
母の負担になりそうなことは話さない子どもでした。
でもそれは、私が自らそうしたくてしていたのであって、
私がどうしても嫌だと言ったこと(修学旅行に行きたくないとか) は
母は問い詰めたりせずに私の希望を叶えてくれていました。
本当はもう少し母に弱音を吐いてもよかったのかもしれません。

さて、私はもう52歳のいい大人です笑
なんなら孫がいる同級生だっている歳です。
自分の気持ちは自分で丁寧に聞いてやろうじゃありませんか。
「自分の本当の気持ちを自覚し尊重して
心から納得できる決断を下す」ことこそ
大人が幸せに生きる術なのだから。


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