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幸せなため息

おうどんの一杯からこんなにも幸せな気持ちになれるとは、と衝撃的なおいしさでした。

神保町のうどん丸香さん。

うどん 丸香

東京都千代田区神田小川町3-16-1 ニュー駿河台ビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13000629/

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朝から食べていなかったのでお腹ペコペコ。釜たまときつねうどん、ちくわ天をいただきました。

コシはしっかりしているのに、ふわふわもちもちの不思議食感の麺、香り高く、喉越しよく。

溶き卵とだし醤油で甘みと旨味が絡まります。釜玉にはカルピスバター入りとか色々あるようです。

ちくわ天は見たことのない大きさ。ふわふわ、甘くてむっちりしていて真薯のようなちくわがカリッとした衣に包まれていました。

あっという間に平らげてしまい、きつねうどんがやってきました。

琥珀色のお出汁の鼻をくすぐる芳しい香り。ひと口啜るとじんわり奥深いいりこだし。昆布と鰹とかも入ってるのかしら。出汁を引き立てるほのかに甘い味付け。

丼の表面を覆う、だしをたっぷり含んだ大判きつね。噛むとじゅわーっと出汁が染み出し、もちもち。ああ、このキツネに包まれたい。

途中で、テーブルにある揚げ玉、ゴマなどもトッピングしてみて、あっという間に完食。

食べ終わってからも、鼻のあたりにずーっと残るお出汁の余韻に幸せが長続き。ポットに入れて持ち歩きたいなぁ、と。


うちは夜休業中なので、昼営業をバタバタ片付けて、いつもは絶対行けない、神保町のご近所さんランチ巡りをしています。

ライバル店の視察なんて、そんなそんな。単に神保町が好きなのと、食いしん坊なのでいつも行けない他のお店が憧れなんです。

丸香さんに行って、シンプルをとことんこだわって丁寧に作ることの大切さと、やっぱりお出汁の深み大事だなぁと気付かされました。

東北出身の私、東京で初めて讃岐うどんというものを食べました。

当時十条にあったすみた。

手打うどん すみた
03-3903-0099
東京都北区志茂2-52-8
https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132305/13003783/

"かしわおろしぶっかけ"なるものを初めていただきました。コシの強いうどん、スパイシーなかしわ天にノックアウトされました。それから、次の機会にいただいたかけうどんのお出汁の滋味深さといったら!!甘じょっぱい醤油強めの出汁しか知らなかった私はまたまた衝撃を受けました。

それ以来、すみたを超えるおうどんに会ったことはありませんでした。

たびたび一人で行っては、悦凱陣と讃岐おでんからのうどんという流れで休日の贅沢な時間を過ごさせていただいてました。

香川でも何ヶ所か行きましたが、素朴な麺自体の美味しさを味わえても、なかなかお出汁の衝撃には会えませんでした。

でも、今日、丸香さんで、久しぶりに、頭がグワーンとなるような美味しさに出会えました。心からはぁーと、幸せなため息が出て、五臓六腑に染み渡り、心も身体も温まりました。

私も、お客さんから、そんな幸せなため息が出ますようにささやかながらも丁寧に料理したいと思いました。

ごちそうさまでした。

↓先日はエチオピアさんで。

チキンと野菜のカレー。食べ飽きない優しさ、スパイスの香り。玉ねぎのアチャールも美味しかった。

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おいでくださりありがとうございます。 不器用な料理人、たぬき女将が季節の食材、料理、方言にまつわるよもやま話を綴っています。おまけレシピもありますよ。