わかってる、わかってる
そんなに都合良くあるはずない
今も思い出すから
消えたことにならない
　
不謹慎なグラス一杯と半分で
薄めるしかなくて
　
さりとて
涙は溜まっていく
　
まだそんなものか
　
なだらかに、なだらかに
打ち明けず　
偽らず退かず
見つめてきた、気がする、はずなのに
足るを知るために
　　
遠くぽっかりと教えられたことも
一年に一回ずつの虚勢も
早く薄くなってくれたら
それでいい　
力尽きるための重力でいい
　
免罪符を　
離さずに
やり過ごす　
目蓋の裏側
わかったふり
見逃して
汚れた空気を吸い込む、　
夢に泥むために
　
大きな声は出さずに済めばいい
ばれないように
緩く、滑らかに、
明るみ　
消させて
湿気た眠り貪るの
やがて　
　
うすつぺらくてちぎれては
かことよせあつめ
ふってはちる
もうはがれようがないひとつ
溶けない