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一人ぼっちと痩せ我慢 #1 時の流れ

 子供のころのことを思い出すと、色々なことの原点となったものが分かってくる気がする。例えば、好きな食べ物。牛肉や豚肉よりも鶏肉が好きなのは子供のころからだった。理由については思い出そうとしても、思い出せないけどとにかく鶏肉料理が出てくるとすごくワクワクした。

 好きなものだけじゃなくて、苦手なものについても。今はだいぶ改善されてきているけども、トマトが凄く嫌いでずっと食べられなかった。子供の時に、好き嫌いはいけないという親の方針で無理やりトマトを食べさせられて吐いてしまったことがトラウマになってしまっている。ちなみに、食べられるようになった理由はめちゃくちゃしょうもなかったりする。大学生の時に、ふらりと入ったちょっとお洒落な洋食屋さんでハンバーグ定食を頼んだら前菜として丸々1個の冷やしトマトが出てきた。お店の雰囲気的に残せる感じではないし、そもそも丸々1個を残すのはさすがに失礼な気がして腹をくくって食べた。それから、全く食べれないわけじゃないけど好んで食べるものではない。

 趣味についても子供のころの影響がかなり出ていたりする。低学年のころはゲームなんかはほとんどなかったから毎日外で走り回って遊んでいた。しかし、ゲームが広がっていくとみんなゲームをやるようになった。僕自身もゲームをやっていたけど格闘ゲームやみんなで通信をして遊ぶゲームよりも一人で黙々とやるRPGゲームが好きだった。特にシナリオがしっかりしているゲームが好きだった。小学生時代に一番やったゲームはメダロットシリーズ。周りの友達でやっている人は誰もいなかったけど、ストーリーがとにかく好きで誰に何を言われてももくもくとやっていた。ポケモンもやったし、ドラクエもやったけど通信はほとんどしないでもくもくと一人でやっていた。昔から、一人でいることが苦じゃなかったんだ。

 さて、前置きが凄く長くなってしまったけど本題としては音楽の話。
多くの人の人生に音楽は寄り添っていると思う。僕は聞くだけだけど、それでも音楽の持つ不思議な力に助けられてきている。その音楽が子供のころから今まで好きなジャンルの傾向がほとんど変わっていない。

 僕が初めて買ったCDはサンボマスターの『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』。当時、電車男がドラマで大ヒットしているときでなぜかわからないけどその音楽に惹かれた。そもそも、CDを買うということをしなかったし音楽をしっかりと聴くことに興味がなかった僕がなぜかサンボマスターの曲が心に深く刺さってなけなしのお小遣いで買った。そこから僕はしっかりと音楽を聴くようになった。

 色々なジャンルの音楽を聴いて、高校生になるころに"好み"が固まった。ロックバンドの曲が凄く好きになった。そこから社会人になるまで、僕はほぼバンドの曲しか聞いてこなかった。スピッツ、サンボマスター、藍坊主、黒木渚、パスピエ、東京事変等々・・・・書ききれないくらい。大学生からは邦楽だけじゃなくて洋楽も聞くようになった。洋楽を聞くきっかけはライトノベルだったけれども今となってはあのラノベを読まなかったら洋楽なんて聞いてこなかっただろうから出会えてよかった。

 一方でゲームに関して言えば変化が起こった。一人でやるゲームが基本的に好きだけど、友達とやるゲームも対戦ゲームも楽しくやれるようになった。その筆頭で言えば、モンスターハンター。2ndGや3rdはとにかく友達とやりまくった。大学生の時はモンハンだけじゃなくてスマブラとかも小学生や中学生の時以上にみんなでやり込んだ。時が流れることによって僕の許容範囲が広がって、楽しみ方も大きく広がっていった。

 それから数年が経ち、今は社会人。ついに(?)よく聞く音楽にも変化が出てきた。もちろんバンドの曲が多いけれどもヒップホップやアイドルの楽曲等を聞くように。ヒップホップはCreepy nutsに出会ったのが大きい。初めてたりないふたりを聞いたときに凄く衝撃を受けた。ちなみに初めて聞いたヒップホップの曲はSOUL'd OUTのウェカピポだったりするけどどっぷりははまらなかった。最近では、竹内アンナさんの楽曲が好きで色々と聞いている。

 一方でゲームはまた変化が起こった。オンライン環境が整い、面と向かって集まらなくてもネット上で沢山ゲームができるようになったけれどもそういうゲームをやらなくなった。モンハンもスマブラも結局みんなで集まってやるから楽しかったので、オンライン上で通話とかしながらやってもそれは面と向かって集まってやっていたことの楽しさにはかなわない。結局最近は一人でもくもくとできるゲームに逆戻りしてしまった。本音を言えば、またみんなで面と向かってあーでもないこーでもないって言いあいながらやりたいけれども、僕はそういうことを言うキャラじゃないので結局言わずにモヤモヤとしてしまっている。

 どんなことも時が流れると受け入れられることが増えていき、幅が広がってそれによって"好き"が増えていくようになった。それは凄く嬉しいし、楽しい。ただ、その幅が広がった"好き"もよくよく考えてみると昔に好きだったものが根底としてあって、それが幅を広げているんだってこと。子供のころ、斜に構えがちで色々なことに触れてこなかったことを今になって後悔している。もっともっと色々なことに触れてきたら、今"好き"になるものの幅ももっともっと広がっていたかなと思う。年を重ねていくと好きは広がっても興味の幅は中々広がらないと聞いたことがあるため、これからなるべく色々なものに興味を持っていきたい。もちろんそれは自分のアンテナに引っかかるものになるだろうけど、アンテナを高く張っていきたいな。

がわ

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