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発達障害と感覚刺激 ~その5~

発達障害を持つ私も娘も、
それぞれに感覚刺激に対する
過敏や鈍麻を持っています。

感覚過敏は、刺激を感じすぎて辛い。
感覚鈍麻は、刺激を感じにくくて困る。

しかも、他人に理解されにくい。

どちらも、自分で
コントロールできるものではなく、
訓練できるものでもないので、

発達障害を持つ人間の生きづらさの原因の
大きな部分を占めるものだと
当事者としては思います。

今日は当事者だからわかる
感覚刺激への困り感や
個別にしている対処法を書いてみます。

今回は、嗅覚過敏についてです。


嗅覚の過敏(私)

子どもの頃は、デパートの1階が
大嫌いでした。

私の実家は当時、繁華街の
ど真ん中にあったこともあり、

家族でデパートの屋上に時々行き、
小さな遊び場で遊ばせてもらっていました。

でも、そこに行くには、
必ず1階を通らねばなりません。

私にとってそこは、
様々な化粧品のニオイが混ざり合う
強烈な臭いのする「鼻が痛くなる場所」でしかなく、
「鼻がもげそう…」と言いながら、
鼻をつまんで通り抜けていました。

母がそういったものに興味の薄い人だったので
長居をすることがなく助かったものです。

今は、デパートの化粧品売り場も、
だいぶ匂いの種類が変わったり
私自身の過敏さが弱まったりしているようで、
苦手さは昔ほどではなくなりましたが、

強い香水の匂いは今でも苦手で、
公共交通機関の中など、逃げられない場合は、
ずっと嗅ぎ続けると頭痛が始まるので、
つい鼻をつまんでしまいます。

それから、「雨の匂い」がわかるこどもで、
外で遊んでいたり、教室の窓が開いていると、
「もうすぐ雨が降るよ!」と予告できました。

今は、たま~にわかるくらいです。

今でも強く残っているのは、
食品が傷む匂いに対する敏感さです。

特に鶏肉は購入日の翌日以降後のものは
ゴムを食べているような独特の匂いがし出すので
ショウガやハーブなど強いにおいを付けるような
調理法にして食べています。

もちろん、自分自身の汗の臭いや
柔軟剤の匂い、トイレの芳香剤などの匂いでも
不快感を感じることもあります。

ただ、パンの焼ける匂い、イーストの匂い、
チョコレート、バターの匂いなどは大好きで、
おそらく一般の人よりもっと、
パンを焼く過程の匂いを楽しめてると思います(笑)
それも手伝って、パン作りに
のめりこめているのかもしれませんね。

嗅覚の過敏(夫)

夫が苦手なのは、ゴミの匂いとトイレの匂い。

ゴミ集積所や
掃除の行き届いていない公衆トイレ、
古い油の臭いなどは、とても苦手なようです。

臭いのせいで吐きそうになる姿、
それで用を足すのを断念する姿を
何度も見ています。

マスク生活

嗅覚過敏の人にとって、
マスクはありがたいものでもあり、
自分自身の臭いにやられることもある
怖い物でもあります。

うまく使えば、ものすごく苦手な場所も
大きな苦痛なく乗り切れるかもしれませんね。

さて、今まで感覚過敏や鈍麻について
当事者としての感覚を書いてきました。

ここまで読んでくださり、
本当にありがとうございます。

もちろん、人によって、
苦手な臭いや音、光などは違うので、
それぞれの個性に合わせて
工夫をするのが大切になります。

まずは辛さの原因をはっきりさせること、
それにどう対処・工夫すればラクになれるかを
考えて実践していくことが、
楽しい毎日を作っていくことに繋がると思います。

次回は、この感覚過敏や鈍麻は、
その人にとって悪いことばかりなのか?
という部分を書いてみようと思います。

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