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King&Prince海外進出(3)はJ-pop輸出の発想から

キンプリを世界へ

発展する国内ダンスを、海外のものよりいいものを作ろうと、和風、日本風にこだわって作られた楽曲。質的に良いもの、国際競争力をつけようと、ティムティムさん振り付けの『Namae  oshiete』KREVAさん作曲、リエハタさん振り付けの『ichiban』全編英語詞の『Magic Touch』『Beating Hearts』などが短期間に発表されている。

J-popの輸出化を強く意識して共同で取り組んだKREVAさん、リエハタさんの『ichiban』はヒップホップのファンからも注目された。技術を温存するより、技と知識を共有するメリットがあり、得るものが多いと判断したのだろう。実際TikTokの再生回数は記録的でダンス関連業界にも貢献できた。

また脱退、退所発表後テレビ披露での衣装、美術、照明、カメラワークは、どの局も他局と張り合うかのようにスキルが高かった。本人たちの渾身のパフォーマンスがより一層冴えて映った。ファンからの要望も影響したと考えられる。(これも資本主義の需要と供給)

ただ海外展開を阻んだものは、事務所だけではないように思う。まず彼らが大切にしていたティアラ、ファンが理解、納得していなかった。11月頃、「ツキヨミ」コメント欄で「私たちティアラは、ただキャーキャー言ってるだけじゃ駄目だったんだ」と。そして自分たちが考えうる全ての行動へと実行していった。アイドルポップの方が好きなティアラもいることだろう。しかし彼らの願いを知り彼らを失うよりはと、仲間を募りファンの裾野を拡げ始めた。

どのダンス曲もパフォーマンスのレベルは海外でも十分通用するレベル。アルバム『Mr.』で更にそう思う。                                               ただコロナ禍はまさに“禍”だった。ライブ収益の激減するなかの 休業の間、待てずにキンプリの肩に荷物を載せたかのように。

数値目標は、本来測り得ない人の思いや熱意までをも、数値に置き換えようとするもの。ファンの負担を考え、彼らは決してファンに数値を示したり買って欲しいなどとは口にしない。アイドルだから。

大きな収入源である彼らへの、過度の隔離、待遇は反発を招き、それもストレスとなる。彼らはプロ中のプロだと改めて思う。そのストレスの解消をダンスと英語に向け、力を蓄えた。過剰なまでにストイックに。

周りの反発や批判を受け、「自暴自棄になってないか」とファンからの心配の声もあがっていた時期だ。   (続編へ)


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