三浦真治 MS, ATC, CSCS

広島東洋カープ 1軍コンディショニング担当 アスレティックトレーナー 広島生まれ→小…

三浦真治 MS, ATC, CSCS

広島東洋カープ 1軍コンディショニング担当 アスレティックトレーナー 広島生まれ→小6より米国ミシガン→ミシガン州立大学→フロリダ大学大学院→広島 Athletic trainer for the Hiroshima Toyo Carp. MS, ATC, CSCS

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  • コンディショニングプログラム

    プロ野球選手に処方しているコンディショニングプログラムや、どの方にも行って頂ける エクササイズをまとめた記事となります。

  • プロ野球アスレティックトレーナーの日常

    プロ野球界で働くアスレティックトレーナーとして、日頃の仕事内容、考え、事情など思うがままに書き留めています。

最近の記事

#29 アメリカ出張 まとめ

1月6日~15日の期間で、アメリカ シアトルとアリゾナにあるDriveline Baseball という施設に、所属選手のトレーニング視察という形で行ってきました。 滞在中にでも現地で得た収穫や考えをまとめようと思いましたが、あっという間に出張が終わり、春季キャンプ諸々で全く文字にできていませんでした。 2ヶ月以上経ってしまいましたが、もう一度文字にして自分の考えをまとめます。 改めてDriveline Baseballは日本のメディアに取り上げられる『プライオボール』

    • #28 アメリカへ行きます🇺🇸

      あけましておめでとうございます。 2023年も宜しくお願いいたします。 今年も幸せな年末年始を過ごすことができ、仕事復帰が待ち遠しいです。 早速ですが1月6日から10日間アメリカへ出張へ行きます。 シアトルとアリゾナにあるDriveline Baseball という施設に、所属選手のトレーニング視察という形で行ってきます。 アメリカ出張の経緯2016年以来、外国で勉強という機会を持つことができていませんでした。 コロナ禍もあり、他環境でのインプット機会が激減し、ど

      • #27 プロ野球 オフシーズン トレーニングプログラムについて 

        おはようございます。 今日は前回の記事の続編です。 秋季練習・秋季キャンプが終了すると、プロ野球選手は球団からの拘束期間ではなくなり、自由に行動できます。 自由といえど、年間10ヶ月間も一緒にトレーニングを行うのに、急にトレーニングをやめたり、180度違うトレーニングを始めるとデメリットが多くなってしまいます。 そこで12月〜2月までの期間を計画的に過ごせるために、オフシーズンプログラムを僕は選手へ提供しています。 オフシーズンの目的とは?前回の記事でも書いた通り、

        • #26 プロ野球 オフシーズン トレーニングプログラムについて 『秋季練習』

          おはようございます。 今日はプロ野球のオフシーズンに処方する、トレーニングプログラムを紹介します。 オフシーズンとは?プロ野球のオフシーズンとは、明確な定義はありません。 僕個人的には最後の公式試合から、来季のキャンプ初日までの期間だと考えています。 米国ではほぼ上記の様なオフシーズンを送ることが出来ます。マイナーリーグでは9月ごろにシーズンが終わり、2月のキャンプまで計5ヶ月程度の期間を設けることが出来ます。メジャーリーグではプレイオフなどを含めると10月〜11月ま

        #29 アメリカ出張 まとめ

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          #25 2022年シーズン終了 総括

          おはようございます。 先日秋季キャンプを打ち上げ、オフシーズンへ突入しました。 チームは前半は調子が良く首位にもいましたが、途中からは失速してしまい、最終的に5位で終了しました。 2年ぶりの1軍帯同は想像よりも大変で、課題が多く出た1年でした。  もっとチームに貢献できたなぁと思う反面、自分一人の力ではどうにもできないなぁと思わされる場面も多々ありました。 改めて個々の能力を高めていくのは勿論のこと、組織力を上げないと更なるレベルアップは難しいと感じました。 今年

          #25 2022年シーズン終了 総括

          #24 夏場対策

          おはようございます。 梅雨が明けて猛暑が続く日々となってきました。 どれだけ熱くなろうと、プロ野球の試合は行われます。 所属チームの本拠地は屋内球場ですので、練習も含めた外での活動時間はとても長く、暑さ対策は選手の体調を保つために非常に大切になります。  今回はチームの暑さ対策というよりは、僕の考えと個別で対応している取り組みを紹介します。 暑さが及ぼすマイナス面はたくさんありますが、僕なりに3つの分野に分けています。 熱中症 ・熱中症による離脱(筋痙攣含む)

          #23 プロ野球 シーズン半分消化して。

          一昨日で72試合消化し、シーズンの丁度半分が終わりました。 2年振りの1軍での仕事は毎日が充実していて、本当にあっという間に時が過ぎているなと感じています。 1軍の華やかな反面、厳しい勝負の世界で緊張感がある職場を経験して、改めて実感したことをまとめてみました。 ・日々の仕事がチームや選手個人成績へ直結する緊張感 ・選手個々のコンディショニングへの意識が高い ・ホテル・食事の質が良い ・移動距離・頻度が多い(地方試合もあるため) ・生活リズムが安定しない(ナイター、デイ

          #23 プロ野球 シーズン半分消化して。

          #22 プロ野球 シーズン中に投手へ行う 肩・肘の徒手療法 

          おはようございます。 投手の生命線といっていい肩・肘を、シーズンを通じて良い状態に保つのはコンディショニング担当として腕の見せ所です。アプローチの一つとして、今回は徒手療法を紹介します。。 徒手療法を用いる理由は『正常な軟部組織の機能(可動性・伸張性)を取り戻すため』です。 投手は野手と比べ、全力でボールを投げるという動作を数多く行います。 全力投球には、腕は猛スピードで加速され、投げた後にはその腕を減速しないといけません。ブレーキ時には筋肉が伸びながら力を発揮(遠心性

