見出し画像

『ITエンジニアのための中国語入門』執筆の裏側(ねこりんバージョン)

『ITエンジニアのための中国語入門』、ターゲットが限られる語学本ながら、Amazonの中国語カテゴリで物理本、Kindle版がどちらも上位にランクインするなど、多くの方に手に取っていただくことができました。お買い上げいただいたみなさん、ありがとうございました。

ランキングや書店での売り場を見渡すと、やはり基礎の中国語や会話、試験対策などの本ばかりです。そんな中に「ITエンジニアのための」と銘打つ本が並んでいるのを見て、著者としてというより、「ギーク中国語」の活動をしてきた身として感慨深いものがありました。また、制作にあたっては「エンジニアが実際に現場で使える本にしよう」という方針で進めたので「こういう本がほしかった」「実践的」というエンジニアの方々の声は本当にうれしく、この本の出版にかかわることができた幸せをかみしめています。

これからきっと辛口の批評も出てくると思うので、幸せな気分のうちに制作過程を個人的に振り返っておこうと思い、このnoteを書いています。

本書は当初、共著者でIT英語の著書もある細谷竜一先生が中国で長年オフショア開発やプロジェクトマネージャーなどに携われた経験をもとに執筆するということでスタートしています。その過程でご本業が多忙な細谷先生を手助けできるような人材がいないか、という話があり、ニコ技深圳コミュニティのつながりから私に相談がありました。

ギーク中国語コミュニティの目的は中国語を学ぶエンジニアの力となること。確実にその手助けとなるであろう書籍のお手伝いならぜひやらせていただきたいと思い、編集を担当するエディポックさんとともに細谷先生とお会いしました。そして私の経歴をご紹介すると、共著でいいのでは、という話に。正直自信がなく「私で大丈夫ですか?」と不安を口にすると、「ネタは十分あるから大丈夫。あとはエディポックさんがうまく仕上げてくれますよ」と細谷先生。その励ましに背中を押され、不安はありつつやってみようという気になりました。

が、何事も初めてのことは苦労がつきもの。エディポックさんから台割とページのテンプレートを提示してもらったのに、どう書けばいいの本当にわからず、パソコンに向かいながらも1ページも書けない日々が続きました。おりしもコロナ禍で外出自粛が求められていた時期。外に出て気分を変えたり、人に会って刺激を受けるという自分なりの「常套手段」を封じられてますます苦しくなっていきました。

それを打破してくれたのは共著の細谷先生の原稿でした。実際に現場で使っていたスクリプトと理解の手助けとなる自らの体験を楽しく綴られていて、エディポックさんも「実体験に基づく補足は貴重」という反応。そこでやっと「経験のまま書けばいいのか」と思い至り、筆を進めることができるようになったのでした。

それ以降も身内が入院したり、私自身がひどく体調を崩してしまって原稿が書けない時期があったりして関係者にご心配をかけてしまいましたが、執筆と同時進行で台割やページ構成を3者で相談しながら進めるうちに、「チームでやっている」という楽しさが出てきました。脱稿後、ちょっと気が抜けた私をよそに、校正の過程でも細谷先生、エディポックさんともただひたすら「現場のエンジニアの役に立つものを」という目的に向かって妥協しません。そんな気持ちに私も引きずられて自分にできることは全部やろうと努力しました。

細谷先生の経験とご見識、そしてエディポックさんの辛抱強いサポートと語学書編纂の卓越したノウハウと比べて私は一人右往左往しながらついていくのが精一杯だったというのが正直なところです。おかげで私としては本当に得難い体験ができました。細谷先生とエディポックさんにはただただ感謝の気持ちしかありません。

また、本書にはギーク中国語講座や萌神プロジェクトの活動実績がたくさん盛り込まれています。いつもギーク中国語の活動を支えてくれる仲間にも心から感謝です。そして、この本に関わるきっかけを作ってくれて、プロモーションにもめちゃくちゃ力になってくれたニコ技深圳コミュニティにもどうお礼をしたらいいのかわかりません。

よく「神は越えられない試練は与えない」といいます。私としては「返せない恩は与えられない」と信じて、今後も微力ながらこの幸せを与えてくれた人たちに精いっぱい恩返ししていきたいと思います。

Amazonでのご購入はこちら~
ITエンジニアのための中国語入門



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?