どうしてDNGがVCT PLに選ばれたのか

 来年のVCTの細かいシステム、チーム選考基準についてはこちらの記事が詳しいので是非お読みになられることをおすすめします。


 さて、ではなぜZETAはまだしもDNGが選ばれたのだろうか?という疑問を持つ人が多いと思いますが、その前に、自分の好きなチームが選ばれなかった人間がlol部門の有無だなんだあることないことを言ってDNGをDisっているツイートが非常に多い。これはあまりにも良くないですね。はっきり言いますが最低な行為です。     

 今回の選考についてはどこも批判される謂れはありませんが、選考基準が納得できないならクエスチョンを向けるべきなのはRiotですし、選ばれなかったチームには何か必ず理由があります。今回の件でDNGが批判される謂れは一切無いと言い切れます。恥ずかしいので今すぐにやめた方が良いですよ。本当に。

 というわけで、本題に入ります。DNGがなぜ選出されたのかを、これから3つの要素を挙げ考察していきたいと思います。

1:圧倒的な実績 信頼

 DetonatioN Gamingは日本のプロチームの中でも非常に歴史が長く、10年ほどトップレベルで運営をし続けています。日本で最初にフルタイムのプロ活動を行なったのもこのチームであり、まさにesportsのパイオニアとも言えるチームです。
 DNGは長期に渡る活動の中、さまざまな実績を残していますが、その中でも一際目立つのがやはりLeague of LegendsにおけるDFM(DetonatioN FocusMe)のWCS2021のグループステージ進出でしょう。
 ぶっちゃけると、lolesportsというのは他のタイトルと比べて規模も歴史も別格です。世界一のesportsタイトルの座にずっと君臨し続けているのがlolなんです。ですから、それ相応にコンペティションのレベルも高いです。日本に元々枠が与えられているVCTとはそもそも国際戦で目立った結果を残す難易度が天と地ほども違います。詳細は省きますが、日本のlolというのはプレイヤー人口が非常に少なく、マイナー中のマイナーリージョンであり、そもそもメジャーリージョンと試合をさせて貰うというところにすら到底手が届かないというレベルでした。国際戦に出るたびに国外にはバカにされ、ボロ負けし、国内ではあり得ないレベルの誹謗中傷を受けていました。しかし、大きな差があったメジャーリージョンとの差を年々少しずつ埋めていき、メジャーのC9に勝利する事でWCSグループステージに駒を進めた(メジャーリージョンと対等に争える舞台に立った)のです。
 ここで、この一連のプロセスの偉大さを誰よりも理解しているのはどこでしょうか。答えは一つしかない。

 そう、Riotなんですね。

 よってDNGがRiotに信頼されているのも当たり前の話というわけなんです。なおかつ、長期的なリーグ運営を理想とし、将来性に重きを置いた選考をしたRiotからしたら、ピンズドで実績が噛み合っているんですね。


2:母体、スポンサーの強さ

 これはtwitterでも度々言及されていましたが、DNGはスポンサーに大企業が多くついており、なによりも母体が上場企業のgamewithです。赤字、債務超過のレポートも出ていましたが、GWが安定した経営が出来ているので全く問題はないと思われます。「スポンサーの多さ、大きさ=チームの規模」では全くないと思いますが、大口スポンサーが数多くついているというのは、長期的なビジネスにおける信頼度の指標にはなるのではないでしょうか。
 
 これはスポンサーにまつわる話ですが、edionとesportsの橋渡しをしたのはDNGです。「DNGはvalorantにおいて何の実績も出してない」みたいなツイートを見かけたのですが、国内初のオフラインのvalorantの大型大会は、「edion cup」です。ちなみにDNGは準優勝でした。


3:開催地における圧倒的な知名度


 このnoteで1番言いたかったのはここです。上記2つを見ても、売り上げや人気、規模ならCR、母体の強さならFAVがいるじゃないかと思うかもしれません。しかし、DNGは海外での知名度においてあまりにも圧倒的すぎます。
 要素1とも繋がってきますが、VCT PLの開催地は韓国、ソウルです。もちろんこれはオフラインですし、日本より何十、何百倍もesportsが浸透している韓国に一気にvalorantを根付かせようとしているのは明白です。韓国のバカデカesports市場にvalorantが根付いたときのリターンは計り知れないですからね。日本とは比べ物にならないです。
 韓国というのはlolの聖地です。lolが義務教育と言われるくらい根付いています。ここで繋がってくるのがDFMのドラマ。lolesportsにおいて世界的知名度を得て、世界中に応援されたDFMはもちろん聖地韓国でも話題になり、現地キャスターにEvi選手が気に入られたり、DFMでの活躍で有名になったKR選手がLCKに逆輸入されたりと、相当な反響がありました。よってDNGというのは韓国での知名度が桁違いなんです。韓国のvalorantファンたちはラインナップを見て、「あ、あのDFMのチームか!」となるわけですね。同じく今回選出されたTalonというチームも、lolで有名です。多分同じような理由でしょうね。
 対してCRなど、世界的タイトルでの実績よりも国内で人気のesportsのプロモーションをメインにしているチームというのは、海外での知名度があまりありません。というか、ほとんどないと思われます。
 

 


まとめ

 上記3点を加味すると、Riotの望む興行において、DNGが適していたというのが少しでも納得はできないでしょうか。
 Riotは既存の体制を破壊し、新たなチャプターを始めるつもりです。これが良いのか悪いのかは始まってみないとわかりません。ただ、DNGには資金、チーム運営のノウハウ、そして保証された知名度があります。これが新たなスタートを切る際に大きなアドバンテージとなるのは必然です。
 しかし、選ばれなかったチームを推していたファンたちは、再編を強いられることで苦しい思いをしていると思います。ですが、これはRiotの長期的なビジネスなのです。彼らも念を押しているように、強いだけでは選ばれない。Opticは経営失敗の過去があり(そもそも解体が早いうちにリークされていた)、FPXは本拠地が中国なので別リージョンでの参加が困難であるなど(GenG、T1も韓国に戻った)、選ばれなかったチームにはそれ相応に考えられる理由があります。
 行き場のない怒りが込み上げるのは分かりますが、それをどこかに無理やりぶつけるのはやめましょう。
 そして、彼らがまた這い上がってPLの舞台に進めるように、応援するしかないのです。
 選ばれたZETAとDNGが背負うプレッシャーも相当なものです。特にDNGにはアンチが付いてしまうと思います。しかし、彼らが国の代表として来年暴れてくれるのが楽しみですし、そもそも両チームどんなロスターになるのかも無限の可能性を秘めています。
 私は楽しみで仕方ないです。

 



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