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ぶきっちょさんの狂詩曲

毎日厨房に立っているけど、今でも、包丁握るのは少し怖い。散々指切ったし、縫ったし、やけどもしたし。鈍臭くて、もう。

10何年やって、やっと人並みになれたかなぁと思っている…。

それでも、お刺身には苦手意識があるし、魚おろすのも、毎日真剣にやっているけど、満足のいくきっちりした卸し方が出来る日はそう多くない。

恥ずかしいけど。


機械を扱うのも嫌いじゃない。ファミレスやイタリアンにいた時は色んな調理器具を使わせてもらった。しかし、何をやるにも思い通りに扱えるまで相当時間がかかる。指を切らなくてもいい場面で指を切ることもあった。出来ない自分は悔しくて、出来るようになりたくて、率先して挑戦してみては、失敗して怒られたりもした。お前に練習させる為のもんじゃない、と。


今もまだあまり得意とは言えないのに、個人店だし、業者さんを呼ぶ前にどうにか対応しなければならないトラブルや故障がある。テンパってるのに、部下の手前涼しい顔してやる。


つまり、

ぶきっちょは自分で自分がめんどくさい。


でも、それ、自分で自分の価値を蔑んでないかな、とふと気付いた。ずっと、どうせ不器用だし、とか、また上手くいかなかっただって不器用だから、などと自分に言い訳していたのが嫌になった。

だから、諦めるのはやめた。不器用なりになんとかなる。なんとかする。

まぁ、形が多少不恰好でも、

映える綺麗な形じゃなくても、

ちゃんと味見して吟味した味わいや、真心や丁寧さ、心持ちと努力次第で料理はきっと美味しくできる。

そう思いながら、一方で不器用な自分を克服するべくもがいている。


そんな私なのに、この度、真空パック機なんて機械が導入されることになった。挑戦は嫌いじゃないが、慣れない作業時にもたつく手が困る。


でも、これで低温調理が楽になり、さらにグレードアップすると思えば、ワクワクする。よりハイレベルな調理ができるようになるんじゃないかって。しっとり、ジューシーな美味しいお肉ができることを夢見て。

なので、まだまだ試行錯誤中だけど、低温調理研究、始めてみようと思う。

〜〜〜〜〜おまけレシピ〜〜〜〜〜

☆ほろほろ鳥の炙り☆

今までのやり方で。

ほろほろ鳥は、2キロに対し、水800cc、酒200cc、塩35g、はちみつ30g、ブラックペッパー(粒)10粒、玉ねぎスライス1個分、にんにくスライス3かけ分、ブーケガルニ1パックで作ったソミュール液に一晩漬け込む。
汁ごと何個かに分けジップロックにいれ、空気をしっかりぐーっと抜いて、65℃の湯煎で1時間はを入れる。
すぐに食べない時はそのまま、氷水につけ急冷するすぐに食べる時は、お湯から取り出して、粗熱取れるまで20分くらい置いておく。袋から取り出し、ほろほろ鳥の皮面を炙る。(身の方はさっと。加熱しすぎたらせっかくの調理方法を施した後なのに身が堅くなるため。)

※他の鶏肉でも代用可能。

☆ほろほろ鳥とは…

フランスでは、『食鳥の女王』と言われる、キジ科の鳥類。噛み締めると溢れる旨味と香り、ジューシーな弾力が持ち味。

郷酒では、岩手県花巻市 石黒農場 産のほろほろ鳥を使用中!!

http://www.ishikuro-farm.com/


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