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石膏像を作っています8月18日

厳しい暑さが続いていますね。堀石膏制作は今年はとても忙しい夏を過ごしています。まだずっと先の納品予定なのですが、大型商品のご注文をいただいていて、世間のお盆休み期間中はその製作に追われていました。

ヴェルヴェデーレのトルソの下半身、上半身です。まだ足のパーツもありますが、部品ごとに乾燥させて、納品タイミングを見計らって接続していきます。部品の状態だと地味に見えますが、全部が接続されると大きくて立派な石膏像になります。


ミロ島ヴィーナスの原作サイズです。僕の工房で作ることができる石膏像としては最大の商品です。ミロのヴィーナスは、全体を作る労力を10とした場合、下半身が7、上半身が3くらいの比率だと思っています。圧倒的に下半身が大変です。ですから静かなお盆休みの期間中に、この段階までは仕事を進めておきたかったんです。上半身は、おそらく10月初旬に流し込むと思います。納品は11月予定なので、保管場所のやり繰りを考えるとそれくらい期日が迫ってからの方が都合が良いのです。

この写真は、パーツ同士を組み合わせて断面の調整をしているところです。作ってすぐの未乾燥の状態(表面が少し柔らかい)である程度調整しておくと、最終的な組み立ての時にスムーズに作業できます。

膝の位置に大きな窓が開いていますが、ここには布のパーツを取り付けます。背後の腰のあたりにも窓を開けています。これは上半身と下半身を最終的に接続するときに使います。最後に窓を塞いで完成となります。


ミケランジェロの奴隷の半身像。これは全身ではないので、それほど大きな仕事ではありません(僕の工房には全身像の型が無いため、この半身像しか作れません)。来週納品予定。


ということで、10月末までは工房内がこんな状態でギュウギュウです(笑)

でもここまで進めておけばもう安心。大きな注文をいただけるのは本当に有難いのですが、実際のブツを作る身としては、どのタイミングで作ろうかな…、失敗しないで上手く作れるかな…、などとあれこれ考えてしまいます。もう25年もこの仕事をやっているんですけど、難しい品物を作るときは相変わらず不安な気持ちになります。誰も助けてくれないし、誰にも相談できない仕事ですからね。





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