主役は脇役が作る

『主役は脇役が作る』

漫画家、小池一夫さんの言葉です。

高橋留美子さんや、堀井雄二さんなど、漫画家にとどまらず多くの著名な門下生を生み出した小池一夫さん。

小池一夫さんが教えていたのは、物語だけではなく人生を創作する方法だったのかも知れません。

さて、主役は脇役が作るという言葉の重さをどれだけのシンガーが意識しているのかなぁと私は感じています。

歌っている人を主役と考えた場合、脇役は誰を指すと思いますか?

聴いてくれるお客さま?

運営してくれる会場のスタッフ?

イベントの主催者?

バンドのメンバー?

間違いでは無いです。

でも私の考え方は違います。

脇役も自分です。

歌を主役と考えた場合、なぜこの歌を歌おうと思ったのか。そういった導入部分、つまりサイドストーリーが脇役になる訳です。

歌う前の心境だったり、歌ったあとの感想だったり、そういったものが加味されて主役であるその歌に感情移入できます。少なくとも出来やすくなります。

つまり、主役を有名にするのは、歌本編ではなくサイドストーリーである場合が多いのです。

簡単な例を出すと、岩口和暖で2400万回再生でバスらせて頂いているあの動画。

わざと本編(歌っているシーン)からではなく、男子生徒の司会進行から、もじもじした入場を含めてアップしています。

そのサイドストーリーを見て、視聴者は主役の人格を把握します。

「え?この子が?」「そんなわけない」

その前フリが、その後の歌唱を更に良いもの(興味深いもの)へと押し上げているので、視聴時間が長くなって、再生回数がいまも伸びている、という訳です。

歌を聴かせようと思うなら、まずは自分の人格を紹介して下さい。

Twitterなどでは歌とは関係ない日常を頻繁に更新するシンガーの方が、フォロアー数は増えやすい傾向にあります。

民衆が求めているのは、歌の前に、一人の人間、あなた自身の素顔です。

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