2022年5月3日(火) 宮崎旅日記、どこにいってもいつも本屋さんにいる。

朝起きて、冷や汁。酔っ払った次の日には丁度いい。昼は特にやることもないので散歩がてらツタヤの本屋を軽く見まわった後、いつものようにスタバでコーヒー。宮崎の女の子はみんなかわいいが、スタバにいる子はその中でも一際抜けている。金沢にいても男はカッコいいが、女子はうーんと思うばかりで、宮崎は逆の印象。男はどこか垢抜けない、ヤンキーっぽい雰囲気。

スタバでは、伊藤計劃の「ハーモニー」を読み終える。10年ぶりに再読。

医療をやっていてはじめて気づいたのだが、この小説で描かれるディストピア世界ってまさに現在進行系で起こっているウェアラブル、PHRや医療AIの進化の先にあるんだ。

あとがきで、彼が「医療」について誰よりも向き合ってきた人であることを知る。計劃は一般にそう認知されるように、突然死んだのではなく、常に自己の身体と向き合ってきたのだ。だから「ハーモニー」は生まれたのかと。

人類がどんどんヘルスケア意識が高まってって、人体がネットワークに接続して、自己の身体モニタリングされて、勝手に病気を治していく世界とかってまさにApple Watchをみんながつけて、それを医療機器化してくって流れの先にあるものだろうし。ハーモニーに出てくる「WatchMe」とシステムがまた「Apple Watch」と名前が一致しているのもまた皮肉な偶然。


以前読んだときは医療無関係のときだから単なるディストピア小説として楽しく読んだ記憶しかないけど、あらためてこの領域に関わっている自身として、いま読めてめちゃくちゃよかった。同時に自分のやっていることの延長線上にありうる未来に怖さを感じる。

さて、ランチスポットはGWもあいまって、どこも行列。特にチキン南蛮で有名なおぐらは、30組は待っていただろうか。観光の人たちはスケジュールがあるだろうに、ここに1時間以上待ちということは許容できるのだろうか。街中をぐるぐると周り、「いろり」さんでミックスフライ。うまい。

食後は、気になっていたポロポロ書店に行く。若草通りからはいる細路地の、更に細長い店に本棚が一列だけあるような小さな古書店。少し棚を見ると、おもしろそうな本だらけ。これはと思いリュックを椅子に下ろし、本棚遊び。パリッコさんの本が揃っていたり、めちゃくちゃ楽しい。

一棚一棚じっくり見させてもらった所、柿内さんの「プルーストを読む生活」で引用されいて読みたかったけれど紙版が見つからなかった「すこし低い孤高」紙本を見つけてテンション上がる!こちらを購入してお店の人と雑談。店主はGWのあいだブックオフ20%オフなので、鹿児島まで遠征です、と言っていて笑う。オリジナルのフリーペーパーもいただいて、またスタバで楽しく読む。

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まりなが来る時間が近づいてきたので、合流地点の南宮崎へ。またしてもスタバに行き、真犯人フラグを見ながら時間をつぶす。まりなが南宮崎へやってきて、「宮崎最高だよー、住みたい!」と開口一番伝える。

今夜の宿の長日川温泉から近い田野駅に向かう。二両編成の電車で、入り口がひとつしかあかず、まりなが地元の藤川でも2つ開くわ、といっていて笑う。ぎりぎりSuicaが使えるエリア。目の前にタクシーが来て、急いで飛び乗る。運転手さんに「ながひかわ温泉」というと伝わらなくて、何度かいうと「あ、ながびかわね」と。や、それはわかるだろ。

宿にチェックインし、さっそく温泉。貸し切り露天までのアプローチの雰囲気が抜群で香川の阿讃琴南を思い出す。温泉も自然の中で空気が美味しく、思わず瞑想。宿自体は新しくないのだが、露天はあたらしく、投資するところに投資する姿勢がすごい。ぬる湯で思わず時間ギリギリに。

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ごはんは、囲炉裏焼きの地頭鶏や宮崎牛、鯛などすごい量。地元の筍やそら豆を焼いているだけで楽しいくなる。昨夜はまった霧島の水割りを飲みながら延々と食べる。宮崎牛はそんなに美味しくなくて、まりなとアレ?と顔を見合わせる。他のやつはとても美味しかったので不思議。

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お部屋に帰り、洗濯を待つ間、ケン・リュウの「もののあはれ」をゴロゴロしながら読む。10時半ごろ眠たくなりおやすみ。


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