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『PETERDOIG』( ピータードイグ)図録 読書記録

去年、東京国立近代美術館で開催されたピータードイグ展にて鑑賞後に購入しました。

先ずこの方、とにかく絵のサイズが大きく、作品を目の前にするとその迫力に圧倒されます。

バスキア、ゴッホ、ムンク、マチス、浮世絵、さらには映画『13日の金曜日』とか、オマージュ?作品が多くて面白いですね。


『一枚の絵画は多くの参照源を持たなければいけない』ドイク自身が語っているように、

気に入った写真や絵画、映画やパンフレット等、画家自身の中にある様々な記憶や日々の生活、人物や風景の記憶が次々重なりあい、

それら複数のイメージをモンタージュするようにまとめ上げ、重層的な作品に仕上げています。

又、絵画における焦点、鑑賞者の視点が分散的になるように実に巧妙なテクニックが施されていて、

彼の絵画はなんだかノスタルジックな雰囲気とか夢の一断片のような謎めいたイメージなのは、その層の中に共感できる部分があったり、視点を変えると又、違った雰囲気を味わえる多様性にあるようです。

最後にこの作品。
積み重ねられたビールケースを表す長方形をヒントに卓球台と合わせたとか。
視点を変えると奥行きの広い森が見え、作風イメージがガラリと変わるとの事。

この作品、「なんかダサ」って思っていましたが、図録で知ると面白く考え方が変わりました。

積み重ねられた長方形を何度も描き続け、イメージを進化させ、次の他の作品へと繋がる切っ掛けを作る事で違う意味を持つ形へと変化していく。

そんな長方形シリーズも、いくつかあって独創的です。

本物を目の前でじっくり鑑賞する、
美術館での一時も至福ですが、
専門家の意見や作品紹介等、
お家でゆっくり珈琲飲みながら図録読書も面白いですね。

特に
【東京でピータードイグについて想像する】桝田倫広(東京国立近代美術館主任研究員)さんのコメントが一番共感出来ました。
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