          #22 プロ野球 シーズン中に投手へ行う 肩・肘の徒手療法 

          #21 プロ野球 移動への対処法

          おはようございます。 今日は頻繁に日本中を移動するプロ野球において、コンディショニング担当としての対処法を紹介します。 年間143試合行われるレギュラーシーズンで、ほぼ半分はビジターとなり、移動が伴います。移動手段は球団によって様々ですが、僕の所属チームは基本的に新幹線を使用しています。 移動時間は1時間弱から4時間超と振り幅がありますが、年間積み重ねていくと相当な時間と負担になります。 この避けて通れない厄介な移動ですが、少しでもパフォーマンスへ影響の出ないよう下記

          #21 プロ野球 移動への対処法

          #20 プロ野球 シーズン中の遠征先コンディショニング

          おはようございます。 今日はプロ野球のシーズン中に、遠征先で行うコンディショニングを紹介します。 プロ野球は公式戦で143試合、オープン戦16試合前後、プレイオフ最大16試合、トータルで170試合前後行われます。そのほぼ半数が遠征試合となり、ホテル生活を送ることとなります。  米国のようにホテルにフィットネスジムは完備されていないですし、ビジター球場にもウェイトルームはありません。コロナ禍以前でしたら最寄りのゴールドジムなどに行けていましたが、現在は感染予防の点から通う

          #20 プロ野球 シーズン中の遠征先コンディショニング

          #19 「進まざる者は必ず退き、退かざるものは必ず進む」

          おはようございます。 先日は7年ぶりに松山へ遠征へ行ってきました。 7年もたてば街並み、ホテルの外観、ケータリング、球場の様子など色々な変化があって非常に楽しい遠征でした。 朝には松山城へ散歩へ行きました。城に登ったのは2012年以来でしたのでほぼ10年ぶりとなりました。登城中には昔の思い出が蘇ってきました。当時は入団してまもなく、上司の指示についていくのがやっとでした。  ふと『10年経った今はどうなんだろう?』 この10年間、タイトルにもあるように『現状維持は退

          #19 「進まざる者は必ず退き、退かざるものは必ず進む」

          #18 プロ野球 開幕戦を終えて

          おはようございます。 ついにプロ野球が開幕しました。 開幕戦は幸運にもベンチトレーナーとして貴重な経験ができました。 スタジアム場内には独特の緊張感が漂っていました。僕も1年ぶりの1軍ということもあり、気持ちが昂っていました。サポートスタッフの僕でアドレナリンが出るのを感じたので、実際にプレーする選手は相当のものでしょう。。。  試合開始前には世界的ミュージシャンによるパフォーマンス。そして国歌斉唱。 こんな気持ちが昂る職場は他にはないなぁと感激しつつも、ベンチトレー

          #18 プロ野球 開幕戦を終えて

          #17 プロ野球 開幕戦へ向けて

          おはようございます。 いよいよプロ野球2022年シーズンが明日開幕です。 1/143試合とはいえ、サポートスタッフ11年目の僕でも気持ちが高まリます。いよいよ始まるんだなぁという期待と、今年はどういったシーズンになるんだろうという不安が重なり合い、複雑な気分です 笑。 開幕へ向けてのコンディショニングは、以前の記事でも取り上げた通り特別なことはありません。10月末までシーズンがあることを想定しているので、開幕のためだけに向けてピーキングをすることはありません。 しかし

          #17 プロ野球 開幕戦へ向けて

          #16 プロ野球 オープン戦 コンディショニング

          おはようございます。 オープン戦も終盤に差し掛かってきました。 今回は春季キャンプ後に行われるオープン戦中の注意点をいくつか挙げます。 オープン戦はキャンプと違い、実戦メインです。1週間に4−5試合(シーズン中は6試合)が3−4週間にかけて行われます。実戦が多くなるといえど、いきなりレギュラークラスの選手がフル出場したり、先発投手が完投したりと言うことはありません。 徐々に出場機会が増えていくのが一般的です。 コンディショニングを提供するにあたって特別変わったことはあり

          #16 プロ野球 オープン戦 コンディショニング

          #15 プロ野球 春季キャンプ中におけるコンディショニング part 2

          こんにちは。 今日はプロ野球春季キャンプにおける注意点をいくつか紹介します。 春季キャンプは大体4週間ほどの期間で、業界独特の『クール』という休日間の区切りで分けられています。3−5勤1休のペースが基準となります。 環境の変化に注意 まずはキャンプ地へ移動する、長期間生活をすることで様々な生活リズムへ影響が出ます。 ・食事 ・寝具 ・天候 ・集団生活 あらゆる要素が心身共にストレスを与え、変化をもたらせます。特に注意したいのが天候の変化です。  基本的に春季キャン

          #15 プロ野球 春季キャンプ中におけるコンディショニング part 2

          #14 プロ野球 春季キャンプ中におけるコンディショニング part 1

          おはようございます。 今日はネット記事でもよく話題になる、2月に行わられるプロ野球の春季キャンプ中に行われているコンディショニングについて紹介します。 上記の様なネット記事が1−2月によく掲載されます。こういった記事を読者がどこまで鵜呑みにされているか分かりませんし、発言した当事者も話した内容の一部分だけ抜粋されているかもしれませんし、もしかすると内容通りの練習を行なっているかもしれません。真相は分かりませんが、確実に言えることは『総練習量が短期間で増える』ことです。 

          #14 プロ野球 春季キャンプ中におけるコンディショニング part 1