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斎藤清美術館への旅vol2

前回の旅はこちら↓

早いもので5月28日より『vol.2 「もやもや線」の発見』への展示替えが行われました。
スケジュールを見る限りでは20~30日スパンで展示替えですから、1回の展示期間は1ヶ月もないと考えるとあっという間です。

今回の展示では「もやもや線」を言われるだけありまして、前回のパキッとした版画とは対象的に複雑に彫刻した版画が多かったように感じます。
何度も何度も彫り込んだ線を集合させて面にするような形ですね。
今回は原版の展示も行われており、版画と原版を見比べられるような展示も多かったです。

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今回はまさに五月晴れという景色ですね。
河川敷が緑が生い茂り、山々もすっかり緑色に染まっています。

さて、今回は銅板画家として活躍されている安部直人先生による『ドライポイント』と呼ばれる技法を使った版画体験のワークショップも開催されていまして、そちらにも参加しました!
安部直人先生は斎藤清 氏と交流があったそうです。

ちなみに先日の記事で言っていた『アート系ワークショップ』とはこのことでした。

ドライポイントとは主に銅版画に用いられる版画技法でして、鉄筆を使って銅板を引っ掻いて原版を作っていくのです。
そして引っ掻いた傷にインクを詰め込み、紙に転写するというものです。
今回は銅板ではなく、アクリル板を使いました。

絵を描くのも正直何年ぶりという感じですが、版画なんて小学生以来な気がします。
とりあえずアクリル板を引っ掻き始めましたが、版画と言えば削った場所が白く転写されるわけで、引っ掻いた場所が紙に黒く転写されるというイメージがつかなかったのです。
先生が「線一本でも良いので試し刷りしてみてくださいね」とおっしゃっていたので、イメージを明確にするためにも試し刷りをしてみました。

それがこちらです。

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意外と引っ掻いた傷通りに線が出てきます!
にじみは銅版画の特徴だそうで、斎藤清 氏の作品もにじみを活かした版画があるそうです。
(インクは薄くなりますが、にじみを消す方法もあります)

原版と比べられればイメージが湧いたかと思われますが、原版の進捗も記録すれば良かったと後から気づきました……。
さて、この序盤段階で何を描こうとしていたのか分かりますでしょうか。

そして、2回目の試し刷りがこちらです!

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かなりそれらしくなりましたね!
そう、風景画です!
追々参考にした写真も載せますが、磐梯山が写っております。
(ちなみにこちらはブレた写真ではなく、版画プレス機から取れなくなってしまい、取り出すために2回プレスした結果ブレてしまった物です)

3回目の試し刷り!

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ほぼ完成図ですね。
山や雲のディテールの追加です。
鉄筆でトントン叩いたドット柄もしっかりと転写されています。

次は完成品、その前に参考にした写真をアップしちゃいます。

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こちらの出先で撮影した風景写真でした!
ちなみに版画ですのでこのまま引っ掻くと反転して転写されるわけです。
文字とかであれば工夫しなければいけませんが、あえて反転のまま進めました。
素人なりに版画で再現できた……と思いたいです。

そして最後、完成の本刷りがこちらとなります!

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自分で言うのもなんですが、なかなか立派な版画に!!!
いきなり青くなりましたが、こちらは最後に青インクを塗り込んで転写したものになります。
黒インクを溝に刷り込んだ後に背景に色を付ける技法もあるということなので、お言葉に甘えて青色にしていただきました。
青インクがかすれてはいますが、こういう偶然の産物も味かなと思います。

そして原版がこちら。

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原版の彫り込みが版画にそのまま再現されているのが分かりますね。

今回の安部直人先生が何事にも「いいね!」と言ってくれるので楽しく取り組むことが出来ました。
久しぶりのアートだったので不安ばかりだったのですが、「こうで良いのかな……」っていう不安が消えていき、どんどん取り組みたくなるようなワークショップでした……まさに全肯定型職人さん!
やはり画家として成功されている方は、みんなのチャレンジ精神を育む方なんだなと感じた次第です。



さて美術館への旅のあとは食事応援……のはずでしたが、今回はお休みです。
例の旧車イベントが被っており国道は渋滞、美術館へ行くのに通常の倍近くの時間がかかりました……。
流石に帰りも渋滞には巻き込まれたくはないので、国道は使わずに山道から退散したのです。
ということで、次回vol.3でお会いしましょう。
今日はこの辺で。


ギアでした。゜ω゜)ノ

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