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パリ・オペラ座の日々1993~1994:2月15日 三ツ星レストラン アルページュ(L'Arpège)


2月15日

朝10時に起床。今日はアルページュに集中する。13時にロダン美術館の前でノリコさんと待ち合わせ。店内は明るく、スタッフの皆さんの給仕もフレンドリーでありながらピシっとしていて素晴らしい。

アペリティフにシャンパンをお願いしたら、あまりに美味しすぎてぶったまげた。かなり高級だったみたい。

アントレ : 卵+ヨーグルト+チーズみたいなの
     : 牡蠣のつみれ風
プラ①  : タラの甘辛複雑ソース
プラ②  : ラパンの甘辛複雑ソース+フォアグラの焼き鳥風
デセール : 焼きたてサクサクのミルフィーユ
チーズ  : シェーブル他取り放題
食後   : コーヒー、プチフール山盛り

さすがに美味しい。なにも語れないくらいに何もかも美味しかった。給仕もパーフェクト。シャンパンも素晴らしかったし、勧めてくれたシャブリも本当に美味しかった。

食後は三人でお散歩。アンヴァリッドからシャンゼリゼ方面に歩き、ルノーのカフェでお茶して話し込む。春みたいなお天気で素晴らしい一日。アレクサンドル3世橋が泣けるくらいに素敵だった。ヴァージンメガストアに寄ってテーマとヴァリエーションのCD(チャイコフスキー)を購入して帰宅。

アルページュ 1300F
FNAC 158F
カフェ 27F
Virgin CD 278F


皆さんは、アラン・パサールの名前はご存じでしょうか?この日記の1994年当時からフランスでは大注目の料理人でした。1986年にオープンした「アルページュ」は、ミシュランガイドで1987年に2つ星、1996年に3つ星を獲得。25年が経過する現在も三ツ星を維持し続けている偉大なシェフです。


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アラン・パサールさん(2013年頃の写真みたいです)


96年に三ツ星ですから、僕達が訪れた94年はまだ二つ星でした。でもミシュランよりもヌーヴェルキュィジーヌ寄りと言われる、ゴーミヨーのガイドブックで、アルページュはほぼ最高位のトック19を獲得していました。

ゴーミヨーの最高得点はトック20ですが、1994年は該当無し。次点のトック19.5はロブション、トロワグロ、ピエール・ガニエールなど錚々たる顔ぶれが並び、全部で17店のみ。アルページュはその次のランクということですから、ヨーロッパでも最高クラスのレストランということになります。


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とにかくここらで一発勝負をかけよう!ということになり、お金を気にせず最高のお店に行ってみることにしました。27歳の東洋人二人だと心細いので、語学学校で知り合ったお友達と3人でランチに行ってみました。



お店の様子はHPをご覧になってみてください。今はネットからすぐに予約できるんですね~。当時は電話で予約しました。こういうちゃんとしたお店はフランス語が不慣れでも全然大丈夫。スタッフの方々がこちらの様子を察して臨機応変に対応してくれます。


「アルページュ」はパリの7区にあります。アンヴァリッド、ロダン美術館などが至近で、フランス政府の役所が集中しているエリアです。

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ランチだったということもありますが、この日はお天気が良く、店内もとても明るいムードだったのをよく覚えています。ディナータイムに比べると、スタッフの方々も少しだけリラックスした感じで、緊張でガチガチな僕達を和ませてくれました。

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肝心のお料理なんですけど、これはもう僕の文章力ではとても表現できないような素晴らしいものでした。一言でいうなら完璧。フランス語だとパッフェと言いますが、もうそれに尽きます。アペリティフのシャンパンからもう異次元の美味しさで、そこからは夢のような時間でした。

伝統的な重いフランス料理とはずいぶん違って、シンプルで軽やかなんだけど、でもそこに深い思考と確かな哲学が感じられるような、そんな皿の数々でした。パリでも何度か星付きレストランにいきましたし、日本へ戻ってからも色んなお店に行きましたが、このアラン・パサールほど洗練されたフランス料理はなかなかありません。

Wikimedia内にお料理の写真がありましたから、少し貼ってみます。


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このデセールのミルフィーユは、僕が食べたのと同じだと思います。スペシャリテなんでしょう。テーブルにオーブン持って来てその場で焼いてるみたいな(笑)サクサクパリパリ感! どうやって作るのか想像もつきません(◎_◎;)



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レシートを見てもらえれば分かるんですけど、このシャンパンは一杯120F(当時のレートで2400円くらい)ですから美味しくて当然ですけどね(笑) あんな凄いのを飲んだのは後にも先にもこの時だけです。

これは3人分のレシートですから、体験としての素晴らしさを考えるとすごく安かったと思います。ディナーだともっと金額張ると思いますが。



アラン・パサールさんは、1997年には招かれて日本のTV番組の「料理の鉄人」にも出演したみたいです。

この番組、当時は盛り上がりましたね~~。



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一緒に食事したノリコさんが撮影してくれたので、めずらしく二人で。エッフェル塔が見えてるから、たぶんお店のそばですね。ちゃんとしたレストランに行く時とか、オペラ座の最前列に座る時は、めいっぱいフォーマルが正解です。ちょっと気恥しいくらいカッコつけてる方が、周囲から好感持って接してもらえます(僕の”めいっぱいフォーマル”は、ネクタイ&上着なんだけど…笑)


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