いつかの遠い未来を思っている時が1番幸せだった。
私は、今この瞬間に幸せを感じるのが苦手らしい。
楽しみな予定ができるとその日を迎えるまでが最高に幸せで、毎日ワクワクする。
その日はどんな格好をしようか、アクセサリーはどれを身に着けようか、靴は何がいいか、毎日暇さえあれば頭の中はシアワセなきもちでいっぱいだ。
それなのに、その日を迎えた私の気持ちは案外盛り下がっている。
どうしてなんだろう。
想像していたシアワセを手に入れたはずなのに、私は何一つ満たされていない。シアワセな時間を手に入れた瞬間から、私はそれが終わる時のことを考えて泣くタイプの人間のようだ。
始まればいつか終わりが来る。
当たり前のことだけど、それがただただ悲しい。
楽しみにしていたライブも、
ずっと欲しかった洋服も
行ってみたかった異国も、
見てみたかった映画も、
触れてしまえばいつか終わる。
始まった旅は必ずいつか終わる。
「こんなものか…」と思いたくないらしい。
だから私は、シアワセに包み込まれる瞬間がどんなものかよくわからない。
私は常に、「次の楽しみ」を探しては、
それを心の拠り所にして生きている。
飽き性とは、また少し違うのかもしれない。
これって、ちょっぴり悲しい生き方なんだろうな、と思うときがある。
そう、わたしは、
いつかの遠い未来を思っているときが一番幸せだった。