『いつかたこぶねになる日』⑫
⑫はだかであること
ここで分かったことは3つある。
『マッパ』が、『真っ裸』であること。
『いっしょくた』が実は方言ではなく『一即多』であること。
菜の花は詩であれ絵であれ、ほのぼのとした情景が思い浮かぶこと。
菜の花の黄 夏目漱石
菜の花は朝日に黄色く
菜の花は夕陽に黄色い
菜の花の黄に埋もれて僕は
朝な夕なに歓びをむさぼる
疼くような抑制を利かせたと小津さんがいうこの四句から一気に雲雀、青空、天の都から地上を見下ろす四句につながり
この想いは言葉にできない
この楽しみは深くてひろい
ここで私は思わず深呼吸
そして転調し
悲しいのはまだ僕が鳥じゃないこと
とロマンチックに嘆き
もっと歌い尽くしたいと呟くように終わる
確かに夏目漱石のある一面は、私のイメージとは違っている。これを小津さんはマッパというらしい。
とても分かりやすい詩だけれど、その下の漢詩はやはり難しい。
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